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詩ことばの森(127)「忘却の夜」

忘却の夜

目を閉じる
なにかが光る
ふるえながら
あれは きみだったのか
まっすぐな道だった
語らない声と
覚束ない足取りが
どこまでもつづいていた

よみがえりの夜に
月はまぶしくて
不快と歓びが
交差していた
ぼくたちの故郷を
訪ねていく旅

深い森の縁で
湖は深淵に沈んだまま
音のない静寂さに包まれていた
降りそそぐ銀の粉が
暗い道を淡く照らしていた

(森雪拾)

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