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「動機は愛がいい」を体現する人、藤井風〜ライジングサンロックフェスティバル2022.8.13

2022/8/13。
急遽、生配信された、ライジングサンロックフェスティバルの藤井風さんのステージを眠い目をこすりながら見ました。
やーもー素晴らしかった…がんばって起きててよかった。

今年はCOVID19感染拡大期で、結局、King Gnu、BiSH、カネコアヤノ、Vaundyと4組が辞退の憂き目に。King Gnuはレキシが、Vaundyは藤井風さんが二日前にそれぞれの代役として発表されました(レキシはバンドメンバーのスケジュールまでよく…!)。

そして、今年は生配信やりません、という公式の発表がちょっと前にあったにも関わらず、当日昼間の唐突なこの配信のお知らせ!

唐突な配信告知に狂喜乱舞

ほかの代打ステージでは配信はなかったようなので、これは風さんの意向が強かったのでは、と思います。

8/17追記。
8/16に藤井風アプリのスタッフダイアリーが更新されました。RSRFに出演するに至った経緯と当日の様子をマネージャーのズッズさんが記録してくれたのでした。
その中で、配信はズッズさんのアイデアを風さんがいいねと受け止めてくれたこと、きっかけは風さん側の発案だが前のめりに受け入れてくれたライジングサン側の協力あってのものであること、などが明かされました。改めて動いてくださった皆様に感謝です。
風さんはファンクラブがなく、その代わり公式アプリがあります。
ズッズさんの日記も風さんの何気ない姿がたくさん見られて楽しいので皆様もぜひ(無料です)。

Android版

iOS版

(追記ここまで)


来られなかったアーティストや見られなかったファンの想いを汲みることを優先したステージでした。さすが「動機は愛がいい」と歌う男。嘘がない。

COVID19感染で辞退したVaundyの代役に決まったのがほんの2日ほど前なのに、50分ほどの持ち時間のほとんどをカバー(それも初演奏ばかりの)にしてくる、大変だろうがなんだろうが、そうしないとここに自分の立つ意味はないと思ってでもいそうなセットリスト。

Vaundyの「踊り子」を口ずさみながら現れて鍵盤だけで歌うと、そのまま続けて「恋風邪にのって」。YouTubeのチャット欄はVaundyファンの喜びで溢れてました。最終的に19万人が視聴。現場も深夜なのにパンパンでしたね。
「Napori」そして「東京シャッフル」と都合4曲もカバー。
急なことで一所懸命練習したけど、歌詞間違えたしほんとごめんな、などとボソボソと語ってた。

わしの曲も少しだけ…とやけに遠慮がちに(代役って言っても依頼されてきてるんだから普通にやっていいのに)、「バウくんとはデビューの時期がおんなじで、兄さんみたいに思えてる、そのころのわしのデビュー曲をやらせてもらいます」と「何なんw」。
丁寧に客席の方を見たり、カメラを見つめたり、誰が聞いてるかをしっかり意識しながら、強めの鍵盤と歌。そしてスローな「帰ろう」。

ここからは、流行病で来られなかった方々の無念を晴らすコーナーに…と、なんと休演となったKing Gnu、カネコアヤノ、BiSHのカバーを! びっくりしたー!

King Gnuは譜面(というか、コードはなく歌詞だけ、コードはもう暗譜してきてたらしい…)をめくりながら「もうな、これがな、ぼっけえ難しくてできる気がせんのじゃけど…」とブツブツ言いながら(決めたのあなたやろw)の「Vinyl」。
嬉しさに画面のこっちで叫んでました(笑)
キーが合わなくて辛そうでした(井口くんのキーとはだいぶ違うもんなあ)が、なんとか歌いきり。
続けてカネコアヤノさんの「祝日」。これはとてもとてもよくて、風さん好きそうだなぁと聴いていました。最後はアカペラで歌い出すBiSH「オーケストラ」。

彼自身がつい先だって感染してツアーを休止していただけあって、出られないことの無念さがわかりすぎるほどわかるんだろうな、また、わざわざ北海道まで来て推しのステージ見られないファンの気持ちも。

イントロだけで客席がわいた「きらり」のあと、最後に、と前置いての「旅路」。
先日のホールツアーでMCしていたことと同じようなことを「旅路」の前に語ってました。

人生いろんなことありますね。完璧でなくても…わしもしょっちゅう失敗するし、あーなんでそんなことやってしもたんかなあってこともあるけど、でも、毎日ちょっとでも、少しずつでもいい人間であろうとする、その姿勢だけでも充分かなと思う。
お互いがんばりましょうや、言うような曲をやってお別れしようと思います。

「きらり」の頃には、深夜に歌ってる状況、さらに、カバーで無理にキーを合わせたことなどから、正直、声はかすれてしまってましたが、そうなることを彼が予見できないわけもなく、それでもカバーを歌いたい、歌うべきだと思ったこと、それはまさに彼の言う「少しでもいい人間であろうとする」行為なのだろうと思いました。

万雷の拍手の中、帰りかけて(もしかするとこれはその場で、声の様子や時間で判断することになっていたのかもと思いますが)、もう一曲、どうしても今日やりたい曲があるんです…と話し出すと、客席からは大きな拍手。

お盆なので、「まつり」をやりたい、と。
簡単な振りなのでみんなで踊りたい、シュールな映像で終わりたい、と軽くサビの手を振る振りをレクチャーしてから「カラオケ!」と笑って音源での「まつり」。
もうだいぶ声が出なかったけど、なんとか歌いきって。

深い深いお辞儀とともにステージ終了。
赤?かピンク?か、ともかく普通の人は着こなせないよなあというスーツ、インナーは白Tシャツ、足元はビーチサンダル。街で歩いてたらただのヤンキーみたいな格好に無精髭で、気負いなく「代打」を終えた風さん。

King Gnuの勢喜遊さんも、新井和輝さんも見てらしたそうで、特に勢喜遊さんはチャットに書き込んじゃったくらい、喜んでくださってたみたいで何より。Vaundyさんからも御礼のツイートがありましたね。風さんの想い、伝わったんだと思います。

この時代に生きて藤井風を知っていること、好きでいることがとてもとても誇らしくなるステージ。

素敵な心のこもりまくった「代打」をありがとう、風さん。とても幸せな時間でした。

余談。
レキシのステージはステージでKing Gnuリスペクトだったらしいのですが、「白日」稲穂バージョンがめちゃくちゃ聴きたーい!
ライジングサンはスペースシャワーTVで10月に放送が予定されてるんですが、そのために加入しちゃおうかしら…と思ってます(笑)

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