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割礼のライブに行ってきました。



 1/26(金)、京都ウーララ (Music Cafe OOH-LA-LA)で開催された、「割礼 ワンマンライブ」に行ってきました。

 前日行ったKOYOのライブのチケットを買ったのが昨年末で、その頃はまだ26日にライブがあることも知らなければ、割礼も十年ほど聴いていない状態だったのですが、今年に入ってからふと、全然関係ないDMBQというバンドの、2018年頃に出たアルバム(目下最新作)を聴く、ということがありました。

 このアルバムが、それまで僕がDMBQというバンドに抱いていたイメージと良い意味で違う、いいアルバムだったので、最近はどんな活動をしているんだろうとDMBQの公式X(旧Twitter)を見たところ、「1/27(土)に、割礼と対バンする。」というツイートを見つけました。

 このツイートを見て、「大阪でライブがあるのか。」と思うより先に、「割礼」という自分にとって懐かしいバンド名に、高校生の頃、『空中のチョコレート工場』というアルバムを持っていて結構聴いていたこと、そのCDを売ったか借りパクされたかでいつの間にか無くしてしまい、以降サブスクにも音源が来ないので永遠に聴けないままであること、ずっと聴きなおしたいと思っていたことを思い出しました。
 
 しかし、最後にそう思ってからも数年の月日が流れていたので、もしかしてと思ってすぐサブスクを検索してみたところ、僕が普段使っているApple Musicでは、いつの間にか割礼のほとんどのアルバムがサブスクに登録されており、その中にあの『空中のチョコレート工場』も入っていました。
(2019年にこの辺再発されたらしいので、その際にサブスクにも入ったのかもしれません。)

 早速次の日の朝、仕事行く時に聴いてみました。


 昔僕が2005年頃、高校生の頃にこのアルバムを聴いた感想は、当時関西ゼロ世代という治安の悪いバンド群(巨人ゆえにデカイとか、あふりらんぽとか、ZUINOSINとか)が流行っていたこともあって、彼らと比較して、サイケ感が足りない、とか、音量が小さい、とか、東京のサブカルっぽい、とか、そういう見当外れのネガティブなものばかりでした。

 しかし、改めて聴いた『空中のチョコレート工場』から感じたのは、ピンクフロイド的に奥ゆかしく広がっていく演奏の心地よさだったり、朴訥な歌の味わいだったり、当時は気付かなかった繊細な音楽の魅力でした。とろけるキャンディとはいきませんが、長くゆっくり付き合える、最近あまりない音楽だと思いました。

 これはDMBQとか以前に先に割礼のライブを観に行かなくてはならないと思い、割礼の方のライブスケジュールを調べたところ、直近の関西でのライブは、上のDMBQの対バンと、前日の金曜日の京都ウーララでのワンマンの2本のみで、今の所出ているスケジュールでは、他に関西のライブはなさそうでした。

 また、Twitterを遡って過去のライブ履歴を調べたところ、そもそも関西でライブをやること自体が年数回程度で、京都となると数年に1回単位のイベントであることがわかり、金曜日か土曜日を逃すと、もう当分関西のライブは観れなさそうということがわかりました。

 そこで、土曜日は先に用事が入っていたし、どうせ見るならワンマンの方が曲数多そうだし良いだろうと思い、

「もしKOYOのライブがイマイチだったり、ライブ中に演奏が崩壊してノイズの塊になったりしたら観に行こう

と決めました。

結果そうなったため、金曜日予約なしで会場に向かいました。


<ライブ会場>

 ライブ会場は京都のウーララという場所でした。
行く前は昔大学の時に一度行ったことがある場所かな?と思っていましたが、行ってみたら全然知らない場所でした。
 阪急京都線の西院駅から真っ直ぐ北に5分ほど歩いた場所にあり、駅からのアクセス◎でした。
 場所はビルの2Fで、店内はカフェということで椅子あり、食事も色んな種類があって500円のおでんがおいしそうでした。(僕は夜ごはん食べてから行ったので何も食べませんでした)

 雰囲気的にはオールド・クラシック・京都・サブカル・バーといった趣でした。良い常連の方がたくさんいるんだろうな、という空気感でした。
 こういう場所は今後どんどん貴重になっていくんだろうなと感じました。
 また機会あれば行きたいです。


<客層>

 割礼のワンマンってどんな感じの人が来るのかな、と思って行ったのですが、3X歳である僕が最年少ではないかと思えるくらい、「デビュー当時からのファン」みたいな筋金入りっぽい人が多かったです。
 来てる人全員何かしらの「年季」入ってる感が凄く、バンドを30年続けるとファンも濃くなっていくんだな、と感動しました。


<セットリスト>

 19時半開始の2時間ほどのライブで、体感15曲くらい演奏された気がしたのですが、Twitterの有識者の方が撮影した当日のセットリストによると、全10曲だったみたいです。
 そして、「空中のチョコレート工場」が演奏されました!!

 唯一知っているアルバムの一番好きな曲が聴けて良かったです。
 でも「空中のチョコレート工場」はいっても5分くらいの曲で、当日も多分7分も演奏されなかったと思うので、そう考えると残りの9曲どんだけ演奏したんだろうと思って怖くなりました。


<レポート>

 ライブは特に何の前振りもなく、いっせーのーでみたいな感じで突然始まりました。開演前にふら~っと入ってきた、「この人ボーカルかな?」という方がボーカルでした。

 上で書いたように、『空中のチョコレート工場』以外アルバムを聴いていないので、演奏された10曲のうち、ちょうど9割が知らない曲でした。

 事前情報で、「最近1曲ごとの演奏時間が無限に長くなっている」というツイートはXで見かけていましたが、どの曲も”歌”と”演奏”の比率が2:8くらいで、丁寧に丁寧に1曲1曲、その曲の中の音の移ろいをスロー再生のように聴かせていただくといった感じの演奏でした。各楽器のパートが何を演奏していて、曲全体が今どの辺にいて、どこに向かっているのかというのをゆっくりゆっくり聴かせていただく、椅子に座りながら聴けたこともあって、まるで室内楽のコンサートを聴きに来たようなあまりロックのライブという感覚がしない体験でした。

 バンドの編成は5人編成で、ボーカル×1、ギター×2(リードギターはボーカルの人が兼)、ベース×1、ドラム×1、パーカッション×1という打楽器が複数ある変則的な編成だったのですが、このドラムとパーカッションの人の連携が良くて、曲はサイケですがミニマルミュージックのようなポリリズムのような箇所があり、その部分のギター陣・ベースとの対比がよかったです。低温サウナのように静かに気付いたら熱量がじわじわと上がっている感じの、機械的なようで機械的ではない、表情が豊かなドラムが本当に魅力的でした。こういうのがドラムがある意味なんだなと初めてわかったような気がしました。



<MC>

 ワンマンということでMCとかあるのかな?と思いきや、始めも終わりもMCなしで、ボーカルの人は一言も話しませんでした。
 ところが突然、ライブ中程の曲間でドラマーの方がおもむろに立ち上がり、マイクも持たずに直立不動でMCを叫び始めました。

 マイク無しなのに声量が凄すぎてションベン漏らしそうになりました。動揺するくらいの声量でした。

「今年の目標は”一歩先へ!”」
「割礼!どんどん(演奏が)遅くなってます!もう、止められません!!」

といった言葉が印象的でした。
ドラマーの人のこうしたサービス精神というか、バシッバシッと一区切り一区切り物事を決めていく感じが、演奏にも表れている感じがしました。


<総評>

すごくよかったです!!

 今日本でこの手のジャンルでこの人達より演奏がうまい人達がいるのでしょうか?フジロックとかではしゃいでるしょうもないオッサンロックバンドは全員切腹した方がいいんじゃないかと思うくらいレベルの差が圧倒的でした。高校の頃音がヘボいとか意味不明なことを言っていた自分をしばきたくなりました。

 そしてその高校の頃聴いたイメージを引きずって、大学の頃にライブ行こうか迷って結局行かなかった事もこれを書いていて思い出しました。こっちもしばきたいです。

 最後に物販でライブ音源のCD-Rが大量に売っていたのですが、「まずは全アルバム聴いてから・・」と思い我慢しました。次は全アルバム全聴いた上でライブに行きたいです。


おわり



前売3000円/当日3500円は安すぎました。


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