片付けるのが下手な人。
長女ドカ弁のだらしなさは宇宙的である。片付けられないオンナなのだ。
机にはプリント類がテキトーに挟まったノートが積み上げられ、ワークに教科書が平積みされている。
目に余り、平積みから縦置きにしてせめて教科書のタイトルが読めるようにしろと何度言っても治らないのだからもはや病気なんちがうか⁉︎とイライラしてくる。
片付けられないオンナ、ドカ弁を間近で見ていて感じるのは、片付けられない人の特徴としてまずはとにかく物を出していくことがあげられる。
『ママ、ファンタ!』
ファンタグレープを冷蔵庫から出してリビングに持っていく。飲む。飲み終えないまま机に置いておく。
『眠気覚ましにはアイスコーヒー!』などと言って今度はグラスに入ったアイスコーヒーをリビングに持っていく。飲む。飲み終えないまま机に置いておく。これがファンタグレープの横に並ぶのである。
この状態にかっぱえびせん、チョコなど同じ要領でおやつを運ぶ。
『はぁ〜お腹も膨れたし勉強するか!』
お次は課題プリント、ワーク、筆記用具がリビングのテーブルに広げられる。
一時間もしないうちにドカ弁の頭が揺れ始める。
『寝とるんかー‼︎』と私に喚かれ、ハッと目覚める。
『そんな怒りなって。気分転換もせな!』
携帯を弄り始める。そんなことをしている間に深夜になり、突然宣言する。
『ウチもう限界‼︎おやすみ〜‼︎』
リビングのテーブルの上は。
ファンタグレープの飲み残し、アイスコーヒーの飲み残し、かっぱえびせんの空袋が放置され、チョコの包み紙もそのまんま。そこに課題プリント、ワーク、筆記用具が散乱している。見るも無残な散らかりよう。あっという間にゴミ屋敷の一角の雰囲気を演出である。
そして朝を迎えると。
『時間がない‼︎』
何十回とリビング階段を上ったり下りたりを繰り返し、体操服だの部活のシャツだのを手提げカバンに詰め込み、訳の分からぬほどのプリントや教科書を掴んではリュックに押し込む。が、なかなか入らない。
整理整頓できてないまま、要るもの要らないものの分別もせずに押し込んでいると思われる。
今日は要らない保健体育の教科書が邪魔してファスナーが閉まらないようだ。
いよいよ間に合わない‼︎と絶叫し、リュックのファスナーが閉まり切らないまま玄関を飛び出すドカ弁。
近いうちにリュックの肩紐が切れて大惨事になりそうである。
片付けられない人というのは、先延ばしの名人なのかもしれない。
私とてキッチリ几帳面に片付けられる性格ではないが、最低限守っているルールが一つだけある。
リビングに持ち込まれた要らないもの、主に漫画、雑誌、携帯電話、iPadなど姉妹の持ち物であるが、毎朝全て家族各自の部屋に運びリビングには極力物を置かない。
これだけで誰がやって来ても目も当てられない部屋に見えないようにしている。
ドカ弁の部屋、ちゃっかりの部屋がえらいことになっていることについてはなかったことにしたい。
年末の大掃除の前に『不要なものはこちらに!』の箱を準備すべきか?いや、新しい収納箱代わりにされては何が何やらだ。
『まぁ、来月に入るまでに考えよう。』
私も結局片付けの先延ばし体質なのかもしれない。
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