重なる人格と深呼吸【躁鬱日記】
躁鬱の交代はいつの間にか起きていて
そして突然その事に気がつく
お風呂も家事も全てがスムーズに進み、
布団の上で寝転んだ時の毛布のふわふわ感に心地良さを感じて、太陽がそこらの映画よりもよっぽど綺麗に差し込んでくる。
そのとき躁状態に気が付く。
ふと懐かしい音楽が聴きたくなったり
久しぶりの映像が見たくなる
私は、この感覚がいつも不思議で
1人の私に起きた
“躁鬱の切り替え”
という出来事には感じられない。
“躁状態”というもう1人の私が、長い睡眠から目を覚ましたような感覚なのだ。
まるで多重人格のような。
躁状態の時にハマる音楽、映像、ミュージカルを久しぶりに聴く。それは私というよりも、“躁状態”が聴いている。
そして躁状態は怒り始める。
「どうして自分が眠っていた間、
この音楽を聴かずにいたのか」
「お金を払ったり、応援したりをどうして中断していたのか」
「今のままでは自分のアイデンティティが失われてしまうじゃないか」
「どうしてこんな不自由な場所で目を覚ましてしまったのか」
躁状態は怒り狂って、
好き勝手にお金を遣えない生活に怒り、
好き勝手に遊びに行けない時間のなさに怒り、
やりきれなさから泣き始める
怒られた私は、
どうしていいかわからずに
そして泣き始める
私が必死に頑張ってこらえて
目を閉じて深呼吸をしているとき
思わず泣いているのは
私ともう1人なのだ。
私は2人分の苦しみを抱えて泣いて、
行き場なく深呼吸をする。
瞑想は苦手なので、
深呼吸だけする。
目を開けていると、目の前の窓を叩き割りたくなるので、太ももを叩いたり叫んだりしながら目を閉じて、深呼吸だけ頑張る。
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