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社員食堂の役割とプロデュース

社員食堂を立ち上げるにあたって、社食についていろいろと調べ、他社の社員食堂をたくさん見せていただくと、世の中こんなにも進んでいるのかと正直驚きました。

それは、メニューの多さだけではなく、内装、照明、什器などの雰囲気や、お皿や容器、盛り付けによる見せ方など、隅々まで気を配って作り込んで、社員食堂を運営されていることがとても衝撃的なことでした。

一般に社員食堂は、食べることに専念した作りになっており、特に私たちのような製造業の社食は、非常に質素に作られているのが通常です。

今はもう少ないかもしれませんが、長テーブルとパイプ椅子、ときに、テーブルの上にはヤカンが置いてあるのが当たり前の光景で、私の若い頃は、テーブルの横で大きな扇風機がブンブンまわっていたこともあります。

そもそも製造業の仕事は、品質を維持しながら部品単価を下げる努力を重ね、工数を削減するために改善を繰り返し、歩く距離や作業面積を減らす工夫をして、毎日の業務をこなしているわけですが、会社の中で食堂だけが豪華で贅沢なことなど、とうてい考えられませんでした。

しかし他社を知ると、世の中の企業の考え方が変わってきており、社員食堂に求める役割も変わってきたことを実感したのです。

他者を見てうらやましくなったのは事実ですが、単に真似をするのではなく、実際の雰囲気やそこで食事をしている方々の笑顔が見られたことで、手間とお金をかけて作られた社員食堂の「効果」が伝わってきました。

それは、働く社員のみなさんに気持ちよく元気に働いてもらうために、社員食堂自体のグレードを上げ、会社の中でとる食事の時間にも居心地の良い場を提供することにありました。

働く環境を良くする事で究極は離職を防止して、会社や職場に定着してほしいという想いも込められるでしょうし、さらに若手社員から見ても嬉しく楽しい社員食堂にする事は、これから入社する優秀な人材獲得のツールにもなると考えるものです。

そういった目的をもった社員食堂は、単に食事をするだけの場所から、リラックス、リフレッシュができる場所として、内装や照明、テーブルやイス、トレイやお皿に至るまで、その効果を発揮できるような調和の取れた食堂になっている必要があります。

その全体調和をプロデュースするのは、食堂業者さんでもなく、建築業者さんでもなく、什器メーカーさんでもなく、社員食堂を計画して運営していく総務の役割になります。

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