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トイレのすっぽん

何となく、朝から調子が悪かった。悪かった、といっても、悪いのは体調ではない。メンタル、とも少し違う。言うなれば、思考回路だ。

回路をスムーズに動かすことができずに、ブツブツと途切れてしまう感覚。それでいて、ノイズが混じる。電波をぴたりと合わせられていないときのラジオのようだ。何を言っているのか、内容がいまいちよくわからない。

ストレッチをしてみても、雑誌をぱらぱら眺めてみても、状況は変わらない。書くことはおろか、読むこともおぼつかず、パソコンの前で白湯を飲む。お手上げだ。活字を文章として理解しきれない。読めない。書けない。

そんなポンコツ状態で、昼からのリアルママ友とのオンライン茶話会に臨んだ。……ら、頭が回った。思考と共に視界までもがクリアになった感覚。

夜にはWaseiSalonのディベート会にオーディエンスとして参加する。ここでも、思考回路が円滑に流れているような気がした。

今日みたいな状態に、わたしはちょくちょく陥る。考えられなければ書けないから、そうなるともう倒れ伏すしかない。やり過ごして、元に戻るのを待つのみだ。ただ、やっぱり「誰かとのコミュニケーション」があると、それをきっかけにノイズが一掃されることが多い。

ノイズの正体も、誰であろうわたし自身の思考のかけらなのだと思う。ある程度まとまってくれていればいいものの、かけらだらけになってしまうと、引っかかったり絡まり合ったりして、あちこちで詰まりを起こす。そうして流れが遮断される。

誰かとのコミュニケーションは、そんな詰まりのある配管に突っ込まれる掃除用具なのだ。例えがよくないけれど、トイレのすっぽん、みたいな。詰まりが取れると、溜まった水は勢いよく平常の水位まで流れる。それが、わたしの場合は会話なのだろう。

頭ばかり動かしがちなのも良くないのだと思う。意識してストレッチをしてはいるけれど、まだまだ脳疲労とのバランスが取れていないのかもしれないな。

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