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おやこたびのススメ

夏に入り、母子で2度旅行をした。

家族で旅行に行くのが好きだった。毎年、夏と冬にどこかしら一泊ほどの旅行に行くのが、実家での恒例行事だったのだ。

行き先は子供ウケするような場所とは限らなかったけれど、どんな場所も刺激的だった。高速道路から見える名も知らぬ場所すら興味深くて、「今のうちに寝て起きなさいよ」という親の忠告も聞かずに、ぼんやり外を眺めていたなあと思い出す。

子どもと行く旅行では、派手な場所に行く必要はなくて、派手なことをする必要もないのだ。

中2の頃、行き当たりばったり旅の結果、ふつうのホテルや宿に泊まれなかったことがある。結局マンションを改築して作ったらしいビジネスホテル(といいながらマンスリーマンションのようだった)に親子隣同士の部屋に泊まったのだけれど、そのときのドタバタ具合は、今でもリアルに思い出せる出来事のひとつだ。

ハプニングも、「思ったよりショボかったね」という失敗も、「怖かった」「マズかった」というネガティブな体験も、すべてがわたしを形作るひとつのパーツになってくれている。


だから、わたしはこどもと旅をしたい。

豪勢なモノ・コトを与える一度きりの旅行より、背伸びをしすぎない旅を何度もしたいと思う。豪勢なものを頻繁に与えられる財力はないというのも理由だ。それに、案外記憶に強く残るのは、本当に何気ないワンシーンやスポットなのだと振り返ってみて思っているから。


今回のおやこたびは、母子修学旅行だった。母子同士で旅行をするのは初めて。こども同士も楽しくて、親も大人同士で楽しめる。そんな間柄になれる相手に出会うのが難しいのだけれど。結果、かなり楽しくて、親子でやみつきになりそうだ。

ひとつの体験も、共有できる相手がいると、一気に刺激的になるのだなあと思う。親も、子も。

大人サイドとしては、子どもを寝かせた布団や朝風呂の温泉で、完全オフレコ話を延々とした(そして「お休み」も言わずに寝落ちした笑)時間が、本当に得難いものだったなと思う。修学旅行での女子同士のひとこまに近い。

気負わずにダラダラ話ができる関係性は、本当にありがたいものだと思う。我が子は本当に楽しかったらしく、またやりたいなと思っている。


夫があまり出たがらないから母子で始めた「母子外出」「母子旅」。

もちろん家族揃って行く旅行も楽しいけれど、夫にイラつかない(用意を手伝ってくれない、子と夫の機嫌を両方考慮しなくていい)、費用が安い(宿泊費も飲食費も)と、案外快適な点も多いものだ。


帰りの高速道路を降りたときの、何とも言えない寂しさを、息子たちも感じる日がくるのかな。

なんてことを思いながら、わたしは次なるお出かけのために、日常をこなしていきたいと思う。


#エッセイ #コラム #雑記 #わたしのこと #育児 #おやこたび

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