【呪術廻戦】五条悟「今までマニュアルでやってたのを自動化した」。

呪術廻戦第2期の冒頭で出てくるこの台詞。

職業柄、コンピュータ絡みの、プログラムとかマクロとかスクリプト、そういう物から発想を得た設定かと、初めは思ったけど。
意外と人間的な物かも知れないと、考え直した。

自律神経、ってよく聞く用語だと思うけど。これが丁度当てはまる、近似なカタチをしてる気がする。

人を含め生物の筋肉組織は、基本的に脳から指令を受けて緊張したり緩んだりする。その指令は微弱な電気信号だと言われてる。
でも、筋肉の働き全てが、脳に従属してる訳じゃない。例外は、「脊髄反射」と呼ばれるものと、「自律神経」と説明されるものがある。
前者にはここでは触れない。

自律神経、ってのは脳がイチイチ命令とかしなくても、自動または半自動的に機能する。心肺機能とか典型で、これは頭が「あー、考え事してて心臓動かすの、忘れてた」とかいって、うっかり心臓が止まることはない。脳が寝てて意識を失っているときでさえ動く。
これが自律神経のカバーしてる部分で、かつ先天的な部類だ。

後天的なのもある。
赤ん坊は上手く発音できないし、2本足で上手くバランスを取って立てないし、歩けない。それは習得していくもので、習得後は「『あー』って言う」とか抽象的なシンプルな意識だけで、実際に「あー」と発音できるようになる。
より具体的には、「(先に吸っておいて)息を吐く」「喉と顎を開く」「舌はままで、唇を『ア』のカタチに開く」とかを同時にやって、総合的に「あー」の発音が実現する。
いや、これは自律神経の範疇から少し逸れてるのかな。

脳と神経と筋肉とか、生物・医療の分野は専門でないので間違ってるかも。機会があったら、専門家の意見を聞いてみたい。
「歩く」「走る」「止まる」「回る」「跳ぶ」といった基本的な運動も、自律神経に助けられてる部分が、大分ありそう。「歩く」事の実現に必要な各部の筋肉と神経の連動、それらを意識する事なく、ただ「歩く」というシンプルな意識だけで人は歩ける。これって「自動化した」機能の1つだし、習得前の赤ん坊はきっと「マニュアルで」やってトライ&エラーを繰り返す。

そう考えると、五条が言った台詞と重なる。
ついでに言うと、おしっこを我慢する、っていう膀胱の筋肉の働きも、自律神経の作用だって聞いた気がする。すると、幼い頃はまだ自律神経を使った「自動化」が不完全な所為で、お漏らし・おねしょをやっちゃう訳だ。「今日は絶対おねしょしない」と寝る前に強く意識しても、くかー、と寝て朝起きたら世界地図。
健康な大人は「自動化」が済んでいるから、とくに寝る前の意識がなくてもおねしょしない。

逆に老いて粗相しちゃうケースは?
「老いて筋力が弱り、緩んだ所為」と考えがちだが、それだけじゃないかも。膀胱の筋肉自体は機能にまだ余裕があっても、その筋肉に「まだ我慢しろよ?」って信号を送るルートが何処か棄損したり、自律神経のその部分が機能不全で、膀胱をそのコントロール下に置けなくなると、粗相に繋がる。

脳梗塞の兆しや後遺症で、「誤嚥」(ごえん)があるらしいしな。
これは気道と食道が交差してる喉の辺りで、健康なら自律神経が自動で弁をコントロールして上手くやるところを、できなくなって、自分の唾や食べ物・飲み物が気道に入ってしまいそうになって、ひどく咽せるという現象。自動で交通整理してたのができなくなった結果だな。

老いるって、厄介だ。

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