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伝説を作る気か、ドカ弁。

昨日はちゃっかり、ドカ弁の懇談を2ラウンドこなし、グッタリである。

ちゃっかりは、もう少し積極的になって貰いたいという、熱血先生の有難い激励を頂戴し、ドカ弁は苦手な英語がかなりの崖っぷちだという警告を受ける事態になった。

他科目はまずまずでも、英語をなんとかせよとのことで、本人もかなり焦っていた。

夏休みに集中して取り組むしかないが、苦手意識とどこまで向き合えるかが課題のようである。

学習面はえらいこっちゃな有り様であるが、学校での活躍は素晴らしいとやたらと褒めていただいたドカ弁。

「運動神経いいんだから、マネージャーじゃなくても何かの選手すればいいのにって思うんですけどねー!」と先生。

「はい、まぁマネージャー業もやり甲斐あるようなのでね。」答える母。

そんな世間話が始まった。

「水泳部って積極的な子が多くてね!ウチのクラスの委員長の子が生徒会にも入るって言い出しまして。」

「はい。◯くんですよね?ウチに遊びに来てくれたことあるので知っています。」

普通に答えたつもりだった。

すると先生はこう仰ったのだ。

「あ、お母さんもオープンになさってるんですね!」

お母さんもオープンに⁇
何を?彼を?
何が何やらである。

ここでドカ弁が先生に補足した。

「ウチの誕生日にみんなで遊びに来たんです。」

「あ、え?ウチのクラスの子たちも一緒に?水泳部の子たちだけ?」

「色々です。」

「あー、そうなの…。」

あ、これまさか、男女交際について、親が把握しているのかを調べるカマかけ?

男女交際も何もドカ弁は誰ともお付き合いしていないはずである。

毎日この男の子と我が家の近くまで一緒に帰ってきているのは確かであるが、彼のことは完全に友達だと思っているドカ弁。

いやいや待てよ、こないだの打ち上げも彼と二人で帰ってきたよな…。

そうだ、彼から彼の妹がドカ弁と話したがってるから、メアドを妹に教えてもいいかと言われ、了承したところ、彼の妹からずっとLINEがくると言っていたっけ。

そして。
あのデート未遂になってしまったセンパイは、あれ以降全く誘ってもこないのでドカ弁なりの自尊心は傷ついたようであったが、よく考えたら不思議なのだ。

あれ以来ぴたりとセンパイからの発信は消えたというのに、この毎日一緒に帰っている彼は、クラスでも部活でも、放課後までぴったりとドカ弁と常に一緒なのだ。

まさか。

周りは彼とドカ弁は付き合っていると思い込んでいるのではないだろうか!

先生の奥歯に物が挟まったような、口ぶりは、そういうことだったのだろうか?

帰宅したスナフキンに、かいつまんで説明し、意見を聞いてみた。

「あぁ、ドカ弁…。まさかとは思うけどあいつ鈍感やから全く気づいてないんちゃうか…。周りを固めて行かれてることわかってないんちゃうんか…。」

「どーすんのよ!勘違いのままやったら‼︎」

そういう私にスナフキンが言った。

「伝説を作る気なんか、ドカ弁は。あいつの今の悩みはたぶん、"なんで彼氏できひんねんやろー?"やで。」

どこまでいっても、なんか痛々しいドカ弁。

ドカ弁の春はいつやってくるのか。

いや、そんなことよりも。

崖っぷちの英語が最優先事項なのは間違いない。

#エッセイ
#大福帳
#帰ってきた夕刊UNI

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