バレエのこと、漫画『ダンス・ダンス・ダンスール』のこととか

 ※『ダンス・ダンス・ダンスール』の内容に触れます。

 昔バレエを習っていた。体形はバレエ向きではなかったし、才能もなかった。それでも発表会で舞台に立つ瞬間とか、できないことができるようになることとか、とても好きだった。
 とても好きだったので、踊る仕事はできなくても、将来、バレエに何らかの形で携われる仕事に就きたい、と思っていた頃もあった。まあそれでもバレエ、辞めたけれど。
 辞めたとはいえ、好きな気持ちはどうやら残っているようだ。
 最近まで、『ダンス・ダンス・ダンスール』という漫画をスマホアプリ、サンデーうぇぶりで読んでいた。バレエに出会ってしまった男の子が、バレエと、踊りと向き合う話だ。とても面白い。主人公の、全力さが羨ましい。大人になってしまい(言い訳)何事にも無気力、全力で何かを頑張ることができなくなった自分にとっては、バレエがテーマであるということも、もちろん好きだが、全力で頑張る人の姿が描かれていること。それに惹きつけられる。誰か、読んできてほしい。
 この漫画の中で、バレエの手に関するシーンが少し出てくる。アームス(腕)を動かした際、手(指)の先がまるで消えていくように美しい動かし方をする人を見て、主人公は講師に「あれはどうやったら出来るようになるのか」を聞いているシーン。
 これを読んだ後か読む前かは忘れたが、とある日本人バレリーナで、美しい手の使い方をしている人の動画を見た。永久メイさん、マリインスキー・バレエ団で活躍している方だ。ウクライナへのロシア侵攻により、一時的に日本に帰国していたが、またロシアに、マリインスキーに戻った方だ。この人の手の使い方、踊りは美しい。バレエのことは何も分からないけど、美しいな、良いなと思った。
 現実のダンサーの踊りと、漫画の1シーンが自分の中で繋がった瞬間だった。
 バレエといえば、最近、谷桃子バレエ団のYouTubeチャンネルが面白い。日本においてバレエダンサーとして仕事をしていくことの困難さを、ありのまま映している。日本でバレエだけで食べていけるのはKバレエだけだよ、とは聞いたことがあったが、ある一部の団に入れない限り、踊るだけでは生きていけないようだ。そもそも定期賃金を払って「労働者」として雇うことができないではないカンパニーが殆どなのだろう。
 そんな動画を見ると、バレエの才を持ち日本で踊るダンサーよ、バレエを大切にしてくれる海外のどこかの国で、どうか輝いてくれ、と身勝手にも思った。
終わり

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