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詩ことばの森(100)「木に思う」

木に思う

冬空に向かって
木はなにかを摑もうとしている

それは虚空なのだろうか
それとも幻なのだろうか

人にわからなくても
木は知っているのだろう
枝々を空へとのばしている

よく見ると
木の動きは自由で
わたしのように
滞ることはないらしい

しっかりとした根を
かたい土に生やしている木
強くしなやかに
高みへと向かっていく

(森雪拾)

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