詩ことばの森㊿「木槿の種」
ある絵本に、木槿の種を月のかけらに見立てて、物語にしている素敵な場面が描かれていました。それまでは意識したことはありませんでしたが、あらためて、木槿の枝についている種をながめてみると、様々なことを感じることができました。
木槿の種
秋の夜は
涼しくなった
月のきれいな道で
みつけた
星のかけら
木槿の花の
白い花弁が
落ちてしまった枝に
とまっていた
星のかけら
木槿の種は
月の光に照らされている
淡く咲いた
白い星の夢でも
みているように
ああ しばらくは
ゆっくり眠るがいい
ふたたび真夏の太陽を
浴びる日が訪れるまで
そのときには
夏空のもとで
ぼくも真白な気持ちのまま
会いたいものだ
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