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詩ことばの森(173)「ピアノの家」

ピアノの家

柔らかな夕暮の気配に包まれて
街は今   褐色の世界へと沈んでいく

かつて   君が詠った詩に描かれた
水色と淡黄色の花の名前を
僕はもう忘れてしまった

遠く懐かしい部屋の 窓に映った夏雲を
君のピアノが 虹の音色に染めていた

不可思議な時は いつも青い夢となって
帰ることのない一日が また消えていく

(森雪拾)


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