見出し画像

美術館好きで子育て中の人

美術館あんなに大好きだったのになかなか最近行けてないんですよね。
それもこれも、家でやる仕事ばっかりになってるから。あああ。
上野のそばの日暮里というところに住んでいたときは、まああめちゃくちゃ美術館行ってましたね。世界的に有名なものが数千円で見られるって、なんかまじほんと、すごくない?
上野までだいたい30分も歩けばついちゃうんですが、よく見てましたね。東京国立博物館、国立西洋美術館とかね。両方とも平常展大好きだったな。また行きたいな。
行こう、行こうぜ!!!!!
なんかこんど企画してみようかな。
でも人集まるかな。。
まあいいか。
ともあれ、美術っていいですね。オリンピック前後でインバウンド向けにけっこうレギュレーションも変わって、写真撮影可のところがめちゃ増えたし。竹橋の近代美術館もおすすめですね。あ、でもこれも東京だからできることなんだあ。なるほど。むつかしい。
ということで無名人インタビューゴツ!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 武居妥奈 さんです!

年齢:年齢不詳
性別:女性
職業:美術館巡りオタク・イラストレーター
note

Instagram
https://www.instagram.com/takeiyasuna

どうがのおはなし会


現在:だから私が今まで、その感じてた美意識の枠から外れた美意識があるんだっていうところを教えてもらったので、そこから美術館巡りがすごい楽しくなったんだと思いますね。今まで知らなかったアーティストのことも、あ、こういう美意識をこの人は持ってるんだっていうふうな見方ができるようになったところがありますね。

イワナ:武居さんは現在何をされてる方でしょうか?

武居妥奈 :はい現在、美術館巡りのオタクをしています。
あとはプライベートでは子育てと、あとボランティア活動もしています。ボランティア活動の内容は、子ども向けに一応読み聞かせの動画を配信ということをしています。そのタイトルが『どうがのおはなし会』というホームページで開催している動画配信なんですけど、私がその絵を描くっていうことができるので、そのイラストを描いてその文章を朗読者に読んでいただいて、その音源と一緒に合わせて配信するっていう形で取り組ませてもらってます。

イワナ:1日の流れとか、大体1週間どういうことをしてるよとかがあれば、お伺いしたいです。

武居妥奈 :お休みの日に子どもと美術館巡りに行っていて他の日はやはり制作だったり、資料調べですね、下調べの時間に充てていたり、あと、個人的にもイラストのお仕事を承ることもあるので、そういったところで、ちょっと時間を平日は割いてしまうかなっていうとこですね。
夕方はもう本当に子どもを連れて帰って夕飯の支度だったりとかで、バタバタするような毎日ですね。

イワナ:制作とか下調べっていうのはそのボランティア活動のでしょうか?

武居妥奈 :そうです、ボランティア活動だったり、あとは本当に仕事が入ると仕事に時間を使ってますかね。

イワナ:お仕事はイラストレーターっていうことですね。

武居妥奈 :はい、イラストのお仕事がメインです。

イワナ:どういう絵を書くんですか。

武居妥奈 :イラストは様々で、最近はその『どうがのおはなし会』のホームページの方のイラストを見ていただいてそこからお仕事を依頼してくださるっていう方も、いらっしゃって、イラストの方が、元々テキスタイルデザインを勉強していたのもあって、型染めだったりとか、何かそういう印象のもの。民芸品とか、そういう印象のものがすごく、なじみ深いというか自分には好きなジャンルなので、切絵のイラストだったり、あとは水彩画などです。
大学入学する際に、皆さん多分デッサンとかされて入学されるんですけど、水彩画が、私は特に好きなジャンルだったので、自分でもこれが、私の画材にあってるなっていうのを思っていたので…。逆に、アクリルガッシュを使う、平面構成って本当に絵の具を混ぜるところからまず苦手で、混ざりきらない。私は、色が綺麗に乗らなかったりとか。
でも、水彩画だとすごくにじみが美しく感じたんですよね。逆ににじんでいて綺麗じゃんっていうふうに思ったので、なんかその完璧じゃなくても、綺麗に見せてくれるっていうのが、やっぱり私に合ってる画材だったなっていうのがあって、結構水彩画とかは好きですね。

イワナ:そういうテキスタイルデザインから水彩画までいろいろされる中で、この色、よく使うなとか、好きなモチーフとかってあったりするんですか。

武居妥奈 :そうですね自然が多いかな。自然が上手いかって言ったらそんなに上手ではないんですけど、やっぱり風景とか自然のものがとても自分にフィットしたとき、これ私の見たまんまが描けてるって思ったときには、すごくやったなっていうのがあるんですけど、多分それも田舎から出てきてるので、田舎の風景とか、そういう畑とか田んぼとかバーッてあの一面にあったりとか、そういう自然の中っていう風景が、私の心象風景なんじゃないかなっていうところは感じますね。

イワナ:なんかそういうのって、普段お子さんとかと生活されてると思うんですけど、生活する中でよく見てしまうというか目がいってしまうものとかあるんですか。

武居妥奈 :んー。子どもと一緒に。そうですね。なんか、忙しすぎて、悩殺されてしまうことはありますね。笑
その風景を見ている余裕がないけれども。ただその子どもと一緒に帰るときの、やっぱり何か夕日だったりとかそういうのは何か一緒に会話の中で、夕日が綺麗だねとか、そうだっていうことは話しながら帰るときはあるんですけど、でも、やっぱりそうですねなんかその1人で感じる風景の見方と、子どもと一緒に感じる風景の見方が、ちょっと違うかなっていうのもあるかも知れない。

イワナ:美術館巡りオタクだっておっしゃってたんですけど、どんな頻度で行かれてるんですか。

武居妥奈 :いやあ、以前は結構、時間が空いたらすぐに1人でも行ってたんですけど、やっぱり欲が出てきてなんかせっかく子どもと一緒にいるのに、子どもと一緒に行かないのは勿体ないなっていうふうに思い出して、最初は、子どもが乳児のときからも連れていったこともあったんですよね。でも、ことごとく失敗していて。結構、有名な展覧会だと人が多くて、特に乳児ってすぐ、おしめ変えて欲しかったりお腹すいちゃったときとかも泣いちゃうので、原因がわからない状態でも泣いてしまうので、その注意をよく受けました。
あなた!ちょっと泣いてるわよ!(小声)みたいな。
そういうことがあったり。あとは、あのベビーカーで行くときも、やっぱり狭かったりすると、ちょっと邪魔になってしまう。
自分が邪魔になってしまうなっていうところがあって、なかなか前に作品を見に行けないとかっていう、多々苦労はあったんですけど、ただその経験は別に、自分の中では、何かやらなかったよりはやってよかったなっていうことは感じますね。何て言うんですかね、そのただ行ったことで失敗というか、ちょっと悔しい思いとかもしましたけど、でも行ったからこそ今が普通に行ける。今、子どももだいぶ歩けるようになって、2人いるんですけど2人とも一緒に見に行ってます。なんかそれでも、あの経験があったからそんなに今は苦じゃないというか。
注意を受けそうになっても、今はもう注意を受ける前に、申し訳ないですっていう感じで、あの、手繋ぎますねとかっていうふうに、相手が言う言葉もわかるようになってくるというか、こっちからも、そういうふうに言われる対応にちょっと慣れてくるっていうのができたので、なんかそういうのは良かったかなっていうふうに思いますね。

イワナ:お子さんと行かれるようになってからと、ご自身1人で行かれたときで行く展覧会の種類は変わりましたか?

武居妥奈 :そうですね。意識するようにはなりましたね。やっぱり子どもが見て楽しめるものがいいのか。それとも、そういうことを考えないで行った方がいいのかっていうのを、ただその見に行くジャンルは多分、分けてないと思います。全部いけるものは一緒に行こうって言ってるし、あとはその1人で見たいとき、やっぱり1人でこれを見に行こうって思ったものは、意識して、今日はちょっとパパに子どもを預けて、これは1人で行きたいなっていうふうに目掛けていくかなっていう感じはしますね。

イワナ:美術館巡りって、もちろんその展示されてる作品を見に行くっていうのが主ではあると思うんですけど、他に何か美術館に行くっていうことの楽しみ方とかがあればお伺いしたいです。

武居妥奈 :そうですね。美術館に行く楽しみ、やっぱりその場の空気感かな。建築だったり、そこに至るまでの道のりや、そこの行くまでの天候とかも、やっぱり左右してると思っていて、なんか雨だから悪いっていうわけでもないんですよ。
雨だからこそ、美術館の中に入ったときの光だったりとか、こう湿気をまとったときの、、なんていうんですかねその作品との対峙したときの自分の、この心情が何か一緒に混じってるような感じがして。そうですね、例えば晴れた日に、作品を観たとして。その作品を雨の日に見たら、同じ作品だったとしても、感じ方が違うと思うんですよね。
それと一緒で、建築とか、そういう空間も含めて、その一期一会じゃないんですけど、そのとき自分が見たものっていうのがそのときの自分のその記憶を忘れないというか。だから、私、図録で見たり、本とかで見ると、あんまり記憶に残らなくて、すごいと思う、本で記憶してる人が本当にすごい。尊敬してるというか、すごいなって皆さん。たくさん本を読んでる人すごいなって思ってるんですけど、私は、本当にあの記憶力が弱くて、なんか足で稼いで苦労していかないとなんか忘れてしまうんですよね。かといって、それを完全に覚えてるかっていうと、もう忘れてるのって、幾つもあると思うんですけど、だけどその引き出しを開けるときに思い出すきっかけになるというか。
この道通ってこう行ってあそこで見た作品だとか、何かそう何て言うんですかね、実際に見に行ったからこそ、言葉では言い表せない空気感がそこで体感できるっていうのは、すごい好きかなっていうのは思いますね。

イワナ:今まで行った中で、一番武居さん的に素敵な記憶で残されてる美術館とかって聞いてもいいですか。

武居妥奈 :すごく難しい。でもそうなんですよやっぱり一番がなくって。
その過去に行った場所で、その、初めて行く場所って全部一番になると思うんですよね。
初めて行ったところだったり、そこに何かしら嬉しいからもう1回行ってみようってなるじゃないですか。何回か繰り返してると、人ってこう新しい刺激を求めるというか、だから今一番になり得そうなのが、やっぱり今行ったことない場所ですかね。
今行ったことない美術館が、やっぱり今一番行きたい場所っていうふうに。
今ちょっと気になるのは建築で、明治村だったりとか建築を見て回りたいかな、、また美術館じゃないんですけど、ちょっと建築とか気になってますね。

イワナ:武居さんの性格についてお聞きしたくて、周りの近しい方から性格についてなんて言われることが多いですかね。

武居妥奈 :昔、親友から言われたのは、スポンジみたいな性格だねって言われたことがあって、周りのものを何でも吸収するっていうふうに。
良いものでも悪いものでも全部受け入れてしまう。多分、純粋とか素朴みたいな感じなんだと思うんですけど。
あとはもう一つ、その私が、大学卒業してすぐのときNPOに入ったことがあって、そこの代表に言われたのが、根無し草だねっていうふうに言われたことがあって、それが結構、なんかずっと残ってるかな、言葉として残ってるっていう感じはしますね。やっぱり根無し草ってそのどこにも属さなかったり、ちょっと浮遊しちゃってる状況で、私の性格をすごくいい表してるなっていう。ですけど、ただそれが悪いかどうかっていうのはわからなくて、やっぱりそこに風に漂って流されて、たどり着ける場所もあると思うんですよね多分。
だからそれは何かそういう話を聞いたことがあったので何か悪い意味で言ったのかそれともいい意味で言ったのかは捉え方次第かなというふうには思ってます。

イワナ:ご家族とかはどうですかね。

武居妥奈 :えー家族からですか。いや子どもからは怒ったら怖いって思われてそう。いつも怒ってて。なんでこんな部屋汚いの!なんで明日の準備できてないんだろう〜!とか、でもそれって結局自分は小さい頃はできてないんですよ。
できてないから多分それを投影しちゃって言ってるんじゃないかなっていうのもあるんで、だから最近は言わないようにしてます、なるべく。やっぱりね自分ができないことを言ってる親ってひどいなって思って。それは、ちょっとね、難しいですね。子育てって、難しいなって思うのは、私自身がはじめは子育て未経験なので、なにが正解かはわからなかったり。あと、自分が矛盾してることを言っても、それが一般常識として正しいからっていうふうに、上から押さえつけちゃうことが多くて。そうそれはね、なんか本当に、いや申し訳ないなっていうか。今からでも、直していかなきゃっていう風には感じてますね。

イワナ:お子さんに対して怒ってる内容とか、そのときはそれが正解やと思って言ってると思うんですけど、何かを通してこれは違うかもとか思うきっかけとかってあったりしますか。

武居妥奈 :そうですね、何か問題が起きたときに、1人じゃ解決できなくて、相談するようにしています。人に相談してみてたり、あとはそれこそHow to本などの、本を読んでみたりして、自分のやり方って、狭いところで考えてたけど、意外と皆さん同じ失敗をしてるんだなというか。自分1人がこんな悩んでたかなって思ったけど、意外と話してみたら、いや同じ悩みを持ってる方も多いですよみたいなことを聞いて。子育てってそのおうちの中がやっぱり多くて、孤立しがちなところがすごくあるんですけど、かといってグループに出たときにそういう悩みが言えるかっていうと、私は、言いづらかったりするので。一対一の場面だったり、あと1人で考える時間があってからときの方が、結構、話しやすいかな。
無名人インタビューも、一対一っていうところがすごく話しやすくて、あと、イワナさんにもお会いしたことがないのに、一期一会じゃないんですけど初めての人に話すことの方が、ちょっと本音が喋れたりとかだと思うので。
そういうきっかけで、子育てのことについても、気づけるというか、本当の知り合いに私めっちゃ深刻な悩みを話せないと思うんですよね。
恥ずかしくなっちゃったり、相手の立場もあったりとか自分が今後この人と付き合っているのに、こんな重い話できないかな、とか、ちょっとその裏を読んでしまうと考えちゃうんですけど、私もだから、誰かの誰でもない誰かになれたらいいなっていう。散歩してるときに、その知らない人と出会って、ちょっと会話を交わすぐらいの関係性というか、なんかそういうのすごくなんか好き、好きだなっていうか。

イワナ:素敵な言葉ですね。
周りの方からスポンジみたいとか根無し草だねって言われることに関しては、ご自身からしたらそうあるためにというか、何か繋がってるなと思う考え方とかはありますか。

武居妥奈 :そうですね。染まりやすいかな。
周りにやっぱり染まりやすいから何でも影響されるので、友達がこういうことやってるからそれにちょっと興味持とうとか、一番最初は、そうですね予備校に通っていたときに、周りの友達に影響されて好きな画家とかを知って、その絵を見たりポストカードサイズの図録を買ったりしたのがきっかけかな。
だから本当に元々はアートのアの字も、本当に知らないような状態だったのでやっぱり周りの人たちがすごくセンスがいいというか、皆さん自分の感性を持ってる方が多かったので。

大学のときも、先生に影響されたところがありますね。素材について探求するというか、それ以外にもコンセプトがしっかりしてないと見てもらえないんだなっていうところも勉強になったり、あとは、もうなんか、いや本当に。先生から言われた言葉で、今でも思い出すのがこんなゴミを作ってどうすんのみたいな。もう、ものすごいこと言われたことがあって、でもそれって、裏打ちされた信念があって、今で言うとすぐ捨てちゃうようなものを作っても循環していかないっていうのはあると思うんですよね。
使い捨てじゃなくってやっぱりいいもの、ちゃんと残るものを作りなさいっていうような。本当に残るっていうのはもう、将来的に100年たっても200年たっても、美術館でその人の作品として残るものをっていうものを作るっていうのは、すごいことだなっていうのは思いますね。そうなんですよね。今それができてるかって言ったら、どうなんだろうっていうのもあるんですけど、ただそれを言われたことによって、物との向き合い方は多分変わったと思うんですよね。
なんか、追及というか探求をしていかないと、いいものはできないんだなっていうのは、何にしてもなんですけど。
あと何だろう。そうですね夫かな。主人もアート関係なんですけど、夫は本当に作品の完成度以前のものを大切にしていて。私は本当に作品の完成度、何かビジュアルで綺麗とかすごく見た瞬間に心が動かされるっていうものが好きで、でも主人は社会派なんですよねすごく。社会的にどう関係してるかっていうところの美学を追求する方で、だから、そうなんですよね、社会や歴史においての美術。どう美術が貢献しているかっていうところ、すごくそこに意識を置いてるので、人の美意識って、人によって感性が違うんだなというか、どこに美を置くかっていうのは、その見た目だったり歴史だったり、社会のあり方によってやっぱり変わっていくんだなっていうのは。
だからほんっとにあの周りの人に本当に影響されやすいっていう。
だから私が今まで、その感じてた美意識の枠から外れた美意識があるんだっていうところを教えてもらったので、そこから美術館巡りがすごい楽しくなったんだと思いますね。
今まで知らなかったアーティストのことも、あ、こういう美意識をこの人は持ってるんだっていうふうな見方ができるようになったところがありますね。

過去:もう全然苦じゃないんだな私ってそのときに初めてこれ普通じゃないんだと思って、へぇ、みんなこういう感覚ないんだと思ったのが。ないんだっていうか、みんな別のことを長けてるけど、私はこれが感覚的に長けてたんだっていうふうに改めて感じたのが、やっぱそのときでしたねテキスタイル入ってから。何かそのときは楽しかったですなんか。

イワナ:物心ついたぐらいの幼い頃からお聞きしたいんですけども、お子さんのときってどういうお子さんでしたかね。

武居妥奈 :ええ。そうですね。なんか、もう親から言われてたのは、あまのじゃくだって言われてましたね。買い物に行きたいっていってるけど行くってなるとあんまり行きたくない。
あとはその逆もあったり、あまりお金が掛からない子ってよく言われてました。紙と鉛筆さえ持ってれば、ずっと絵を描いてたみたいで。
だから、下手な絵だったと思うんですけど、もう紙と鉛筆さえあれば、この子はね良かったからみたいな感じで言われてましたね。

イワナ:兄弟とかはいらっしゃいますか。

武居妥奈 :兄弟は下に2人いて、妹と弟がいます。ただ、長女で生まれてたんですけど、でも実は親に聞いたら、上にね、双子のお姉ちゃんがいたんですけど、その2人が生まれる前に死産してしまって、だから実家の墓に行くと、必ず双子のお姉ちゃんのお地蔵様みたいな、お墓があるんですけどそこに手を合わせて、お参りしに行ってます。だからか、双子のお姉ちゃんの2人分の愛情を私受けて育ったんだなっていうのは、感じることは多々ありますね。なんかすごく甘やかされてるっていうか、多分その2人分の愛情もプラスされて、育ってるんじゃないかなって思うところもちょっとあるっていう感じですかね。

イワナ:では小学生ぐらいはどうでしたか。

武居妥奈 :全然なんか冴えなかった、パッとしなかったですよ。
授業とかもついていけるのがやっぱり低学年でいっぱいいっぱいで、高学年なるとだんだん、やんなってきちゃったかなっていうのはあります。よくノートに落書きしてたりとかして。でも、全然授業も聞いてなかったんじゃないかっていうぐらい、だからか今は逆に授業を受けてなかった分、今大人になって、何か学びが欲しというか。学び直しじゃないんですけど、今、美術館に行くのって新しいことが知識として知れるので楽しいというところもあったんだと思います。
なにかその取っ掛かりが欲しいというか、歴史とか、数学とか国語とかもやっぱり本を見ても全然入ってこなくて、内容が。自分が経験した体験じゃないので、リアリティがないというか全くわからなくて、そこを美術館に行ったり、あとは美術館を回ることによって、場所とか風景とかそこで体験できることを通して、次に本を見たときにリアリティが湧くんですよね。これとこれって繋がってるんだとか確かにこういう経験ってあるよなとか。
だから何かそういった部分でも、何もない自分に何か得意な経験を作りたいっていうか。それもあってちょっと美術館を回ってる節もあるんじゃないかなっていうのは思いますね。

イワナ:小学生のときに好きだったものとかって覚えてますか。

武居妥奈 :そうですね、何だろう。前まではすごく覚えてたと思うんですけど。なんか最近全くそういうことを思い出さなくなりましたね。なんでだろうな。
子どもの頃って、何が好きだったかな。ちっちゃい、もう本当に普通ですけどちっちゃいキーホルダーとか、めちゃくちゃ集めてたりとか、あと何だろうなシールとかですかね。やっぱり漫画家とか好きだったかもしれない。小さい頃本当は漫画家になりたいと思っていて、ただ、それが何か中学生とかに上がったときに恥ずかしくて。漫画家になりたいっていうの今多分恥ずかしくないと思うんですよ皆さん。
漫画家になりたいってちゃんと言えると思うんですが、でも昔は恥ずかしかったんですよね、私言えなくて。中学校の頃ピアノの先生になりたいとか思ってもないことを多分書いた記憶があるんですよ。だからちょっとやっぱりそこに対してもあまのじゃくだったなっていうか、そうなんです。なんかそうなんですよね。だから本当は漫画家になりたいっていう夢を、もうちょっとちゃんと自己アピールとか、その発言してたら。
だから本当恥ずかしくない自分になりたいっていう感じなんですかね。
だからテキスタイルデザインを受けたときも、本当は美大とかあまり興味なくて、親がどうしたいのとかっていうふうに、多分高校の2年生ぐらいのときに聞いてきたのかな。
そしたら私絵描く仕事したいって言ったんですよねボソッと、それを親が予備校探してきてくれて、予備校に行きなさいってここ見つけてきたよっていうふうに言ってくれたのが多分きっかけで、最初予備校に行っても、どんな専攻があるのか、わからなくてテキスタイルって、もう知らないぐらいの段階で入ってたんですけど、そのときにやっぱりその周りの友達が、もう最初からテキスタイルいきたいっていう子がいたんですよね何人か。その子たちにもやっぱり影響されたんじゃないかなっていうふうに思いますね。
ちょっとその、自分の意識とは違うところに流れついてるっていうのはそういうところをすごく感じますね。

イワナ:その高校2年生ぐらいで予備校に通い始めて、テキスタイルにしようかなと思ったとき、心の中では本当は何がしたかったですか。

武居妥奈 :なんだろう、本当は何がしたかったっていうのが本当に何もなくて。
なんか絵描いてるときも、そうですね本当はただ絵が描きたかったのかっていう、でも、そうですねなんだろうな。
本当はでも、まあ、楽がしたかったんだと思うんですけど。
もう本当は楽がしたくて、絵描いて生きていけたら嬉しいなっていうところだと思うんですよね。恥ずかしい話なんですけど。
そうだからテキスタイル入ったらみんなかっこいいんだみたいな。お友達がテキスタイルでいきたいって言ってたから、こういうこと言うとかっこいいんだみたいな本当にそういうノリだったんだと思うんですよね。ただテキスタイル入ってよかったなって思ったのが、なんか性にあってたのはありました。細かいことは好きだったんだなと、やっぱりさっきキーホルダーって言ったんですけどちっちゃいもの好きなんですよね私。
ビーズ集めたりとか、細かいものとかそんな苦じゃなくて、友達に言われたのが、なんかこんな細かいことをやって狂いそうになんない?みたいな。
もう全然苦じゃないんだな私ってそのときに初めてこれ普通じゃないんだと思って、へぇ、みんなこういう感覚ないんだと思ったのが。ないんだっていうか、みんな別のことを長けてるけど、私はこれが感覚的に長けてたんだっていうふうに改めて感じたのが、やっぱそのときでしたねテキスタイル入ってから。何かそのときは楽しかったですなんか。

テキスタイルではずっと、鉛筆の、あの丸い部分くらいの大きさの棒で、インドのバティックに、スタンプ捺染っていう技法があるんですけど、なんかずっと点を打っていくんですよ私。スタンプ捺染って、多分あのプリント木版は結構大きいサイズでボンボンって打つんですけど、私は本当に鉛筆の1本ぐらいの大きさの丸を、ずっと。
あのとき何メーターだろう。まず初めに作ったのが、A3の紙だったんですけど、それを先生に見せたときに、いいじゃないって言われて、そのゴミ作っちゃ駄目よって言われた先生だったんですよ。私やっぱりそこに衝撃受けちゃったんですよね。
いいじゃないって褒められたこれだと思って、それで、3メーターですね、幅90で3メーターかな、の布に全部それを打ちました点を。
スタンプで点打って、それがやっぱり綺麗だったんですよね。
どう綺麗かって説明がちょっと難しいんですけど、なんていうかその河原のなんか砂利、石がパーってちっちゃいのが敷いてあるような、何かその風景に馴染むようなものだったんですよね。なんか、一つ一つがまばらになってるけど、でも整列してるっていうような。それが何か規則正しくあるんだけど、ちょっと無造作にもなっているような。

1枚の布を通して、何か私これをやってるときに、ちょっと写経やってるような感覚。無になれるっていうんですかね、ここにいるんだけど、心ここにあらずじゃないんですけど、なんかその感覚がすごい好きで、クセになっちゃったんですよね。ハマってて、すごくそれに。
これで一生、また楽な考えがあるんでこれで生きていけたらいいなとか思いながら。笑
結局卒業したあと個展をして、全然売れないって現実を突きつけれて。
全く何も起こらないじゃんってなったんですよ展示をやったときに初めて。
これでちょっと一段落終わっちゃったどうしようみたいな、そのときに初めてギャラリーにお世話になったのもあって、美術館とか、そういうところを支えるところに入りたいと思って、アート系のNPOに入ったのと、あと美術館のボランティアに入ったのがきっかけで、アートを支える仕事ってどんなことがあるんだろうっていうふうに、自分の考えれが流れていきましたね。

イワナ:NPOとかボランティアしてるときってどういう感じでしたか。

武居妥奈 :そうですねNPOボランティアしてるときは結構泥臭い仕事なんだなってすごい思いました。皆さん展覧会行ったりすると、華やかな仕事にすごく、見えると思うんですよ。私もそう、今でもそう思ってますし、そういうとこもあるんですけど、ボランティアって、例えばチラシをね、そのときはちょっと特別な展覧会だったんですけど、ボランティアで商店街に展覧会のチラシを配ったりとか、あとはアーティストさんと一緒に、老人ホームの施設で、ワークショップのサポートをしました。施設の方にその陶器の絵を書いてもらって、そのときにそういうのをサポートしてたりとか。そういう体験を経て、美術館で見ている展覧会って、何かとっても表面的なんだなっていうのはすごく感じました。美術館に行ってみる作品と実際に動いてみるそのボランティア活動とでは、なんかまるで別もので。
こんなに大変な思いして、しかもこんなにたくさんの人たちが、こんなに低賃金で、って言っちゃいいのか言っていいのかわかんないですけど、笑。そのこんなにたくさんの人が支えて初めてこういう1人のアーティストができて、なおかつそのアーティストが取り上げられるかどうかも、その美術館の学芸員にかかってるんだなとか、それもすごいなんか、初めての経験だったので興味深かったというか、だからこそもっと美術館のことを知りたくはなりましたね。
その美術館によっても違うんですよね。場所によってもその特徴が違うので、どこの美術館が面白いのかなとか、どの美術館が特色のある活動をどういうアプローチでしているのかっていうのを、ちょっと興味を持つようになったのかなって思いますね。

イワナ:ボランティア活動とかをやめられたきっかけは?

武居妥奈 :ボランティア活動をやめたきっかけは、そうですね。やっぱり就職をしたことかな。就職したのと、あと結婚したことかな。その二つですね。
生活が変わったっていうのが、きっかけだったと思います。

イワナ:この就職先って美術関係ですか?

武居妥奈 :就職先は、デザインの仕事になりました。
チラシやポスターのグラフィックをやることになって。そうですね。あともう一つはやっぱり結婚したことも、なんかその本当に流されるので、生活が変わると生活リズムも変わるので、その赴くままにそっちに比重がいっちゃったっていうのはありますね。

イワナ:生活が変わってからも、じゃあ次これやりたいなっていうのってすっと見つかったんですか。

武居妥奈 :んー。どうだったかな。そのときも、何回か相談に行ってると思いますね。就職するときとかもやっぱり相談に行って、そこでどうしようかっていうのを聞いてくれた人がいたので。そうですね。

未来:だから今までは、ピアノの先生になるっていう夢を言ったら評価されるんじゃないかとか、あとは友達が言ってたそのテキスタイルに入るから私って評価されるんじゃないかとか自分を多分その美術館巡りしたら評価されるはずっていうふうに型を決めてたと思うんですよきっと。どういう私が評価される私ってふうに囲ってたんですけど、じゃなくって、やっぱり何かその何もない自分でも、自分っていうものを好きにならないと結局は何者でもないんだっていう。

イワナ:武居さん自身の5年後とか10年後とかもっと先の死ぬときぐらいまでをイメージしてもらったら、ご自身の未来ってどういう感じのイメージですか。

武居妥奈 :そうですね。何か、今、その美術館巡りをしていることに、ちょっと疑問を持ってて。なんかまだ飽きたってわけじゃないんですけど、このまま続けていいのかなって、今、疑問をすごく感じていて。
元々田舎から一緒に出てきた仲良かった友達がいたんですけど、ちょっと住まいの場所が離れてしまったり、私も子どもが生まれてしまって、なんか今まで通り会えなくなっているっていうところだったり、、あとはその会話がやっぱり私の方も以前と比べてあれって思う。友達はすごく優しい子なので、あわせてくれる。
そのスポンジみたいって言ってくれた子なんですけど、その子が何か全部合わせてくれるんですよね。
私なんか結構甘えすぎちゃったなっていうか、悩みも聞いてもらったし、相手にもちょっと押し付けがましかったというか、今バリバリ働いてる子なんですけど。結婚しないのとかって悪気なく言っちゃったなとか、彼氏とかできた?みたいなことを聞いちゃったりとか、前はそう言う会話で盛り上がれたんですけど、いつの間にかその会話あまり良くなかったなって、なんか申し訳なかったなってすごい思ってて。それだけ、お互い環境がかわってしまって。

なんかそういう離れてしまったきっかけって別に喧嘩はしてなくて、まだ全然メールでも連絡取り合ったりもしてるんですけど、なんか心の距離が昔より何か変わってしまったのかなっていう。その5年10年後のことより、今の悩みがあるかな。

5年後10年後だからそのどうなってるか多分その悩みが何でもないことって思えるぐらい、笑い話になると思うんですよ。多分そうなんです、子ども生まれたときとかも、すごいもう一生美術館いけない!ぐらいな落ち込みをしてたんですけど、なんかだからそういうのを経て、ベビーカーで行ってみたりとか、なんかそういう馬鹿なことを、あの時やろうと思ったきっかけにもなれたというか。今失ったものがあって、それが何かその家族を得れたことと、あと何だろう、自分のその美術館を巡れるっていう環境というか、状況を得れたことがある上で、なくなったものもあるというか。新しく自分を変えていくのかそれとも何か考え方を変えていくのかちょっと今模索してる状態ではあるので、それを10年後5年後までに気持ちよく過ごせるような、もう少しだから自分がこういうことやったら、生き生きできるようなことを見つけられたらいいなっていうのは思いますね。

イワナ:なんかすごいわかる気がします。

武居妥奈 :なんか年齢がもしかしたら近いかもですね。

イワナ:私も思ってました。

武居妥奈 :さっきもその子育ての話のときに話したんですけど、その悩みって私1人しか考えてないと思いきや実は周りの人もこのことを考えてるんじゃないかっていうところで。イワナさんに話せてよかったなって。
友達は本当バリキャリというかもう仕事に趣味に生きてる人なので、何かやっぱり今年の目標は、私その足るを知るというか、人を羨まないっていうのが目標なんですけど、やっぱり友達が違う生き方をしてるのを、たまに羨ましいと思っちゃうときがあるんですよね。
それに尊敬もしてるんですけど、だから自分が自分自身のことを大好きにならないと相手のこともちゃんと尊敬できないというか、そうなんですよ。
だからそこをね、もうちょっと厚みを持ってきちんと自分っていうものを確立できてたらいいなっていうのは思いますね。
だから今までは、ピアノの先生になるっていう夢を言ったら評価されるんじゃないかとか、あとは友達が言ってたそのテキスタイルに入るから私って評価されるんじゃないかとか自分を多分その美術館巡りしたら評価されるはずっていうふうに型を決めてたと思うんですよきっと。どういう私が評価される私ってふうに囲ってたんですけど、じゃなくって、やっぱり何かその何もない自分でも、自分っていうものを好きにならないと結局は何者でもないんだっていう。
相手のこともだから尊重できる自分になるためにはやっぱりまずは自分っていうものをちゃんと好きになるようにならないとっていう感じですかね。

イワナ:例えばお友達と、理想ではどういうお話をしたいなとかはあるんですか。

武居妥奈 :えー、いやもう昔みたく、本当何でもない、何かこれってどう思う?ここってこうこうこうだよね、っていうので、わー!わかる!!!みたいな本当は何もないことで、何かすごいあの共感し合ってたというか、あれって何ですかね?なんて逆に聞きたくなっちゃうんですけど、なんか子どもの頃って、何も、凝り固まってないのかな。すごく純粋に何か話ししてて、すごい弾んでたんですよね。
それができたらいいなっていうのは思いますね。昔予備校でよく夜中にずっと2人だけで残ってて、なんか話ずっとバーって話しててあっという間に1時間とか2時間経っちゃって、結局最後に、えー今の話めっちゃ面白かったもう録音しとけばよかった!っていうので終わるっていう。
今ちょうどだからねスマホとかも出る前だったので本当にこうやってパソコンとかで録音して何もない他愛もない話をまた聞けるとかってなんか本当いいなっていう。
だから記憶って結構曖昧ですよね。過去のこともだから、いいふうに覚えてたりとか。
悪いこととか多分もう忘れてるんじゃないかなとか思ったりしますね。

イワナ:なんか、現在のときの話から記憶って何個かキーワードで出てきてたんですけど5年後とか10年後に今のことを思い返して、どうやって今を残していきたいというか、どういうふうに過ごしていきたいなとかはありますか。

武居妥奈 :ええ。やっぱキーワードはでも家族かな、子どもかなって思いますね。
なんか子どもたちに何を残せるか。だから母親がどういう人だったかっていうのは。
どう思ってほしいとかではないんですけど、好きなことをしてるお母さんだねっていうふうには、記憶に残って欲しいかなっていうのは思いますね。
本当、好きなときに寝て好きな時にごはん食べて、あとは好きなものを見てて、いつも笑ってるっていうのが理想ですけど、多分怒ってる記憶になっちゃうのかな。
だから、笑ってるお母さんにね、記憶として残ってほしいなっていうのは思いますね。

イワナ:お友達との関係はちょっと昔と変わったかもしれないんですけど、そういうお母さんでいるっていうのはもう何か既に実現されてそうやなとも思いました。

武居妥奈 :昔のお友達との関係はすっぽり自分の気持ちから、ちょっと離れてしまったところから、同じ家庭を持ったお友達っていうのが新しくできてきたりとか、結局やっぱり寂しいんですよね。古いもの、古いって言っちゃあれなんですけど昔の記憶がすごく綺麗なので、そこをすごく欲してしまうんですけど、やっぱり今思うと、今環境的にはその新しいお友達ができてきたりとか、新しい風もあるのに。だからそこと比べてしまう自分っていうのもどうもいるみたいで、この友達と一緒に話してたらどうなるんだろうとか、ただそれはやっぱりその家庭を持つっていうところで時間の制限だったりとか、なかなか時間が合わない部分があって、すべて満たされいるわけではないんですよね。
やっぱり子どもが熱を出したら、今日会おうって言ってたところもねキャンセルになってしまったりとか、結構そういうことも多いので。
でも、それも贅沢な悩みというか。本当にそうなんですよね。

イワナ:皆さんにもしもの質問をしてまして。
本当にもしもなんで突拍子もないけど、もし今現在お子さんもいなくて結婚もされてなくて、お友達みたいに独り身の生活だったとしたら、どういうことをしたいとか、どういうふうに生きてるだろうなとかどうでしょう。

武居妥奈 :そうですね。まず、友達みたく、一人暮らしできてないと思います。だからみんなまず稼いで自分で生きてるっていうところがすごいなと思って。
なんかこの、、結構ボランティアとか好きなんですけど、そのお金の循環に対してはすごく鈍感というか、かといってそのそんな使うわけでもないんですよ。自分ではあんまり何だろう。物欲はでもあるか。美術館巡りたいぐらい。確かにそう気持ちはあるんですけどでも何かそんなに無駄使いしているつもりはなくても、やっぱりその生きているだけでお金ってかかるじゃないですか。

なんだけど友達は本当にそこを1人でやってるのですごいなっていうふうに、もうまずそこからして自分は多分むりだろうな、実家に帰ってるだろうなって思うんです。そうでももし何もなかったとしたら、何もないっていうかもしも、なんだろう、もしも人間じゃなかったとしたら、猫みたいに暮らしたいというか、本当に。
もうなんか最初っからもう、なんていうんですかね。ダラしないというか、ちょっと怠け者なので、自分は自分のことをそうなんです、怠け者だと思ってるので。何もなければ本当にずっと寝てたいというか、でも寝ているとつまんないんでやっぱり美術館とか行きたくなっちゃうんですね。だからどう、どうなんですかね、なんかわかんないんですけど、そうなんですよ。だから本当に何もしなくていいんだったら何もしたくなくて、もうイルカになって海に浮かんでたりとか、鳥になって飛んでみたりとか。
なんかねたまに、公園で子どもたちと一緒に芝生で寝そべってたりしますもん。なんかあの人ちょっとおかしいなとか思われるんじゃないかとか思って。
もういいやと思ってでもそういうときが一番気持ちいいですね。

武居妥奈 :何もしたくないって思ってるのに、今お子さんがいるから結構頑張られてるんかなって一瞬思ったんですけど。

武居妥奈 :そうですキャパオーバーです、もう無理です。笑

イワナ:でもなんか逆に公園で寝たりするのって子どもと一緒やからワーッてできるとかもあるんですかね。

武居妥奈 :うん、ありますあります。朝の公園とか、誰もいないとブランコ乗ってても大人でも大丈夫ですよ。童心に帰りますもん。
でも最近そう体の不調感じて最近何かブランコ昔楽しかったけど、大人になると重力って気持ち悪いんだなと思って、子どもの頃に返りたいって思っちゃいますよね。

イワナ:私は、すいません私の話になっちゃうけど、今は子どもいなくて、夫婦2人でって感じなんですけど。そういう子どもに返りたいなって思ったときに、子どもがもしいたらもう1回1から人生一緒に経験していけるんかなとかも思ったりします。何か同じ感覚で。

武居妥奈 :私その感覚がなかったんですよ実は。童心に返る余裕がなくて。
そうなんです。だからいつになったら終わるんだろう終わるんだろうがずっと続いてて、その終わりがなくて、だんだん軽く、軽くなってるって感じですかね。終わりがなくて、、だんだんやっと軽くなってる。
なんだろう重荷が取れてるっていうんですかね。でもそのときに重荷だったものをその手をかけてたものが離れていっちゃうのが悲しくて、多分手をかけすぎてしまうんですよね子どもに対して。
だから嫌がられるっていうか、嫌われるというか、怒りすぎて言いすぎてしまう。でもそれは私が最初は1から育てたからっていうふうなやっぱり期待があるんですよ。友達も多分そうだと思うんですよ。昔の友達も私と一緒にいてくれたのにっていう期待があるから、やっぱりなかなかバサッと離れられなくてやっぱり気持ちがズルズルしてしまうというか、でもそれって何か変な期待なんだろうなってきっと。すぐに親離れとかできたらっていう。

イワナ:それだけ何か武居さん自身が考えて考えて行動されてるからそれも残して、いずれは相手にも伝えたいですね。

武居妥奈 :伝わるかなあ。いずれ伝わるといいですね。

イワナ:最後にインタビューで言い残したこと、読者の方向けでも自分への独り言でも大丈夫です。何かありますか?

武居妥奈 :言い残したこと、なんか私、結構ラッキーなんですよね。すごい自分自身が自然体でいられるときとかは、やっぱり何か引っ張ってくれる見えないものなんですけど引っ張ってくれるのがあるんじゃないかなっていうのはすごく感じていて、結構ここまで流れ着いたのも、ラッキーだったなっていうか。ちょっといきなりこんな、出だしだとわかりづらいですね。

その『どうがのおはなし会』っていう動画で配信する読み聞かせのボランティア活動をやり始めたのも、地域にあるお母さんたちが集まって出来たNPO団体があって、そこに、まず入れたことがきっかけで、『どうがのおはなし会』やってみないかなっていうので、みんなでアイデア出し合って、個人的に主導で本当に最初作らせてもらっていて。その団体名で始動で始めたんですけど、そしたらあのポンポンポンっていう感じで出来上がって。
そのうち、私自身で『どうがのおはなし会』を独立させてくださいっていう形で団体つくって。でも子育て団体さんのホームページには、まだ、バナーを載せていただいてたりとか。結構すごいことで、本来なら広告料ちゃんとお支払いしないといけないところになんか一応、身内から生まれた企画ということで。ホームページにバナーを載せていただいて広告出してもらったりとか、なんかそういうありがたいことが、他にもいろんなたくさん重なってることが、結構あって、なんかすごく、引っ張ってもらってるというか、ある意味ですごく優遇されてるというか、悩んではいるんですけど、でもその悩みって、こんなに贅沢させてもらってるのに、悩んでいいのかなみたいなそういうところもあって。

そうなんですよだから物質的にはすごく、そうなんですよイワナさんのインタビューも見せていただいたときに思ったのが、物質的にはすごく恵まれてるんですよどちらも。なんか持ってるんですよね、いろんなものを持ってはいるんですけど、なんかそれの使い道とかあとその考え方、自分ってこれでいいんだっけみたいな。
そんな考え方によって、何か自信が持てなくて、そこがそうだから、私からしたらイワナさんってお仕事されててすごいうらやましいというか。でも、多分その自分はなんかねこういうことやっててそれに自信を持てばいいのになんかやっぱり隣の芝生が青く見えちゃって、何かそこはあの、5年後に改善するとして。

でもその『どうがのおはなし会』からも、結構その神話とかを起用してっていうか、使わせてもらっていて、なんかそういうのも最初、出雲に、ひとり旅に行ったことがあったんですよ。
そこで神様の国だっていう話を、面白いタクシーの運転手さんが教えてくれて。そのタクシー運転手さん、車の中で何か小説を読んでるんですよね。私がすいませんっ乗りますって、いうふうに前から手を振っても、全然気づいてくれなくて、乗ったら乗ったで、いきなりバーって出雲神話を話出すっていうタクシー運転手さんに会えたのもすごいラッキーだったし、もうそれ以降全然会ったこともないですし、初めての方だったんですけど、その方に案内してもらったときに、何かそういうのもちょっと思い出になってたりとか、あとは、最終日に何か雨が降っちゃったんですよね当日の朝ザーッと雨が降っちゃって。

今日出かけるはずだったのに行きたかったとこ行けないなどうしようって、予定を練ってたりして。
そのときもそのホテルに本が置いてあって、これが赤羽末吉さんてスーホーの白い馬などを描かれてるイラストレーターさんで、その方が書かれている『日本の神話』って本がありまして。それがホテルにたまたま置いてあって、お部屋に持っていってもいいですよっていうような、あの書いてあるノートがあって、そこに名前と日付書くと持って行っていいですよって形で。午前中ずっとその日本の神話を読んでたんですよね。
それで、私もこんな日本の神話なんか描けたらいいなみたいな『どうがのおはなし会』も、もうそのとき始まってたので、そういう神話とかやってみたいって思ってたんですよ。
それで今住んでるとこに帰ってその府中市で神話じゃないんですけど、民話があるんですよね。『まつはきらい』っていう大國魂神社の神様の大国主命のお話なんですけど。
そのお話をやりたいんですけどっていうふうに、あの申請したら、府中市のふるさと文化財課を通してなんですけど府中市教育委員会に申請させてもらって、そしたらいいですよっていうふうにできるようになったので。
今『まつはきらい』というお話や『鼻どり地蔵』『たぬきのお坊さん』とかも、これから始まるんですけど、府中市の民話があってその3冊をやることになったのも何かそう、何だろう、あの時、雨が降るっていう出来事がなかったらとか、あとはそうなんです出雲に行ってなかったらとかって思うと、なんかすごいなんかラッキーラッキーが重なって、今の自分ができてるとか何か今この『どうがのおはなし会』もこれやろうと思ったきっかけが、その旅行とか旅とか、そういったところで小さなラッキーが重なってできてるなっていうのがあって、
ちょっと話がなんかややこしいとか説明が下手で長くなっちゃったんですけど、そういったことが自分にとっては奇跡なんですよね。

他人、多分、他の方からしたら、偶然とか。そういう考え方になるんだって思うんですけど、でも自分からしてみたら、なんかあの空気感とか、この流れとかって何か奇跡に近くて。そうなんですよ、だからそのラッキーが重なったことによって。
実は、赤羽末吉さんって府中市のかるたを作ってる方で、かるたのイラストも描かれていて、こんなところで赤羽末吉さんのイラストが見れる。なんかそういうところも繋がったりして、私にとっては、この場所に住めたことも、縁があるんじゃないかっていうふうに感じてるぐらいなんですよ。

イワナ:お話聞いて武居さんが美術館好きな理由とか何かちょっとわかった気がするかもです。

武居妥奈 :そうなんですそうなんです。
美術館に行くと、意図せず、作品と作品が別のところで、見れたり繋がったりとか。そうなんですそうなんです。
なんかその、こことここ繋がったっていうラッキーがなんかコロコロ落ちてるのが美術館っていう感じはしますね。
で、今なんかその美術館をやっぱり飽きちゃったというかやめたくなっちゃったのが、なんか、やめたいわけじゃないんだけど何か新しいものを今、模索してるのかな。それか引っ張ってくれてる何かがあるのかもしれないですし、わかんないんですけど、ちょっとそこは5年後10年後のお楽しみということで。

あとがき

武居妥奈さん、ありがとうございました!

生活環境や考え方が少し近いのかな?ということもあって、すごく心の中で共感しながら、時にはかっこいいなあと思いながらインタビューを行いました。

やっぱり学生時代の友人と、あの頃みたいには話せないなと感じることが私にもあります。
地元にいる子、都会に出て行った子、趣味に没頭している子、子育てをしている子・・
共通の話題もたくさんあるんですが、あっ、時が過ぎたな。と思う瞬間も少しあります。
えーーーー!わかる!!!でなー、・・・と昔のように話が弾む子もいれば、少し距離をおいてしまった子もいる。
でも、今までもそうしてきた気がするんですよね。
もちろん自分が大切にしてきたものは大切にし続けたいし、でも新しい出会いにも私を感化させてくれるものや、私を大切にしてくれる人がいるかもしれない。
世界を広げていきたい、変化していきたいという気持ちも強い。
そうやって今までやってきたから、去る者拒まずっていう少し冷たい一面も私には必要なのかなっていまは思っています。
それよりも、みんな今惹かれあう人、モノを大切に生きつつ、たまに一息つきながら過去から何かを引っ張って来るのかなぁと。

今回のインタビューは編集中も改めて、なじみ深い話題だなあ・・・としみじみしました。
美意識の話も、ああいうその人の感性に関する哲学のお話が好きなので、興味深かったなあ。
これからインタビューから連想したおすすめの本でもあとがきに載せてみたりしてみましょうか。次は忘れてるかもしれないです!が・・
今回は、『世にも美しき数学者たちの日常』という本をおいていきたいと思います。
数学者から見た数学の美のお話です。
数学って何のためにあるん?いつ使うん?何をしてるん?の疑問にも応えてくれるし、絵画や写真にも通ずるような美意識を数学者は数学に見ているんだなと感銘を受けられる本でもあります。
図書館、あまり予約がかぶることはなかったんですが、この本次に予約されていて延長できませんでした・・
同じ市にこの本を面白そうと思って読んでいる人がいるのかと思うと是非インタビューしてみたいです。

本日もお読みいただきありがとうございました❀

【インタビュー・編集・あとがき:イワナ】

#無名人インタビュー #インタビュー #イラストレーター #美術館
マガジンで過去インタビューも読めますよ!

インタビュー参加募集!


いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!