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カワズ祭参加曲歌詞分析

unuiと申します
今回は2023年1月28日にニコニコ動画内で開催されたイラスト統一オリジナル曲投稿企画「カワズ祭」について、参加作品の歌詞分析をする記事を書きたいと思います。
以前の分析記事についてもこちらで紹介しておきます
前回イラスト統一祭「まかぎ祭」
タイトル・イラスト・時間統一「三統一祭」

カワズ祭とは

YouTube中心にボカロP対談などを企画されている酩酊堂さん主催の、1枚の絵からみんなそれぞれ思い思いのオリジナル曲を作って一斉に公開しようという企画です。1月28日の24時間の間に106曲もの参加がありました。
絵を描かれたのは井上カワズさんでその絵はこちらです。

参加曲についてはこちらのリンク(「カワズ祭」タグ)からどうぞ
また、今回参加されなかった方でもこの絵を見て自分ならどんな作品を作るかなと思い描いてからこの後の分析を見ていただくとより楽しめるんじゃないかと思います。

参加曲の傾向

使用音声については以下のようになっておりました
初音ミクさんがダントツに多く他は色々ばらけていました
人間歌唱メインは宇都宮詩乃さんの1曲だけだったようですね

使用音声※登場3曲以上
初音ミク:35曲(単独31曲)
可不:8曲(単独7曲)
GUMI:7曲(単独5曲)
星界:5曲(単独5曲)
音街ウナ:5曲(単独4曲)
鏡音リン:4曲(単独3曲)
小春六花:4曲(単独3曲)
花隈千冬:3曲(単独3曲)
歌愛ユキ:3曲(単独3曲)
巡音ルカ:3曲(単独2曲)
重音テト:3曲(単独2曲)

53曲が0:00投稿でちょうど半数がスタートと同時に投稿されていたことになります

タイトルも多種多様でしたが
唯一被ったのはカタカナ表記の「ユニコーン」でした

歌詞分析の目的

1、カワズ祭をより広くより深く楽しむためのお手伝い
2、見過ごされがちな歌詞でやっている面白いことを見つけて紹介したい
3、記事を気に入ってもらった人に自分の曲も聴くように仕向けたい

今回の分析について

これまで曲名統一祭とイラスト統一祭で様々な分析をしてきました。そこから曲名統一の場合は一つの要素を選んで作る傾向が強く分類という形で分析をできるが、イラスト統一の場合は複数の要素を組み合わせて作る傾向が強く分類という形はしづらいという知見を得ています。今回もその傾向が強く、それぞれが色々な要素を組み合わせて多様な世界観を構築されていました。前回は要素を数えて指数を出すことをしていましたが、
①今回は要素の数が多くない
②同じ要素でも強弱が顕著で数値に反映しにくい
③そのつもりは無くても優劣がついたような反響をいただいてしまう
④次の祭も近く自分が使える時間が限られている

等の理由で今回は色々な要素を例を挙げながら紹介していく形で、分析というよりは"それってあなたの感想ですよね"といった感じにしたいと思います。
色々な要素を把握した後でそれぞれが気に入った歌を改めて聴きなおしてみて新たな発見をしていただければ良いなと思っています。
参加者の方はこれを機にぜひ自分の曲に込めた様々なものについてどんどん語っていただけると嬉しいです。
あくまで私の方でこう見えるという解釈ですので、ゆるっとそういう見え方もあるんだなくらいに見ていただけると幸いです。

要素A【ユニコーン】

色々聴かれた方はぜひWikipedia「ユニコーン」の項を見ることをお勧めします。
「これ歌の要素に含まれていたな」というのを改めて色々発見できるはずです。
今回唯一被ったタイトルは「ユニコーン」でしたが
華磊けぶりさん宇都宮詩乃さんとどちらも熱情的なラブソングでした。
他の作品でも気高く獰猛なところ、処女に懐くような一面、角が解毒作用を持つなど色々な側面から着想され、表現されたものがありました。
個人的には「わたしがユニコーンになっても/daigyoujiさん」のユニコーンになったらおでこに冷えピタ貼りづらいという発想がお気に入りです。
またユニコーンに限らず、神や神秘的な象徴として描かれた作品も目立ちました。

要素B【ツノ】

絵の中で一番特徴的だったのがツノだったと思います。
様々な形でツノが表現されている曲があり、鬼も登場しましたし心臓を貫く表現も何曲かでありました。
「つの、はずせたのなら。/セリフさん」ではツノを心の距離の象徴みたいな感じで使っていました。
「角/rurikohakuさん」では様々な"角"を含んだ言葉を歌詞に詰め込んでいて個人的にツボでした。

要素C【表情】

「シロいツノをもつ少女/tatmosさん」では"毒をもつヘビのよう"と表現されたをはじめとしたその表情から、怒り悲しみ嫉妬などの様々な感情を表現した作品が数多くありました。
「アイ/浅上トモキさん」では"氷のように冷たく澄んだ全てを見透かすような瞳"「Don't be afraid/ヒルヒさん」では"悲しく笑う顔"などといった表現も見られました。
また「救済の方法/ましろさん」「拗らせま専科/波呂さん」などは厭世的な独白を行うような作品でしたが、そちらもこの表情とマッチしていたと思います。

要素D【裸】

裸であることに注目したような作品も見受けられました
「これでいいの!/エレキモグラさん」着飾った服なんていらないって感じの歌、「Cosmic Latte/お風呂かこさん」お風呂に入っているような描写がありました。
また「夜獣~YOKEMONO~/エディ・K・Cさん」「リビドウ/巫泥さん」などのように、そこから"色欲"について描かれたような歌もありました。
そして「足の裏を見せて欲しいのだ!/プレジデント山田さん」というご自身の色欲に忠実な作品もありましたね。

要素E【髪】

髪に注目して作られた作品も見受けられました。
そのまま髪として登場した作品もありましたが「fancy cloudy/火山風呂さん」のように雲をイメージしたであろう歌詞が多く見受けられました
「電気羊の夢/もあいさん」はそのもこもこした髪から羊を連想したのかなという作品でした。

要素F【リング】

人物の周りにあるリングに注目した表現も様々な物が見られました。
光の輪天使の輪水の波紋といったものがありましたが「叶輪/雫 伊那さん」はそこから"輪廻"を連想したような作品でした
また「星の子供/GAMBOさん」「ユニベルタルト/西条信介さん」などはそこから星の軌道をイメージされたのかなという作品でした
そして「パスタ伝/水原カルキ」さんはこの細さと色からパスタを連想したような作品でホント色んな解釈があって面白いと思いました。

要素G【その他】

絵そのもの以外の要素としては「とんでゆけ/中野ゆろさん」「救いと報いの間で見た夢/人間合格さん」など絵を描いた井上カワズさんの名前から歌詞に蛙が登場した曲を3曲カウントできました。
もう一つの「ユニック/Lifitoryさん」は他にも酩酊堂に関する様々な要素も色々と世界観の中に溶け込ませていて酩酊堂愛を感じる素敵な作品と感じました。
他には参加規約の一文から着想した「IMAGE/Muufe(むっちゃん)さん」という作品もありました。

自曲紹介

自分の作品について紹介させていただきます。
「セッカク マッタク イッカク」
特徴的なツノからクジラの仲間のイッカクを連想して生物シリーズで行こうと決めました。その表情を怒っているととらえてタイトルを思い付き、イッカクの特徴とリンクさせたストーリーの歌詞を作りました。"さすがにツノ生える"のフレーズが自分でもお気に入りです。前回のまかぎ祭の分析で、イラストの要素をふんだんに盛り込んだ世界観を作られた方と自身の世界観を確立させたうえで絵の要素とリンクさせる形の方で再生数が伸びている2つの山が出来ている傾向が見られたので、後者の方を意識して作ってみました。

まとめ

素敵な絵を提供いただたいた井上カワズさん
素敵な企画を運営いただいた酩酊堂の皆様
どうもありがとうございました。
そして参加者の皆様お疲れさまでした。
統一企画は共通のテーマで作っているのに本当に多種多様な作品が生み出されて毎回本当に楽しませていただいてます。
この記事だけでは全然語りつくせてないと思いますので各々でぜひ色々な参加曲を改めて聴いてみていただけたらと思います。
長文を最後まで見ていただきありがとうございました。
あとこの記事でunuiに興味を持っていただいた方がもしいらっしゃいましたら酩酊堂さんの対談動画を見ていただけたら嬉しいです。
以上unuiでした。


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