一発屋と呼ばれる人たち。

『あの人は今?』とかいう趣旨の番組をたまに観る。世間から『一発屋』と呼ばれる、かつてブレイクした人たちのその後を追うのである。

『あぁ、あの一発屋な!』などと言われる人たちであるが、その一発を当てれる人はほんの一握りの人ではないかといつも思う。

イントロを聴いただけで、誰もが『あっ!これ流行ったなぁ!』と知っている曲を創り出したミュージシャン。

年輩の方や学校のおじいちゃん先生が、ブレイク終了後ずいぶん経った後になってウケるかなぁとやって、皆に『古っ!寒っ‼︎』と言われてしまうギャグをこの世に誕生させたお笑い芸人。

この一発屋さんと呼ばれる人たちは、誰もが思いつきそうで思いつかない発想ができる才能を持った人なのだと思う。

素晴らしいメロディーや笑いの神様が彼らの上に舞い降りた時、それを受け止めてこの世に誕生させるキッカケを持てるか持てないかも大きな鍵なのかもしれない。

才能は足りなくともそれを面白いかもしれない、当たるかもしれないと博打に出てくれる演出家や製作者に巡り合うことも絶対に必要なのだろう。

運も実力のうち、とも言われているのはきっとこの一発屋さんにも言えることなのかもしれない。

ただ一発屋と呼ばれる人たちのその後をみると、わりと悲惨だったりすることが多いように思う。

一発当てるまでは、発想力、才能、良い支援者に恵まれる幸運が訪れることが必須であるが、当てた後も努力を怠らないか、発想力が枯れないかが問題なのだと思う。

彼らのその後を見てみると、しばらくはちやほやされ、収入も増えたであろうから、あぶく銭感覚で大金を湯水のように使ってしまい、後に待つのは『二発目』が出ないという現実のようである。

『二発屋』という呼び方は聞いたことがない。

二発目が出る人、出せる人たちはすでに『成功者』なのだろう。

#エッセイ

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