詩ことばの森（107）「悩みの石仏」

悩みの石仏

もうずいぶんと長い間
悩みつづけていました
晴れの日も   雨の日も

いつのまにかお顔も
はっきりしなくなって
風雪にたえてこられた
石の仏さまです

ある詩人は
歯痛いのだろうといいました
なるほど   そんなふうにも
見えるようですが
何をお考えなのでしょう

み仏の心は
はかり知れないもの
わたしたち人間には
わからない世界だよと
てんとう虫が教えてくれました