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女王ガメ子とグッピー雄の旅立ち

ガメ子劇場は、寂しいけれど最終幕となった。
「ガメ子って?」という方は、下記をご参照あれ。
ガメ子関連は、『uo's 夫の water tank』マガジンにまとめてあります。

ではでは、最終幕のはじまりはじまり。

最近、ガメ子は弱ってきていた。
そろそろ寿命なのかな…

ただ、抱卵している様子だった。
お尻付近から薄っすら卵的なモノが見える。

産めたら本望だろう…

叶えてあげたかったが、最早危ういとも感じられた。
今までとは違い、残りの力を慎重に使っているみたいに底にじっとしている事が増えていた。

ついつい気になって世話を焼きたくもなったが、ペアの雄がそれはそれは甲斐甲斐しく世話を焼いていた。
ガメ子を必死に励ましている様に見えた。
ひとりじゃないって心強いわねぇ…
なので今回は彼に任せ、私は少し気持ちを離して遠くから様子を見守る事にした。

私自身、大切なお別れの邪魔をされる悔しさを味わった事があったので、するべき者を尊重してあげたかった。

その雄が、一時、珍しく底でじっとしている時があった。
いい加減疲れてしまったのだろうか?
それとも調子が悪いとか?
気になったが、少し経つと調子を取り戻したので安心してしまった。

暫くしたある日の晩、突然、ガメ子のお腹が透き通って見えた。
卵があった筈の部分が、空っぽになっていた。
なんと、無事に産めたらしい。
良かったねぇ。

だが、子供は見当たらなかった。
我が家ではグッピーを増やすつもりはないので、成り行きに任せている。
前回は2匹が生き延びて、稚魚が目に留まったので隔離して育てた。
そのチビーズは、今日も元気に成長中。
因みに、今回の見出し画像は、現在のチビーズだ。

そっか…でも産めて良かったね。
お疲れさん。

ほっとして眠った翌朝、雄は事切れていた。

え!!そうなの!?
衝撃だった。
ガメ子の方が余程調子が悪そうに見えていたので、雄への配慮は不足していた気もして、ならばもっと何かしら労ってあげたかったと少し悔やまれた。
と同時に、自らの命を燃やして出産までを守り、励まし、見届けて旅立っていったかと思ったら…

アイツぅ~、カッコ良過ぎるぜ!

それ程、愛するガメ子を甲斐甲斐しく、それはそれはずっと傍らで励まし続ける姿は素敵だった。
ガメ子は産むのに必死だったので、チビーズの世話も引き受けていて、とても素晴らしいペアだった。

『魚もこんなにドラマチックに生きているんだ…』と見せつけられ、教えられた。
もっと無感情で淡々とした世界なのだろうと思っていたので、「全然違うじゃん!」と言いたくなった。
ならば例え小魚とて、その命を全うし、可能な限り充実させてあげたいと思わされていたところだった。

雄がいなくなってしまったので、残る弱ったガメ子を励ます役は私が引き継ごうと思った。
だが、私の励ましなど不要だった。
今度はチビーズが周りにいたからだ。
いよいよガメ子の食欲が落ち、思う様に動けなくなってきたので、安心して静かに過ごせる隔離ボックスに入れた時も、チビーズが一生懸命近くに来ては励ます姿に心打たれた。

ドラマチックどころじゃねぇ。
こんなにも心があるんだなぁ…

グッピーは爆発的に増える場合もあると知り、チビーズ2匹を育てると決めた時、嬉しさの中に若干の戸惑いもあった。
だが今は、チビーズの存在が有難かったし、命の継承尊く感じた。
私が声をかけるのよりも、チビーズが傍に来て励ます時の方がガメ子の反応も良かった。
それは素敵な光景だった。

食べなくなった翌日、ガメ子は静かに逝った。

強烈な印象を残して、嵐の如く我が家の水槽を賑わせまくって旅立っていった素敵なグッピーのペアだった。

今、寂しい気持ちで水槽を覗くと、ガメ子にそっくりなチビーズが元気溌剌に泳ぎ回っていて、ガメ子が2匹もいると感じた途端、その強烈さに気圧され、寂しさは不思議と消えるのだったw
どうぞお手柔らかに。

最後に、グッピーペアのいつぞやの動画をば。
この動画は、やっとどうにか姿雰囲気だけでも撮れたという、全く自然体じゃなくて危うく消しそうだったほぼ失敗作な動画だったのだが、消さないで良かったと、今となれば余計にそう思える、2匹が寄り添っている動画だ。
飼い主としては、見ると心にグッとくる。
失敗作だったのに、霞みゆく思い出を鮮明に思い返せる宝物になるとはねぇ。

それにしても、iPadが怖くてそぉーーーっとフェードアウトするガメちゃん、ウケるww

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