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12月は忙しい。

12月になると何かとバタバタする。
毎年なんだか気ぜわしく落ちつかなくなるのは何故だろう。

大きな原因の一つは、次女ちゃっかりの誕生日があること。
「誕生日プレゼントは現金ではなく品物でお願い!」と毎年同じことを言ってくるのだ。

お正月になればお年玉を貰えるから、現金より欲しい物を買ってくださいというわけなのである。

サンタはパパだったことが判明した数年前からは、クリスマスに気を遣う必要がなくなっただけでもまだ助かった。

サンタを信じていた頃までは、12月生まれの子の宿命なのか、ちゃっかりの誕生日は毎年クリスマスで霞んでしまいがちだった。

生まれた日を祝うより、キリストさまのお生まれになった日を気にするとは何が何やらであるが、そんなお気楽なムードが街中に漂う日本はまだまだ豊かな国と言っていいのだろうか。

子ども向けのおもちゃやゲームソフト、Wii、DSなどなど、クリスマスシーズンがやってくると売り切れが続出するのだから、親はやってられない気分になる。

「太鼓の達人」をサンタにリクエストしていた年のクリスマスは、ソフトは入手出来たものの、別売りの太鼓とバチがどうにもこうにも見つからず、インターネットを検索してみると、通常販売価格に5000円上乗せして転売されていた。

サンタは必ず約束を守ってくれるという幼子の期待を裏切れない親の心情を利用し、利益を得ようとする者のどれほど多いことよ。

こういうアホらしいことに金を払う羽目になるとはバカ親極まれりであるが、転売ヤーはこのバカ親たちの弱みを狙う隙間産業だと考えれば、世の中の金の流れは止まることなく回っているのだろう。

結局5000円上乗せで太鼓とバチのオプションを買ったのであるが、次回はこんなことにならないようにと子どもが欲しい物を前もってリサーチしてみても、結局クリスマスシーズンになると、やれ誰それちゃんはこんなのお願いしたらしいから私もサンタにお願いするだのと欲しい物がガラリと変わったりするからプレゼントが確定するまでにやたらと時間がかかり、あいも変わらず年末はおもちゃ売り場を走り回る羽目になっていた。

我が家はお金が余っている家庭ではない。ピーピーのお財布事情を抱える子育て真っ盛り世帯である。そんな我が家でもクリスマスシーズンには諭吉を飛ばす勢いでお金を使わざるを得ない状況だった時期があったわけであるが、その時期につくづく考えたのは、「本当に世の中景気は悪いのだろうか?」ということであった。

ゲーム機とソフトで4、5万円するものをサンタにお願いしたらどこのお宅のお子さんもわりと容易く願いを叶えて貰っていることに当時ものすごく疑問を感じていた。

知り合いの親子のケースであるが、
「ゲームは買わない主義」を貫いているお宅のお子さんは友達と話が合わず、仲間に入れてもらえず、そのことを心配した担任の先生から、「出来れば買ってあげてください」と言われたそうであるがそれでも買い与えず、小学校の間は常にひとりぼっちだったという子がいたそうだ。

この話を聞いたとき、先生の判断と親の方針、どちらが正しいとは一概には決められないなと思った。

もし私ならばと考えてみたが、我が子がひとりぼっちで仲間に入れてもらえずに小学校生活を過ごすことが良いことだとは思えないだろうなと感じたことを覚えている。

ゲームを買い与えてもらえないと仲間に入れてもらえないなんて異常な状況だとは思うが、世の中の流れはその時代ごとに変化しているのだろう。

少子化が進み子どもが減った分、子ども向けのゲーム機などはどんどん値上がりし、子どものおもちゃとは言えない値段になっているし、ランドセルの値段も5万円、10万円と驚くほど高騰している。

春に高校入学祝いとして店頭に並んだ学生向けの電子辞書も3万円以上のものばかりであったが、ビジネス用の電子辞書は半額以下で売られていたことについても、やっぱりなと思ったものである。

子どもが減れば売れる数が減る。それではたまらないと企業は子ども向けの商品を値上げする。

塾の月謝の値段もどんどんエスカレートしていて、親はいくら稼いでみても全てが子ども向けの商品や教育費に吸い上げられる仕組みになっているのが今の子育て世代の現状なのだ。

なんの話をしていたのだっけ?
そうだ、12月は忙しいという話だった。

お札が羽根をつけてどんどん飛び立っていく12月は、それゆえによけいに慌ただしく落ち着かないのかもしれない。

「宝くじ買おうか‼︎」

これも毎年同じことを言っているのであるが、未だに当たったことはない。

今年の年末こそ、福の神が大当たりを我が家に連れてきてはくれないだろうか。

#エッセイ


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