あと5分が疲れる。
次女ちゃっかりがピアノの練習をしている。
ブルクミュラーの25の演奏曲を今16番まで終了したところであるが、彼女は少し前に終了した曲を片っぱしから忘れていくのが問題である。
私はピアノは投げ出して辞めたクチなので偉そうなことは言えない。しかし、発表会で弾いた曲をすんなり忘れていくちゃっかりにはガッカリである。
『ねぇ、なんでつい最近マスターした曲を次々に忘れるの?』
『あはは〜!わからないけど忘れるんよね〜!』
まん丸な顔で無邪気に笑う我が子を見ながら不安になってきた。
『あんたさぁ、昔からそうやけど勉強しててもすぐグッタリして‘お脳が疲れる…”って言ってたよね?』
『うーん。あのね、学校の授業もちゃんと聞いてるんだけどね、45分授業で、40分までは大丈夫なの。残り5分になると疲れてくるの!』
あと5分が疲れるのだと言いだした。
『いやいや、残り5分のところくらいで先生が今日の授業のまとめとか、大事なことをお話ししてると思うよ。最後まで頑張って聞いておかな大変やで!』
するともの凄い早口でこう言うのだ。
『いやいや!ちゃーんとノートも取ってるし大切なことは書いてるし!大丈夫よ!ほら、このノート見てもいいよ‼︎自学ノートにちゃんとまとめているの!』
自学ノートというのは、日々の予習復習内容を書いて提出するノートである。
中学生になったらこの自学ノートは毎日の強制になるのであるが、今年から小学校6年生から始めたそうなのだ。中学生になっても困らないよう前倒しで自学をさせる習慣を作っているようである。
『嘘ちがうよ!ほーら!このノートを見てちょうだい‼︎』
そういいながら自学ノートを渡してきたのである。
中身をパラパラとめくる。
色分けなどもしつつ、算数のポイントなどを予習復習しているようである。
ふんふん。
やってるのはやってるねんな。
そう安堵しかけた時に赤いペンで書かれた先生の文字が目に飛び込んできた。
なんじゃこれは‼︎
ちゃっかり
『明日は反比例をがんばります!』
先生
『ちがいます。』
やっぱり聞いてないんやないの‼︎
わざわざ線を引かれ評価をBとされているところを見ると、またしても通知表の評価項目『関心・意欲・態度』を減点されているのだろう。
勉強ができないわけではなさそうであるが、残り5分のところで踏ん張れないとはどうしたらよいのか。
記憶する部分の脳の容量が小さいのだろうか?
それにしても。
雑誌のファッション用語は全て覚えていられるところを見ると、好きなことだけを溜め込む脳の仕組みになっているとしか思えないではないか!
ちゃっかりよ。
来年からはJCになるんだよ。
授業時間は50分になるんだよ。
『残り5分が疲れる。』
今は40分限界論を訴えているが、次は『残り10分が疲れる。』などと言いだすのだろうか。
まったくやれやれなJSである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?