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しなやかにステージを移りゆく

滅多に使わないFacebookが、「山里先生(仮名)のお誕生日です」と知らせた。

中学時代の恩師で、2年生の時の担任だった。先生は69歳になったらしい。「もう」なのか、「まだ」なのかはわからない。

山里先生は、 わたしたちと同じ年に「卒業」した。定年よりも早い退職で、卒業式の予行練習後に明かされたときは驚いたものだった。

「退職して、やりたかったことをやります」と先生は言った。やりたかったことは食堂で、確か退職後にあらためて調理師の資格を取ったのだったと思う。およそ15年ほど営業し、数年前に「閉店する」という知らせがFacebookに上がっていた。

そもそも、山里先生は新卒で教師になったわけでもなかった。何年間かは忘れてしまったけれど、まずは養護学校の教員をしていたそうだ。紆余曲折は知らないけれど、その後先生は中学の国語教師になった。確か、30歳を過ぎてからの新天地だったのだと記憶している。


人生にはいろいろなステージがあって、想いと行動力があれば、軽やかに移り渡っていける。

そのことを、山里先生から感覚として教わったような気がしている。そうして、先生の意思を尊重し続けたのであろう旦那さんのことも、素敵だなと思う。お会いしたことはないけれど。


今は、女性も男性も関係なく、ステージごとにいろんな世界に飛び込みやすい時代になってきていると思う。

やわらかな思考回路で、軽やかにジャンプできる自分でいたい。しなやかさを持ち続けながら年を重ねたい。山里先生を思い出すとき、わたしはそんな想いを抱く。


先生、お誕生日おめでとうございます。
これからも、まだまだ元気で長生きしてください。


#エッセイ #コラム #雑記 #わたしのこと


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