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あの頃のわたしはバカだった

大人になってから振り返ると、昔の自分の稚拙さが見えてしまう。

技術も知識も経験も(多少なりとも)積んだ今のわたしから見ると、過去のわたしはぐるぐるしたりジタバタしたり、やめとけばいいのに突っ込んでいって痛い思いをしてみたり、とにかく「あーあー」と思わず声が出てしまうような、そんな人間だ。

ただ、そのときのわたしにはそのときにしか見えない視界が広がっていて、そのなかでわたしはそれなりにがんばって目を凝らしていたんだよなあとも思う。まあ、「あーあー」と思えないのは、それはそれでまったく成長できていないことになってしまうため、苦笑しながら振り返れるくらいの方がいいのかもしれない。

ただ、振り返り方にもいろいろある。自分の若い頃のことを「バカだったなあ」と断ずる人がいるけれど、この「バカ」のニュアンスが「愛すべきおバカちゃん」ならさておき、全否定する「バカ」であるならば、なんだかそれってかなしいなあ、なんてふと思った。

まあ、確かにバカだったんだろう。バカなことをしていたんだろう。うん、していた。だけど、そのときのわたしは、そのときのわたしとして生きていたんだよなあ。

若気の至りというけれど、そう表すにふさわしい無謀なチャレンジを、じゃあ大人になったわたしはもうしないのか?と問いかけてみる。…いや、そんなことないよね。

わかったようなふりをして涼しい顔をしているのは、なんだかつまらない。「バカじゃん(笑)」と時に周りに笑われながらでも、何かに向き合っているほうがいい。淡々と可も不可もなくこなしつづけるよりも、バカをやれているほうが生きている感じがする。 そして、成長を望める気もする。

「バカだなあ(笑)」といわれることに突っ込んでいきたい。そんなわたしを微笑ましく見守ってくれる人がいるならば最高だ。そして、「バカばっかりしてたなあ」と未来のわたしが笑って振り返られる今を過ごしたいなあと思う。

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