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社員食堂のバックヤード

社員食堂を委託する従業員の方々の仕事場となる社食のバックヤードは、調理場、食事を提供するところのほか、食材倉庫や冷蔵庫、事務所や休憩所、従業員専用トイレなどがあげられます。

社員食堂の立ち上げにあたって、このあたりは、誰がどうやって決めてゆくものなのでしょうか。

厨房機器の配置と厨房内の動線

食数やメニューのグレードが決まれば、厨房機器の種類や台数も試算できるので、食堂業者さんにお願いして厨房機器の選定と配置計画を立ててもらいます。

厨房内の機器配置レイアウトは、使い勝手に大きく影響するので、店長クラスの方に決めていただきたかったのですが、新店舗の場合、店長になる方が人事異動前になるため新店舗に来てもらうことができなかったり、そもそも店長が決まっていなかったりということで、およその配置計画で進める事になりました。

およそといっても、営業担当やエリアマネージャーの方など現場に精通した方に決めていただくので、大きな問題にはなりませんが、稼働しはじめてからの多少の位置修正はあったようです。

また、細かいところですが、食堂従業員の方の入退場動線はセキュリティーが確保できるか、食材の動線では、屋外の運搬車両の駐車スペースや荷物用エレベーター、計量検収スペース、食材倉庫、冷蔵庫、冷凍庫の位置がそれぞれ効率良く配置できるかなど、総務も関わって決めていかなければならないところがあります。


厨房機器の手配

食堂業者さんにお願いしても良いのですが、委託先変更・交替を考えると、厨房機器の資産としては発注者側になりますので総務で手配を進めます。

新店舗に必要な機器一覧を食堂業者さんに提出していただき、さっそく厨房機器メーカー5社によるコンペを実施しました。

メーカーによって、機器の種類や能力が若干異なりますが、食堂業者さんと相談をしながら決めていきます。

最終的にはイニシャルコスト(購入価格)のみで1社に絞りましたが、あとから少しだけ後悔したことがありました。メンテナンスの部分です。

厨房機器は毎日使うものですので、メンテナンスや故障はつきものです。その際の対応が早いメーカーを選ばないと、食事の提供に影響してしまいますが、導入時にその部分の調査・検討をしないまま決定をしてしまいました。

少々余談ですが、年に一度、東京ビックサイトで「厨房機器展」が開催されます。業界やメーカーを知る良い機会ですし、機器の名称や役割、大きさや構成がわかるので、一度見学に行くと勉強になります。

厨房機器には、ガス厨房機器と電気厨房機器があります。食堂業者さんいわく、「ひと昔前は、断然、ガス火力のほうが手早く美味しく調理ができたけど、今は電気厨房機器もガス厨房機器に劣らない」とのことでした。

そして、オール電化の厨房機器を導入したところ、電力会社さんから割引のお話がありました。ただし、ガス厨房機器と競合する厨房機器のみとのことで、全体の半分程度の機器が割引き対象になっています。


事務所、下駄箱、手洗い消毒、専用トイレ、休憩所

食堂業者さんの生活動線になりますので、レイアウトは、基本的には食堂業者さんにお任せして、決めていただくところから始めました。

下駄箱、手洗い消毒、従業員専用トイレ、休憩室の設置は、法律でも定められていますが、場所の条件や個数・面積などの規定がないためか、最初にもらった提案では、トイレの数も少なく、休憩室兼事務所も非常に狭い計画でした。

提案の段階では食堂業者さんの遠慮もあったようですが、聞けば、バックヤードよりも店舗や食堂ホールの面積を広くして、快適に食堂を利用して欲しいとの気遣いだったことがわかりました。のちに、トイレの個数や事務室の面積は増やして、同一フロア内には休憩室を別に用意することにしました。

バックヤードとはいえ、最初の設計・計画段階の構成で使い勝手は決まってしまうのですが、ここで、食堂業者さんごとのカラーが出ることがわかりました。

給食業界の中では、ある業者さんが立ち上げスタートで入った食堂は、厨房などがコンパクトになっているので、そのあと入れ替わりで入った食堂業者さんは狭く感じるとのことでした。

厨房内を、なるべく歩かなかても良いようにして効率良く使うのか、作業をしやすいように広く使うのかは、会社ごとに考え方が異なっているようです。

ながく一社にお願いするのであれば、問題ないのですが…。

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