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おうたばぁ⑤最終話

おうたばぁは、私のひいばあちゃん。
明治生まれ。
出買い船の造船所の一人娘だった人である。

また性懲りもなく恋に落ち、金貸し業を廃業。今度はまさかの公務員の妻になったおうたさん。

晩年は他人の世話を進んでする真人間になっていったという。

そんなボランティア精神に目覚めたおうたばぁを頼ってきたのはおまわりさん。

何をおまわりさんに頼まれるようになったのか?

今はテトラポットが積まれた港になっているが、昔は砂浜だったという淡路島の海岸。

明石海峡は潮流が速い。

その潮に乗って、自殺や事故で亡くなった方が浜辺に打ち上がることがよくあったそうである。

かなり酷い状態で浜辺に辿り着くのが常だったそうで、おまわりさんでも扱うのを恐ろしがったというのだ。

「おまえさんら付いとるもんがあるんやろ‼︎何をおとろしがったとるじゃ!そんなことゆーな!仏さんが気の毒や‼︎」

おうたばぁが浜辺を散歩をしていて水死体に遭遇したとき、ビビるおまわりさんたちにそんな喝を入れ、慌てず騒がず亡くなった方に手を合わせて祈り、ご遺体を運ぶ段取りを手伝ったことがきっかけになったようで、それ以降浜辺にそういったご遺体が流れ着くと、おうたばぁを頼って、おまわりさんがやってくるようになったということだった。

海で戦死した息子は、小さな箱に紙切れ一枚になった姿でしかおうたばぁのもとに帰ってきてはくれなかったそうだ。

もしかしたら海で亡くなった方へ祈りを捧げることで、おうたばぁは救われる気持ちになっていたのかもしれない。

そうそう。こんなおうたばぁの血を一番私が強く引き継いでいるという裏付けになる身内からの証言を書いておかなければ何が何やらになってしまう。

最終回スペシャルは長くなってしまうので、続きは有料にさせていただくとしよう。
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