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帰ってきた夕刊UNI

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夕刊UNI~有料note~に続く第二弾! 追記型有料エッセイマガジンです。表紙は、めめんともりさん作。
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2015年8月の記事一覧

海を眺めて。

強い風に吹かれ、潮の香りを思い切り吸い込み、じっと荒ぶる波を見つめていると、何もかもが小さなことのように感じる。 子どもの頃は台風が近づいてくる前の海に、ザバーンと打ち上がる白波が弾けるのを見ると妙にワクワクした。 不思議なことに、今の私にとって荒ぶる白波は、妙に静かで落ち着きを与えてくれる存在に変化していて、そのことが意外だった。 荒波は淀んだものを流し、新しいものを運んできてくれるように感じたのだ。 地鳴りのような風の音、むせるような潮の香り、砂浜を飲み込む荒波の

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女の友情。

自分の心を励まし満たしてくれる女友達の存在を手にすることの難しさ。 これはある程度曲がりくねりながら人生の道を歩み、失敗をした人間でなければ手にするのはなかなか難しい。 お陰様で、あかん感じの私も引っくるめて私という人間を好きでお付き合いしてくれる友がいてくれ、本当に感謝している。 ドカ弁の悩みはこの『女友達』である。 若い頃の女同士の友情というものは、かなりの確率でヒビが入る。 異性の存在が大きなウエイトを占めるからだ。 ドカ弁といえばお洒落より食い気であり、フ

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我が家のJS事情。

『映画に行きたいの。』 夏休みに友達と映画を観に行きたいと言い出した次女ちゃっかり。 私がチケットを取り、送迎は仲の良いママが引き受けてくれることになった。 ところが。 普段接点のないちゃっかりのクラスメートから電話がやたらとかかり、そのたびに一緒に行きたいという友達が増えていくのである。 『あんたね、ママも面識ない友達を連れて行ったり、入場券を買ったりなんて勝手にできひんよ。一体何人になるねん!』 『8人。』 8人⁉︎ どないなってるんやー! 誰が来るのか

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一筆入魂。

『ママ、雲泉の字はカッコイイ‼︎ちゃっかりにも書いて‼︎』 ちゃっかりは、私のファンだと公言してくれる1番身近な存在である。 以前こちらで販売していた花火の書を買いたいと薄い財布から1500円を取り出し、私に渡してきたので本気で驚いたことがあった。 娘から雲泉と呼ばれ、書を買いたいと言われる日がやってくるとは、夢にも思っていなかった。 私が筆が乗らず、ウンウン唸りながら、書いたそばから紙をぐしゃぐしゃに丸めて放り投げる仕事場の横で、息を潜めて咳払いも控えめに横目でジッ

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