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3畳の城

ひとりでいられる場所がほしかった。押入れを空にして、電気を持ち込めないか画策したこともある。

小3の頃に持ち家戸建に引っ越し、小4の頃に大きな部屋を家具で分けて姉妹それぞれの半個室にした。念願の自分だけのスペースだった。4.5畳の計算だけれど、家具で仕切っていたから、3畳くらいしかなかったのではないかと思う。

ひとり暮らしをしたくて、いろいろと探してみたこともあったのだけれど、縁がないまま結婚した。大学は親の「実家から通え」令があったため、片道2時間半をかけて通った。(中退したけれど)


今、わたしには自分だけの居場所がない。個室なんて持てない住環境だから仕方がないのだけれど、これはなかなか厳しいことなのだなと思っている。

自分だけのスペースがあることで、わたしは思考を深めたり、精神を落ち着かせたりしてきたのだと思う。それが結婚後なくなった。

居場所がないと、どこか落ち着かないものだ。揺らいだ心を立て直すことも難しい。ひとりでじっくり自分に向き合える場所がほしいと思う。


ひとり暮らしの部屋情報をネットで見ながら、ぼんやりと妄想する。物件を眺めるのは昔からの趣味だ。

「自分ひとりの城」がほしいなあ。わたしがただのわたしとして、思う存分過ごせる空間がほしい。

車の中で過ごしながら、今はこれを書いている。


#エッセイ #コラム #わたしのこと #雑記


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