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KAWECO Special

クラスでのインフルエンザの蔓延により学級閉鎖となり、暇を持て余しているので綴っていこうとおもいます。本当に暇なのでだらだらと綴っていきます。多分長くなるので暇な時に読んでください。


今回紹介するカヴェコスペシャルは、今絶大な人気を誇るカヴェコペンシルスペシャルの原型となるモデルであり、1936年頃から生産されていたそうです。私が所有している個体がいつ生産されたものなのか今知ることはできませんが、同じ形のものが、第二次世界大戦が始まる前からこの地球上に存在していると考えると、なんとも不思議な気分になります。

このペンシルは、現行のペンシルスペシャルとは違いペン内部の棒が芯を押し出す「単動式」という構造になっています。

この棒が芯を押し出す

芯径は古いペンシルでは定番(?)の1.18mmです。1.18の替え芯を購入しようと思っても実店舗では見たことがないので、ネットで注文する以外の選択肢が基本的にはほぼないというのはこのペンシルの唯一の欠点です。しかし、軸内部の替え芯を入れる穴に、かなりの量の替え芯が入っていたため、すぐに替え芯問題に直面することはなさそうです。

現行品として販売されているカヴェコペンシルスペシャルは、ヴィンテージスペシャルの後継なだけありデザインの面ではかなりリスペクトを感じます。
例えば、ペンシルスペシャルのキャップとヴィンテージスペシャルの天冠はどちらも縦に溝が掘られています。

古い方のスペシャルは天冠を回して芯を押す棒を動かします。なので、その動作をしやすくするための溝ではないかなと推測できます。しかし、現行のものはノック式なのでこの溝は必要ありません。つまり、現行品の溝はヴィンテージスペシャルへのオマージュなのです。

現行のスペシャルのキャップにはカヴェコのロゴの象嵌があります。このロゴは1929年にデザインされたもので、100年弱程の長い歴史があるデザインなのです。

古い方にもそれらしきものはある。


1.18mmの芯を一切削っていない状態で筆記をすると、芯を削っていない芯ホルダーで書いているような感覚になるので私は芯を削って使用しています。しかし、1.18mm用の芯研器は全く見聞きしたことがないですし、そもそも実際に製造されていたのかすらもわからないので、簡単に入手ができて、切れ味もいい中島重久堂さんの2mm用の芯研器を使用しています。

芯を挟んでいる部分は酸化したのか変色している

削った後の芯先はかなり鋭角になっていますが、同じく鋭角な口金との一体感は高いのでいいかなと思っています。

色々書きましたが、このペンシルを一言で表すなら、「原点こそ頂点」というのが最適だと思います。圧倒的な人気を誇る現行品は私にとって満足できるものではなく、もはや不満すら抱いていましたが、ヴィンテージのカヴェコのエボナイト軸から伝わってくる感触が非常によく、古い方はかなりハードに使用しています。
ただ、90年近く前のペンであるため、交換用のパーツがなく、もしも故障してしまったらそこで終了です。しかし、もともとデッドストック品だったというこの個体は、これまで使用されてこなかったのに、これからも全く使われずに透明なケースで保管されるよりは本来の使われ方をした方がいいかなと思い、長く丁寧に使っていこうと思います。


暇つぶしの長話に最後まで付き合って下さりありがとうございます。別の記事でお会いしましょう。

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