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「poolfull liquor の夢」


お酒についてのエトセトラを書いてみます。

今日は久しぶりにモルトの補充をしまして、前回購入したラガブーリンを4ヶ月かけてチビチビ飲み干したので、いつものラフロイグSELECT に戻しました。

いつもモルトにするかジンにするか悩むのです。
ボンベイサファイアを買っても半額以下ですから。
しかし最近は国産のクラフトジンが売れていて、4、5.000円もします。
飲んだことはありませんが、果たしてそれほどのお酒なのか不思議には思います。

なぜなら僕が20代の頃は、ボンベイサファイアが一番高価なジンで、当時はそれでも3.000円前後の小売り価格だったからです。
そしてラフロイグやアードベッグなどのスタンダードなアイラモルトも同様の金額でした。

酒税が変わりワインなどは格安になりましたが、ウィスキーは逆に高くなり、ラフロイグやアードベッグは現在5.000円前後の小売り価格になっていて、家飲みでは躊躇する金額です。
逆にボンベイサファイアは、僕が行くリカーショップでは1.580円税別で買えます。
コスパを考えるのですが、やはり飲みたい酒を買い求めたくなりますよね。

ちなみにジンと同じくウォッカも好きですが、総体的にジンと同じような価格帯で、クラフトジンのようなプレミアムな波はまだありません。
ロシアの「ストリチナヤ」が有名ですが、今回のウクライナ侵攻により世界中から閉め出されようとされています。
ストリチナヤは旧ソ連時代、貴重な外貨収入を担う商品であり、当時は慢性的な生活品不足のソ連国内においてはほとんど入手できなかったそうです。

シングルモルトとは、単一の蒸留所で作られたモルトを指します。
日本で一般に「ウィスキー」と呼ばれるものは「ブレンデッド」と呼ばれるもので、いくつかの原酒をブレンドして作らるものです。
カティーサークとかバランタインなどがこれに当たります。

シングルモルトは蒸留所の個性がストレートに出ます。
特にアイラ島で作られるアイラモルトはかなりアクの強いフレーバーを伴います。
アイラモルトに魅せられるというのは、極端な話鮒寿司やへしこなどが好きという感覚に近いかもしれませんね。

僕がいつも嗜むラフロイグSELECTは、数年前にラフロイグが新たに出したものでかなりリーズナブルです(レギュラーは10年ものです)
シングルモルトの多くは10年以上寝かしてからボトリングされます。
アードベッグも10年、ラガブーリンは12年がレギュラー商品です。
オーク樽に樽詰する時、 あえてシェリーなどを樽詰した旧いものを使って深い味わいを醸し出すケースも少なからずあります。

なぜ10年以上かというと、角が取れてまろやかな風味になるにはそれぐらいの月日を要するからです。
若いモルトはそれだけ角が立ち、荒々しい風味となり、それはそれで魅力があります(度数も高かったりする)
少ないですが、そのようなブランドもあります。

SELECTはなぜか年数の表記がどこにもありません。
これは老舗中の老舗のシングルモルトではかなり異例のことです。
しかもレギュラーのラフロイグ10年に比べ、明らかに尖った風味があります。
推測するに、世界的なモルト需要の高まりに対応するため、5年程度寝かしてボトリングする廉価版として別ラインで作っているのかなと勝手に思っています。
あくまで推測ですから、間違っているかもしれませんが。 

かつて焼酎ブームの時、地方で細々と続けていた蔵元が原酒ごと目ざとい企業に買い占められたり、訳のわからない焼酎ソムリエや焼酎バーなどが世間を賑わせました。
お酒も商品ですし、この世界は自由経済ですからいたしかたないのですが、思っていたように今では「あの時は何だったのか」みたいな、みんな忘れてしまった過去になっています。
モルトも、一時的人気に左右されたくはないですね。

今晩は久しぶりに、ラフロイグを飲みながらのそんなこんなを楽しみにしています。

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