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KOSOKU JAPAN MUSIC FESTIVALに行ってきました。



高速なのか光速なのかは不明(音なので光速ではないはず)



 2023年12月28日(木)、29日(金)の2日間、ノエビアスタジアム神戸で開催された「KOSOKU JAPAN MUSIC FESTIVAL」に行ってきました。(29日の2日目のみ行きました。)



 行こうと思ったきっかけは、11月頃たまたまKUNGSの「Clap Your Hands」という曲を聴いて感動し、調べたらこのフェスで来日する事が分かった為です。



 フェスのラインナップはKUNGSの他にMartin GarrixAFROJACKdeadmau5Don Diabloと、そこまでEDM系を知らなくても名前だけは聞いたことがあるような、サマソニのEDM枠をそのまま切り取ったような豪華さで、それなのにチケットは1DAY 8500円(VIPは+5000円くらい)とおかしなことになっており、見た瞬間にチケットを購入しました。



パッと見、コラみたいに豪華



 なお、Martin GarrixとKUNGS以外のスターは全員28日公演になっており、29日は日本人DJ軍団VSフランス人VSオランダ人という変則的な構成になっていました。(開場~17時半まで日本人DJ→KUNGS→Martin Garrix)

 チケット購入後購入完了メールが1週間経っても届かず、問合せ先がインスタのアカウントしかない為仕方なくそこから問い合わせし‥そこからさらに1週間メールが来ず・・と開始前にひと波乱ありましたが、なんとか4日前くらいにメールが来て無事チケットを確保することができました。
 メールに思いっきりそのままチケットのQRコードが貼ってあったので、問合せしなかったらどうなったんだろう?とかなり不安に感じました。
 なお、Xを見ると、同じような方が結構いて、27日頃にも「まだメール来てないんだけどそういうもん?」と無邪気にツイートされている方がいて「うわ。」と思いました。こういう部分は本当にやってるなという感じがしました。

 また、28日にXを眺めた所、「人がいない」「寒い」「音が小さい」など不穏な言葉が溢れていたため、かなり不安を感じながら29日を待ちました。
 なお、25日の時点で当日券をクリスマスセールとか言って5000円で売り始めていたので、もうなんか色々きてるな・・という察しはありました。



<ライブ会場>



 ライブ会場はヴィッセル神戸の本拠地「ノエスタ」でした。
僕は以前一度イニエスタが日本に来た時に試合を観に行った事があります。最寄り駅が御崎公園という変な地下鉄の駅しかなく、三宮駅からアクセスじたいは容易なのですが、他の交通ルートが無いので帰りは結構ストレスを強いられるイメージです。行きからストレスを強いられたくないと思ったので開場1時間前には海岸線でノエスタに向かいました。
 この時点で電車はガラガラでした。

 会場はフィールドの芝の上に床とかを設営して芝を汚さない形になっており、個人的にはフィールドから観る客席ってこんな感じなのか・・という体験が出来た事がイベントに関係なく良かったです。

 場内はメインはスタンドですが、順路にある椅子(普段サポーターの人が座ってる、ゴール裏の席)が特に規制されず座り放題になっていて、超後方からぼんやりステージを眺められる作りになっていたのは嬉しかったです。これは本当に今回のフェスで一番良かった点です。
 普段サポーターの旗とか振ってそうな人たちが座ってそうな、自分では一生座ることがなさそうなエリアにも座れたので、サッカーファンとしてもいい経験が出来ました。

 ステージはアリーナ内のKOSOKU STAGEの他に、入り口横にNSN STAGEという小さ目のスペースがあり、両者同時並行でイベントが進んでいく感じでした。


タイムテーブル


 また、アリーナ内は締め切っているのですが(人がいないせいか)非常に寒く、STAGEの演出で火柱が上がる度に、その遠くの火柱の一瞬の熱が肌に感じられるくらい、風がない以外は外と変わらない環境でした。前日行った人がTwitterで「寒い、ガウンが必要」と言っていたのですが本当にその通りで、僕も前半は上着を着ていたのですが途中熱くなってクロークに預けてしまい、結果それが失敗で以降は凍えながら過ごす事になってしまいました。


<客層>



 客層は基本的に「EDM聴いてそうな若者」でした。
基本的に、というか、ほぼ全員そうでした。
何故か挙動がおかしいおじさんが数人混じっており、残念なことに、僕もその中に含まれていました。

 前日のXで見た通り、たしかに人はいるとは言えませんでしたが、KUNGSが始まる頃にかけてじわじわと増えていき、最終的に50%は超えているが、70%には達していないような、そんな人数になっていたように見えました。Martin Garrixのギャラがギリ払えるレベルかなと思いました。
 けれどサッカーの試合で両サイドの席が全部埋まる事を考えると、おそらく1万人も集まっていないんじゃないかと思いました。


1000人は・・1000人はいる?



 ラインナップだけを見ると、どうしてこんな人が集まらなかったのか不思議に感じますが、インスタやTwitterの宣伝は、失敗(公式がよくわからない英語直訳みたいな怪文書と怪画像を乱投するだけで、なにがしたいのかみえなかった)しているように感じました。デザインなどはどれもカッコいいのですが、何がどうなってるのかが致命的に伝わってこなかったように思います。

 また、ラインナップも本当にサマソニのEDM枠をキュッとした感じのメンツなので、「EDMもあるなら聴く」程度の軽い洋楽ファン(別にEDMが嫌いではないが普段はロックを聴いてる層/ステージ上で楽器を演奏する人がいないと不安に感じてしまうので、自分からは聴かない層)を取り込むことが出来なかったのかもしれません。

 「ついでにEDMも聴く」、という意味で「EDMが好き」な人は僕の周りにも結構多い印象ですが、「EDMだけをメインでライトに聴く」ような人はあまりいません。結果軽いEDMファンをメインターゲットにしたつもりが、(そんな層がそもそも少ないため)「コア寄りのEDMファン」に自然とターゲットがずれてしまい、その結果(「ついでなら聴く」という意味で)多数いるであろうライト層を取り込むことができなかったのかな?と思いました。(僕もKUNGSをたまたま聴いて感動した、とかのエピソードを持っていなかったら、ラインナップに惹かれはするけど実際行こうとは思わなかったと思います。KUNGSがチェインスモーカーズとかだったら100%行かなかったです。)

 また、これも個人的な偏見ですが、EDMってアーティストでファンが分かれていない気がするので、「KUNGSのファン」と「Martin Garrixのファン」的な足し算が出来ず、同じような音楽が好きな同じような人たちだけを集めてしまったのかな、という感じがしました。逆に会場のボルテージが常にポジティブだったので、そういう「層」の人達は多分全員来ていて、全員来てもこれくらいしかいない、という数的上限が観客数に直結してしまったのではないかと感じました。

 ただ、人が少ない=参加する人間にとっては快適なフェスで、どこに行っても何もかも並ばずにできたのがとてもよかったです。

人がいるようには見えない画像第1位


<飲食>


 飲食ブースはノエスタ内の飲食店2店舗(沖縄の店となんか色々出します系の所)が普段通りの値段で普段通り営業していたほかに、5店舗ほどが外に設けられたスペースに出店していました。

 普段野球の試合を観に京セラに行くたびに、京セラ内の食べ物の値段で半発狂しているのですが、KOSOKU FESTIVALではそれを上回る「おでん あわび 1300円(1個)」とか、そういう強気とかのレベルじゃない価格設定になっていて、こういうところで儲けをだそうとしていたのかな?などと考えつつ、味と価格の高低差で風邪を引くかもと思ったので、京セラより体感平均100円くらい安いノエスタ内の飲食店での飲食に徹しました。


<音の小ささ問題>


 レポート内で語ればよい問題ではありますが、28日のXで話題になっていた「音の小ささ」問題について、確かに音は小さく感じました。小さく感じた、というか、本当に小さかったです。

 ノエスタは周囲をマンションなどで囲まれている立地上、多分出せる音量の上限値が決まっていて、それとノエスタの広さが相まって、アリーナ中央のスピーカーから出る音がそのまま広く遠く拡散されていく感じになって、ガツンと来ない小さい音になってしまったのではないかと思いました。「体で音を感じる」ようなことは一切なかったです。

 NSN STAGEもアリーナより多少マシではあったものの、結局屋外にあるので、なんだかんだ常に「もっといけそう」な音量ではありました。これは開催場所を変えるか音量の上限を変えるかしないとクリアできない課題かなと思いました。もしかすると会場の複数個所にスピーカーを配置するなどすれば上限値を超えずに体感の音量を上げる事ができたのかもしれませんが、どうなのかはわかりません。



<レポート>


 29日はKUNGSとMartin Garrix以外は全員日本人DJになっており、知らない人ばかりだったので、KUNGSが始まるまではKOSOKU STAGEとNSN STAGEを行ったり来たりして過ごしました。
 DJって何かのライブに行ったときに開演前にチロチロやってる人がいれば観るくらいで、ガッツリ日本人DJだけを見たことがなかったので、どの人のステージも新鮮でした。観客の「こういう風にリアクションするんだ」という反応も相まって、「日本のDJカルチャー」みたいなものに触れられた感じがしました。

 NSN STAGEで良かったのは13:40からバキバキのハードコア(何というジャンルか不明・・)テクノみたいなのを流していたO-MAN氏、ゴーストバスターズを流すなど常にハッピー感を演出していたTAIGA氏などです。

カッコよさと客数が反比例していた

 

 ただNSN STAGEはアリーナと離れていたこともあり、何か食べ物を買うときに動線上で必ず通り過ぎるような場所でも無かった為、KUNGSなど外人が始まると途端に人口密度が少なくなっていくのがなんだか切なかったです。


 KOSOKU STAGE
で良かったのはKUNGS、Martin Garrixはもちろんなのですが、日本人枠(そういう枠があるのだとすれば)では、14:30から登場したPEACHが良かったです。「ギャル系」って感じの女性DJで、見てる間はケバさもあって「こんなもんかな」と思っていたのですが、後々考えると一番場内をいい感じに盛り上げ、いい感じにテンション上がる選曲で、わかりにくくなく、分かりやすすぎない良い温度感だったのかなと思いました。

 他の日本人DJではSWEETSCARTOONKDHといった方々がいたのですが、普段あまりこの手の音楽に触れないこともあって、差異がわからず、割と似たり寄ったりに感じました。CARTOON氏は少し自分の世界観に入り込みすぎ、KDH氏は選曲の好みが違いましたが、かなり場内を盛り上げていました。


 外国人枠1人目、KUNGSは「ハローコーベ~!」みたいなことを言って始まりました。
 KUNGSは思ったよりパーティー感控えめというか、電子音楽聴いてる感ある上手につないでいく感じのセットになっていて、上品でした。
 「ウケる曲→ウケる曲→ウケる曲=最強」みたいなシンプルさでやってない感じがしました。
 しかし途中ダフトパンクの「One More Time」が流れた時に、「フランス人なのにダフトパンクにライバル感とかないんだな。」と思ってしまい、そこから以降記憶を失ってしまいました。

 何年か前サマソニに行ったときに、ZEDDが「One More Time」をかけてくれた時は死ぬ程感動したのですが、何だかKUNGSのそれは「自分の武器で勝負してない」感じに思ってしまいました。DJってそういう事じゃないとは思うのですが。。貴方には自分で作ったもっといい曲があるのに・・などと思いました。

 トリのMartin Garrixは、自分では「聴けばそこそこ曲もわかるだろ。」くらいに思っていて、軽い気持ちで予習もしていなかったのですが、そのせいでかかった曲のほぼすべてがわからず、「Waiting For Love」と「Scared To Be Lonely」しかわかりませんでした・・・。


 そして音的にはこれまでのDJ連中と変わらない、「ためてためてドン!」みたいなのを一生やってるだけなのに、さっきと一転して死ぬ程盛り上がっているほかの客や、会場の寒さ、慢性的な音の小ささに段々我慢できなくなってきて、1時間半ほどのセットだったのですが、半分ほどでKOSOKU STAGEを離れました。

 NSN STAGEではDJの方が1人の客を相手に孤軍奮闘されており(1人の客の人がなぜそこにいたかは本当に不明)、僕は2人目の客となり、しばらく見ていて「いい感じだな。」と思っていたのですが、そのDJの方まで「One More Time」をかけだしたので、さっきKUNGSが何のプライドもなく「One More Time」をかけた事を思い出してすべてが嫌になり、一刻も早くこの不埒なパーティーピーポーの群れから離れようと、クロークから荷物を取ってノエスタを出ました。






<総評>


 重篤な「One More Time」アレルギーを発症してしまいましたが、フェス自体は良かったです。

良かった点は、

・治安の悪い人がいない
・EDM音楽の純粋なファンみたいな人たちしかいなかった
・人がいないからストレスフリーだった

悪かった点は

・チケット買ったのに一生メールがこなかった
・音が小さい
・寒い

などです。特に寒さが堪えました。あと会場の運営スタッフのうち、「BEING GROUP」のベンチコートを着た、立場が上そうな人ほど微妙な感じだったのが嫌でした。(学生バイトの人達は全員頑張っていました)

 正直来年、今回の反省を生かして「次回」が開催されるとは思えない人の入りでしたが、開催されるのであれば次回はVIPを取って、少しでもSTAGEに近い位置で、ちゃんと温かい上着を着て参加したいと思いました。




おわり

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