土地に縛られるんはあんま好きじゃない人
むかしむかし、ある村に、風来(ふうらい)という若者が住んでいました。風来は「土地に縛られるのはあんまり好きじゃない」とよく言っていました。
村人たちは代々同じ場所に住み続けることを誇りにしていましたが、風来は違いました。風のように自由に生きたいと思っていたのです。
「根っこを張りすぎると、動けなくなってしまう。私は風のように、行きたいところへ行き、見たいものを見たい」と風来は言いました。
ある日、村の長老が風来に言いました。
「風がどこへ行こうと、風は風のまま。土地に縛られないことは、心の自由さなのかもしれんな」
風来は、自分なりの生き方を見つけ始めました。
春は山里で山菜を採り、
夏は海辺で漁を手伝い、
秋は収穫の村々を巡り、
冬は町で様々な仕事をしました。
どこに行っても、風来は自分らしく生きました。新しい土地で出会う人々と交流し、その土地の文化を学び、でも決してそこに縛られることはありませんでした。
村人たちは最初、風来の生き方を理解できませんでしたが、やがて気づきました。風来が各地から持ち帰る話や知恵が、村を豊かにしていることに。
旅先で学んだ新しい農法、
違う土地の祭りの音楽、
遠い村の伝統料理、
様々な地域の知恵や文化が、風来を通じて村にもたらされました。
ある若者が風来に尋ねました。
「どうして落ち着かないんですか?」
風来は空を見上げて答えました。
「私は決して落ち着かないわけじゃない。どこにいても、その場所で精一杯生きている。ただ、この先にもまだ見たいものがあるんだ。それを見に行くのを邪魔するような、土地の縛りは好きじゃないんだ」
後に風来はこう語りました。
「人はそれぞれ、自分に合った生き方がある。土地に根を張る人もいれば、風のように動く人もいる。どちらが正しいということじゃない。大切なのは、自分らしく生きること」
そして「風は吹くまま、人は行くまま」ということわざが、この村から広まっていったとさ。
めでたし、めでたし。
と思う2024年11月14日16時16分に書く無名人インタビュー945回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
今回ご参加いただいたのは 中澤一世 さんです!
年齢:30代後半
性別:男性
職業:タクシー
現在:やっぱりなんか好きな会社で働いとるってことは、あんまり愚痴が出にくい部分があるんじゃないですかね。あんまり点取られて欲しくないなとか、前向きにいけばね。「あー、捕まった。あほやあいつ」とかって俺はあんまり言いたくないから(笑)
ミミハムココロ:
中澤さんは、今何をしている方でしょうか?
中澤一世:
何をしている。仕事でいいんですか?
ミミハムココロ:
もう仕事でも何でも。この質問を聞いて自由に思い描いたものを。
中澤一世:
あー。タクシードライバーで、なんか暇があったらnote書いてますね。
ミミハムココロ:
タクシードライバーはどういった流れで始めたんですか?
中澤一世:
えー、なんやったかな。懐かし。6年前かな…なんか空港で勤めとって、公休日の前にたまたまタクシー乗って。あんまり乗らんのすけど。それでなんか会社の話してて、多少愚痴も笑「お兄さんって集団向いてなさそうですね」と言われて。「1人の仕事の方が割と向いてるんじゃないかな」って言われて。そっからタクシーに興味を持って、二種免許取りに行って、今の会社で6年目を迎えましたね。
ミミハムココロ:
どうして最初に興味を持った先がタクシーだったんですかね。
中澤一世:
まあ、タクシー。なんやろう…一旦そのおっちゃんの話が結構おもろかったんすよね。雑談って1対1の方が意外と面白かったりするから。人が3人になった瞬間急にその人が面白くなくなったりするんで、意外と1対1って面白かったんすよね。しかもタクシードライバーって前見て喋るじゃないすか。緊張しないんすよ。
それで「あ、意外とおもろいんかな」とかって思って、ちょっと興味持ったらすぐ行っちゃう方だったんで。あんまり人生にサイドブレーキ効いてないんで、あんま。だからちょっとアクセル全開で行っちゃうタイプだったんかなみたいな感じっすね。あんまり脳みそで考えるっていうことがなくて「ちょっと興味あるな」みたいな、そんな感じかな。
ミミハムココロ:
その「集団向いてなさそう」って言われた時期っていうのは、自分の空港の仕事に対してはどういった気持ちで働いてたんですかね?
中澤一世:
なんやろ…なんか仕事がしんどすぎて。やっぱクセの強い人は何人かいるんすよね、どうしても。100人おったら10%ぐらいはいるんですけど。もうどんどん合わんようになってきてね、なんか…積もってきて、なんか蕁麻疹出たあたりぐらいすかね。蕁麻疹、湿疹とか出てきて「あ、そろそろタイミングかな」「体が悲鳴をあげとんな」みたいな、諸行無常。
ミミハムココロ:
しんどかったってのは具体的にどういったことがしんどかったんすかね。
中澤一世:
やっぱ、仕事の内容と長時間労働かな。17時間労働とかちゃうかな。朝5時で夜9時とかあったよね。想像を絶するしんどさやって。まあ、しんどさの質がやっぱりちょっと、立ちっぱなしと長時間労働かな。元々ホテル業とかもちょっとかじっとったことがあるんすけど。1回、ホテルで寝て「何時間睡眠なんすか?」って聞いて泊まりは「2時間だけ寝とって」「2時間⁈」っていう感じで。で、5時に起きて。
もうちょっと、「ホテル業もなかなかすごいとこやな」と思って。ちょっと向いてないなと思って数ヶ月で終わったんすけど。ちょっと空港は憧れて入ったにしてはなかなか残酷すぎてね。でも「あれに比べたらマシか、これに比べたらマシか」ってやっぱそれなりにはあるんすよ。やっぱ仕事を転々として「あれよりマシやな」って。どうしてもその産物ですよね、今はね。そんな感じです。
ミミハムココロ:
「空港に憧れてた」って今おっしゃってたんすけど、それはいつぐらいから憧れてたんですか?
中澤一世:
もともと海外旅行が好きで。1回『ターミナル』とかいうトム・ハンクスが出てる映画とか見とったりして「なんかおもろそうやな~」とか思いながら。薄々は思っとって、薄々は仕事がしたかったんすよね。「ちょっと、どんなんなんやろな」みたいな。で、ワーキングホリデーも行っとって、帰ってくるお迎えみたいなんも行っとって。ほんで帰ってきて日本、迎えてくれる国。「あー、おれ日本育ちなんやな」みたいな、なんかちょっと嬉しい感じが。やっぱちょっと迎えてくれる感じが「日本でっせー」みたいな(笑)ああいう感じがやっぱ空港は好きですよね、成田空港も羽田空港もね。そんな感じかな。
ミミハムココロ:
空港で働き始めて最初の頃からもうしんどかったんですかね。
中澤一世:
最初はどうやろう…徐々に徐々にきますね、やっぱ。3ヶ月ぐらいは耐えれとったんすけど。やっぱ何でも3ヶ月ぐらいからすね、怖なってくるんて。なんかもうシフトをフルでいかされた時とか夜中で待機とかお客さんの接客とか…まあ接客自体はまだマシやったんすけど、やっぱ立ちっぱなしの仕事とか休憩の短さは想像を絶するもんでしたけどね。1回働いたら分かるかな~って感じですね、ほんまあれは立ちっぱなしの。あ、女の子が担架で運ばれるとかそんな業種ですよ。(笑)一応友達がいるんすよ、毎年連絡を1回か2回その子の誕生日にLINEする子なんですけど。「私、担架で運ばれました」みたいな。「えっ」てなって。「俺、そんな職場おったんや」みたいな。あー、離れて良かったんではないかと。あの言葉を聞いてやっぱり良かったなと思いましたね。
ミミハムココロ:
noteはどういったきっかけで始められたんですか?
中澤一世:
noteか…ホリエモンの本かな。ホリエモンの本で「良質なアウトプットをしていった方がいい」っていう媒体を見て、何の本やったかちょっと忘れたんすけど1冊だけ読んだことがあって。どんな本やったかな。で、noteっていうのはあのフレーズっすよ、1行やったかな。意外と読んでる人おるっていう、意外と読んでるんすよこれみたいな。あの1言「え、なんなんやろそれ」って思って、noteっていうそのアプリ見て早速、投稿したらいいねばっかり…スキか、スキばっか付くから「え、読んどる人おるんこれ。」思って、っていう感じですね。ほなちょっと、別に金にならなくても読んどる人がおるってだけでちょっと励みになるじゃないすか。なんか不思議やなと思って。別に1円ももらってないけど「あ、文章って意外と好きやったんや俺」とか思って、意外と気付かされた媒体っすね。って感じです、noteは。で、今もずっとやってます。
ミミハムココロ:
主にどういった内容を書かれてるんですかね。
中澤一世:
あー、noteか…思ったこと、タクシーで気づいたこと、転職のすすめとか実際こんなふうな業種ですとか、6年半で培ったことすけどね。あとは、好きな漫画とか英語の仕方とか接客こんなふうに僕は英語で言うてますとか、そんな感じですかね。なんかまあ思ったこと、適当ですよね、「あっ」みたいな感じで思ったことはタイトルに新規で、公開せんと。なんかアイテムが無ければちょっとそれをメモで止めとって、思ったことは2000文字ぐらいでは書いてますね。何文字マックスか分かんないんですけど、2000文字ぐらいはたしか閉じ込めるはずなんで。そうなんですよ、それでnoteはやってますね。
ミミハムココロ:
どういった人たちに向けて書いてるとかはありますか?
中澤一世:
どういった人たち…不特定ですよ、別に。その、タクシーのイメージがやっぱ悪いんで。
ミミハムココロ:
あ、そうですか?
中澤一世:
むっちゃ悪いですよ、やっぱ。うちの会社の口コミ欄なんて最悪ですもんね、本当。もうクソですよほんま、なんじゃこれみたいな。接客とかね、ほんま。でも働いたらぶっちゃけ楽しいんですよね。で、就くなら若い方が良いなっていう感覚の発信はしてますよね。あんま年取ってからやったら、やっぱり手震えてるおじいちゃんおるし、脳梗塞で倒れちゃう人もおるし。やっぱり何でも、できるだけ若くて自立したい人とか、走りまくったら、月収40万は可能性ある。。その代わり会社選びミスったらちょっとまずいから、1回俺のnote見てって感じですね。そう、そんな感じで…感覚はね。感覚。質問されるってなんか良いっすね。
ミミハムココロ:
良いですか。
中澤一世:
あー、なんか良いっすね。
ミミハムココロ:
じゃあこれからも淡々と続けていきますね。
中澤一世:
全然いいですよ、はい。
ミミハムココロ:
タクシーのお仕事とnoteと、それ以外の時間って暇な時とかは何されてますかね。
中澤一世:
暇な時間は…最近始めたんが簿記かな、3級の。簿記やってUberして出前館して、道を覚えて表札写メ撮りに行ったりとかかな。
ミミハムココロ:
簿記はちなみになんで始められたんですかね。
中澤一世:
簿記、青色っすよね。なんか簡易簿記よりは青色やってみたいなって感じですね。65万控除やったかな。どうしても副業が必要になるんで、ちょっと挑戦してみようかなみたいな。
ミミハムココロ:
好きな場所とかはありますか?
中澤一世:
場所…トイレ。
ミミハムココロ:
トイレ。
中澤一世:
うん。トイレ落ち着きますよね。トイレと、あと…飛行機の中とか。もう雲から見下す地球ってええなー、みたいな。あれ、たまんないっすよね。飛行機、トイレ…タクシーの中かな、落ち着くんは。やっぱり自分の部屋みたいな感じっすね。
ミミハムココロ:
1人でどこかへ行ったり遊んだりっていうのは結構あるんですか?
中澤一世:
趣味がツーリングなんで、3月から多分どわーって東北の方攻めるんちゃいますかね。だいたい近畿圏は行ったかなっていう。四国地方とか九州も行ったかなっていう。40歳までには40なんぼやったっけ、都道府県全部行きたいなとか思いますけどね。
ミミハムココロ:
ツーリングはなんでやってるんですかね。
中澤一世:
ツーリングは、なんでやってる…あ、先輩が誘ってくれたんかな、1回。「バイク乗らへんの」って言われて。元々ちょっとUberEatsを30㎞/hで頑張っとったんすよ、原チャリで。でも30km/hが嫌で嫌でしゃあなくなってきて、3000件ぐらいの時に。あ、言い過ぎか、2000件ぐらいか。その時に「ちょっと一般道路30km/hって邪魔よな」とかって薄々思って。よく考えたら「別に社会人やし免許取りに行ってええよな」とかって冷静に考えて、中型二輪を取りに行って。ほんで、Uberを30km/hと2段階右折が解除されて副業の金額がなんか5万から10万上がってもうて。「あ、そんな違うんや速度って」みたいな。
それでたまたま自動二輪取って先輩に「あ、持ってるの⁈」って言われて。「バイク買いに行って乗りに行こや」って言われて、そっからすよね。
ミミハムココロ:
ツーリングしてる時の気分としては、どういった気分なんですかね。
中澤一世:
気分、気分か…山とか看板見とったら楽しいっすよね。「今、広島です」みたいな。「おー、入った入った」みたいな。高速道路が結構好きでGoProとかで撮ったりして、パソコンに閉じ込めて編集とかしてますね。
ミミハムココロ:
高速道路好きなんですか。
中澤一世:
高速道路好きっすよ、眺めとかいいし。あと岐阜に一瞬かするとこ、養老町ってあるんすけど、あの山がむちゃくちゃ綺麗で。「結構自然好きやってんなー」と思って。やっぱ自然は好き、勝手に好きになりますよね。まあそんな感じです。
ミミハムココロ:
日本で「ここ良かったな~」みたいな場所ありますか?
中澤一世:
日本…まだ全部は行ってないけど、岐阜の白川郷とかは良かったすよ。意外とあの家の造りでPayPayとか使えますからね、「使えるんかい」ってツッコみながら。なんか現金だけなんかなみたいな雰囲気あって、意外とPayPay使えるんやみたいな。で、着いた先のパーキングを取り締まっとうおじいちゃんが、おじいちゃんかおっちゃんか分からなかったけど「俺まだガラケーですよ!」ってなんか豪語してきて。はぁ、ていう感じになって。「あ、ガラケーの人まだおるんや」みたいな。「え、後ろPayPay使えるのにまだガラケーなん」って俺ツッコんだんすよね。「まあちょっと色んな人はおるけど、でもできたらスマホの方がええんちゃう」って一言は添えときましたよね。まあでもガラケー好きなおじいちゃんおるから、何とも言えないすけどね。
ミミハムココロ:
割とツーリングの先とかで現地の人と喋ったりってのは多いんですかね。
中澤一世:
あー、どうやろう…あんまり無いんすけど、ツーリング同士で手を振るんすよ。「こんにちは」とか言うて。あれぐらいちゃいます?ほとんどは行った先でキャバクラに行って、可愛いねーちゃんと夜に喋って終わるっていう。相場1人8000〜15000円だから、そこで手っ取り早い方法はキャバクラなんすよ、僕の中で。
ミミハムココロ:
手っ取り早い。
中澤一世:
手っ取り早く可愛い子と1時間すぐ喋れるんがキャバクラやと思っとうから。行った先で、そういうとこで「ここの方言って何かあるのー?」とか「どんな感じなのー?」とかって聞いたりはしますね、コミュニティとしては。
ミミハムココロ:
タクシーはなんで今続けられてるのかなと思いますか。
中澤一世:
今なんでタクシーを続けられてる…なんでやろう。まあちょっと6年目やから惰性もあるっすけど、やっぱどっか楽しいし。やっぱタクシーって部署が色々あるんですよ。ハイヤー部ジャンボとか観光部署とか。で、僕の車って1人で乗っとんすよ。だからぶっちゃけ洗車好きとかが…あの、普通の車やったら会社によるかもしれないんすけど、2、3人で乗っとったりするんすよね、その1台を。だから1人がむっちゃ潔癖症やったりとか、洗車好きで「ここの傷はなんや」って毎回ツッコまれて辞めてる人も結構おったし。基本揉めてるし、、、
そこがスコーンと無くなってて僕1人で乗ってて、洗車あんまりしない人間で。いや綺麗好きなんすけど、一応ね。特段あんまり予約無い限りはせんタイプで。だから多分、1人で乗れてるから続いとんじゃないかなって要素はありますね。1人ってやっぱ続けやすいっすよ、何にしても。
過去:やっぱずっと何もしてなかった、野球しか知らんのもやっぱコンプレックスですよね、ほんまに。
ミミハムココロ:
振り返ってですね、自分ってどんな子供だったなと思いますか?
中澤一世:
親の言うことをほとんど聞かん子やったんじゃないかな。どうやろう…性格的にはやんちゃなんかな。
ミミハムココロ:
なんでそう思うんですか?
中澤一世:
「あんまり親の言うこと聞かんかったな~」とかって言われますけどね、親には(笑)まあ自営業しとってあんまり会話も無かったんですよね。「自分の何かやりたいことを考えてやれ」みたいな。あんま質問せんかったかなっていう。だから、1人で勝手に何かしてるタイプで。まあ野球はしとったんすけど。しとったんか?やらされとったんか?後半わからず、一応楽しかったけど。どんな子やったって…1人が好きな割には集団でおったけどやっぱり1人が好きっていう、なんか振り子みたいな位置にいましたよね。
ミミハムココロ:
何をして遊ぶことが多かったですか?
中澤一世:
何をして…昔っすよね。いやでも野球ばっかしよったからな。特に青春っていう青春が無かったんすよね、本当休みが無くてっていう。そっちのコンプレックスの方が多かったっすよね、野球ばっかりしとった。なんかしとったかな…
ミミハムココロ:
コンプレックスなんですか。
中澤一世:
やっぱずっと何もしてなかった、野球しか知らんのもやっぱコンプレックスですよね、ほんまに。なんか野球部同士で遊んどったことはありましたけどね、それぐらいすかね。本当ね、日本って休みないんすよ、ずっと野球っていう道を選んじゃったらあんまりね。厳しい高校大学入ったら、本当休み無くて。大学出てから結構遊びましたねって感じっすね。
ミミハムココロ:
小学生までを振り返ってどんな生活でしたか?
中澤一世:
小学生まで、小6ってことすか?
ミミハムココロ:
そうですね。
中澤一世:
え、全然思い出ない覚えてない(笑)小学生までか…やっぱ野球ばっかしよって勉強はしてなかったかな。ってかついていけてなかったんかな。成績は悪くて、ずっと一番下ちゃうかな、ちょっとうろ覚えなんすけど。野球、野球野球ですね。僕こう見えて、野球の話しましたけど、あんま上手くないんですよ。
ミミハムココロ:
家族でこういうところによく行ったなー、とかもあんまり無いですか?
中澤一世:
焼肉かな。
ミミハムココロ:
焼肉。
中澤一世:
焼肉は店休んだ時になんか行ったような、結構行ってたんかな。旅行は時々行ったんじゃないかな。まあなんせ忙しい店やったから、2階にずっといて野球。勉強はもうなんかしんどいからって、そんな感じかな。
ミミハムココロ:
ご両親との会話は多かったんですか、少なかったんですか?
中澤一世:
今の方が多いね。やっぱなんかタクシーに来てゆとりを持ってから会話は弾みますよね。で、妹も子供もできて甥っ子と姪っ子ができて、やっぱネタはどんどん増えていくし。そういう意味では、過去より今の方が会話は増えてますよね、おとんとおかんは、ギネスに載るくらい仲悪いからもうええか、みたいな。
ミミハムココロ:
それは小学生ぐらいの時からなんですか?
中澤一世:
どれがですか?
ミミハムココロ:
その、ご両親が仲悪いっていうのは。
中澤一世:
仲悪い…そう、年齢的に仲良くても逆に気持ち悪いんやけど。なんやろ、難しいよね夫婦って。良い時は良かったよ、悪い時とか最悪よね。何回、三行半見たか、分からへんけど。どっちかって言ったら悪い比率の方が大きいかな。そんな良くはないけど、でもまあおかんとは結構喋る。おとんとおかんはほとんど見たことない、会話。それで一応家にはおるから離婚はせんタイプの夫婦みたいって感じ。
ミミハムココロ:
次、中高を振り返って…高校行かれましたか。
中澤一世:
高校行ってるよ。
ミミハムココロ:
じゃあ中高を振り返ってどんな生活でしたか?
中澤一世:
まあ野球やな(笑)なんか野球の話するんもあれやな、何かあったかな…野球ばっかやな、ほんま。ロクなこと無いな野球しとったらやっぱ。ほんまロクなこと無いよな。野球、小中高…野球野球野球…で、しかも応援ばっかでしょ、下手やったから。本当に野球はロクなこと無いっすよ、下手やったら。何かあったかな。修学旅行とかしか覚えてないな(笑)北海道行ったような気したけど。まあなんか野球、野球でしたね。
ミミハムココロ:
振り返ったイメージとしては楽しかったですか?
中澤一世:
おもんないっす。うん、即答。おもんない。
ミミハムココロ:
これは何でなんですかね。
中澤一世:
野球しとったからおもんない、下手やったし。背番号もらえてへん、試合も出られへんしおもんない。
ミミハムココロ:
なんでじゃあそんなに野球続けられたんですかね。
中澤一世:
いやなんか、小学校は試合出とったんすよ。中学校も試合出て、親に上手いと思わされとったんすよ。なんか中途半端に上手かったらしいんすよ。で、高校から全国レベルになって急に自分の実力が分かるじゃないすか。何て言うんすか、上手い子がばっかり集まってきて100何十人のチームになって、急に2軍からスタートで。軟式出身でみんなボーイズとか硬式とか「えぇ、こんな上手いやつおるん」みたいな。球場のスタンドにボコボコ入れる集団を初めて目の当たりにしてね。「えっ」って思うんすよ、僕の場合ね。「俺、野球やめようかな」って何回も思いましたよね、2日目ぐらいで。あんとき辞めてればって何回も思います。いまだに
でも「行ってもうたもんはしゃあないから、もうとりあえず3年間行け」って親父に言われて、「いやぁ」みたいな(笑)だから惰性で行ってました、とりあえず行こうかっていう。
ミミハムココロ:
そこに関しては、親の言う事は割と素直に聞けたんですかね。
中澤一世:
いや、他にやること無かったからね。かといって中卒で仕事するのもなんか、っていうのも。スマホも無い時代やし。もうやるしかなかったというか、もう野球しか知らん頭で行ったからやっぱきつかったけど、とりあえずさせてもらっとう以上はやろかって感じ。まあ好きは好きやったんやろうけど。仲間とかできるじゃないすか、一緒に帰っていく仲間とか、マクドとかで喋る会話もあるから。まあ別に「ええや」みたいな感じでとりあえず一応行ってましたよ、野球しながらやけど。
ミミハムココロ:
野球部でいるときも「1人の方が好きやな~」とか感じる瞬間はあったんですか?
中澤一世:
いや。1人好きに変わったんは社会出てからちゃいますかね。集団はまだマシ…別にそんな湿疹も出てなかったし、和気あいあいでその「1人が好き」っていう単語も知らんかったんちゃいますか。単語力増えてからっすよね、社会でて、上下関係厳しい。「パワハラ」って言葉も無かったっすよね、Twitterも無かったし。時代的にそんな感じかな、パカパカの携帯で情報量も何もないし、ただ黙々と野球しとったって感じかな。そんな感じですね、やっぱね。
ミミハムココロ:
その後、大学行かれたんですか?
中澤一世:
大学行きましたね~。
ミミハムココロ:
大学生活は振り返ってどうですか?
中澤一世:
大学の方が楽しかったんちゃうかな。プロ野球選手が2人出て、同期から初めて。上手いやつが来るんすよ、ぶっちゃけ全国からね。で、「プロに行くやつっておかしいんや」って思ったんがその2人見てからですね。そっからっすよね。「あ、今まで見てきたやつより上のやつが来るんやな」っていう、もう変な領域ですよね。「甲子園ベスト8?」とかね。あー、みたいな。何億稼ぐ奴らを目の当たりにしてから「今までやってきたの何やったんやろ」って振り返るやつが、その2人に出会ってからすね。まあ楽しかったっすよね、普通に喋ってくれるし。「プロ野球選手が普通に喋ってくれてたんや、過去」みたいな、今思うと。
ミミハムココロ:
それ以外の部分で大学生活はどうですか?
中澤一世:
国際、英語の学科に無理くり入っとったから…あの男子校だったので、僕。女の子と喋るんがこない抵抗あるって知らんかって。
ミミハムココロ:
あ、中高がもう男子校。
中澤一世:
中学校は女の子いたんすよ。でもそんな、恋愛とかって手繋ぐぐらいじゃないすか実際繋いでないが。まあ、人によんねんけど。やっぱ高校なると男子校でもうほぼ絶たれるわけですよね、パーンと。やっぱ上手い奴は作っとったけど、「俺の彼女や」言うて写メ見せてくれたりはあったけど。ほとんどは皆無やったすよね。やっぱ初めて見る女の子は「球場で」とか、「応援しながら」とか。ロクなこと無いけど。ほんで大学行って「女の子や、化粧してる」みたいな感じですよ。「おぉ」みたいな。
ミミハムココロ:
なんで英語関係に興味があったんですかね。
中澤一世:
何関係って?語学?
ミミハムココロ:
はい。
中澤一世:
えっとね。皮肉にも、高校から成績は良かったんすよ、英語だけ。「日本語と違うもんって面白いな」って思ったぐらいです。英語は好きやったんすよ。耳に飛んでくる音が違う言語で飛んでくるってのがおもろかって。で、ほとんど対応できてないかな、みんななんかアタフタしてるから。意外と単語力はあったんすよ、ちょっと会話になるとかあったから。ちょっと楽しかったんかなっていうのがありますね、言語的には。
ミミハムココロ:
先ほどおっしゃってたワーホリってのは、大学生活の中で行かれたんですか?
中澤一世:
いや、大学卒業してからです。
ミミハムココロ:
すいません流れで聞いちゃったんで、ワーホリの話も。どうしてワーホリに行こうと思われたんですか?
中澤一世:
えっとね、何やったっけ…あっ、そうや。「英語ペラペラ」って曖昧やったんすよ。ペラペラってなんなんっていう。その概念を覆してくれた日本人がおって、ほんまにペラペラに喋っとんすよ。初めて見たんですね、英語をちゃんと喋ってるのを。クラスはABCDから1番下やって、僕、3.4年目のAクラスのある帰国子女の男と喋って、帰国子女やったんかなその子。「カナダ行っとって~」みたいな。で、ほんま普通に喋ってるから、海外の人と。「えっ、初めて見たわ」みたいな。その影響で「なんか友達になりたいんやけど」って言ったら「あ、いいよ~」みたいな。なんかノリがやっぱカナダっていうか、「俺、4年いたけどなんか聞きたいことは聞いてな~」みたいなノリがそんな感じで。
「え、びっっっくりするくらい成績悪いね」ってはっきり1回言われて。「でも、なんでそんな発音いいん」って言われて。「発音いいん、俺?」とか言って。「うん、全然通じてるよ」みたいな。「あ、逆に向いてるんちゃう。成績悪い方がいいよ!」って言われて「え、どういうこと」みたいな。「あ、点数気にせん方がいい」って言われて。「もう向こうって喋らな生活できひんもん。トイレも行かれんもん」って言われて。初めて変な日本語を聞いて、そっからカナダに興味があって、4年後「ちょっと行きたいな~」ってその時の彼女に聞いたら「行ったらいいやん」って言われて。「いや、あっさりやな」みたいな、そんな感じで決まりましたね、ワーホリ。
ミミハムココロ:
これ、どうして4年経ってからもう1回行きたいなってなったんですかね。
中澤一世:
4年経ってから行きたいな。カナダですか?海外ですか?
ミミハムココロ:
そうです。1回話を、そのお友達から聞いたわけじゃないですか。
中澤一世:
うん。
ミミハムココロ:
でもそこから4年経ってから行きたいなってなられたのかなと思って。
中澤一世:
あ、いや多分3年後っすよその子が出てきたん。そうそうそう。1年ぐらい就活あったけど興味なくて、働くこと自体が。一応やってきたことは1番下のクラスやったけど、やってきたことは野球と英語ぐらいやなって思って、薄々アイテム自体はあったんで。興味を持っただけですね。「ふーん」みたいな。それで「ちょっと1年後かあ」と、うっすらぼんやりすよ。「ワーホリ行ったらいいじゃん」ってその子から聞いたんやと思います、確か。「何、ワーホリって」って。そうそうそう、単語も無かったですもん、頭に。「何それ」みたいな。
ミミハムココロ:
ワーホリの生活は振り返ってどうですか?
中澤一世:
楽しかったっすよ。野球より楽でしたけど。野球って「はい」「すいません」「ごめんなさい」言うとったらええだけやから、先輩に。先輩の言うことは絶対、って。「はい」「すいませんでした」って言うとったらええけど、英語やったら話さなあかんから。「イエス」じゃ無理やから、会話ならへんので。「はい、はい」って。だから「あ、ちゃんと喋ってええんや」俺史上のトリガーとなって、そっからすね。ラスベガスとか旅行行ったりして、イチロー見に行ってとか、シアトル行ってとか。もう石橋叩いて英語してましたね、バババーッて。
ミミハムココロ:
向こうにいる中で「これしんどかったな」みたいなものはありましたか?
中澤一世:
向こう、どうやろう…やっぱ「言語はしんどいな」って思いましたよね、普通に。生活ってなるとちょっと話が変わってくる。テスト勉強じゃないからね。あとは、ラスベガス行った時にバスに放って行かれて「帰りどうしよう」って考えた時のあの2時間がめっちゃ苦痛でしたよね。「死ぬんかな、俺」とかって。まあ何とか2便があるってことに気づいて、1便を取って2便、午後の部みたいな、そこに乗って帰って。あの帰りはもう忘れへんね、やっぱ。40歳ぐらいになるけど「あれ、帰れて良かった~」って。
ミミハムココロ:
大学卒業されてから最初のお仕事はどういう流れで決めたんですか?
中澤一世:
何やったっけ…ごめん、もう1回質問いい?
ミミハムココロ:
卒業されてから最初お仕事なさったと思うんですけど、どうして最初の会社に。
中澤一世:
あ、ワーホリか。いや、なんかチラシ見とったんやったかな、バンクーバーで。チラシ見て「ロッキーマウンテン、リゾート地で働く」っていうのを表札見て「これ何?」って聞きに行ったのが発端で、またバス乗らされて上に行って、ロッキーマウンテンってとこで働いとったね。こんな感じ?
ミミハムココロ:
海外からもっかい日本に戻ってきて生活されてると思うんですけど。どうですか、日本か海外どっちの方が自分に合ってるなとかはありますか?
中澤一世:
難しい質問やな、それ…そら海外おる方が自分ではおれますよね。やっぱ英語好きやし、ガンガン話しかけてて分からんけど調べて、自分で解決するっていう意味では。日本の生活って言ったらもう、どんどんマンネリ化してくるから。生活が会社、家、会社やから。たまには旅行行きたい、でも無理やり行ってる感じっすけどね、何とか。タイに行った時とかも、やっぱり。
向いてるか向いてないかはちょっと分かんないすね。食文化と、やっぱみんな日本人みたいな顔してないし普通の日本人やから、僕も。カナダは鼻高い、かっこいい男ばっかじゃないすか、ぶっちゃけ言うたら。やっぱりそういう意味では、なんか劣等感は感じるけど日本かな、食文化的には。
ミミハムココロ:
今のところ「これまだ話してないな」みたいな話はありますか?
中澤一世:
話してないな…分からん、質問で「あっ」ていうタイプだから。え、何かあったかな。何が聞きたいとかあります?話したいこと、話してない…
ミミハムココロ:
いや、いいんですよ。特に無ければ全然、こちらからどんどん質問していくんで。
中澤一世:
今で何分喋っとんのこれ
ミミハムココロ:
今で40分くらいです。
中澤一世:
あ、こんな喋っとん。あー、はいはい。意外と喋っとるんやな。そうそう、なんでもなんでも。
ミミハムココロ:じゃあもう続けて未来の質問も聞いていこうと思います。
未来:まあ変わらんすよ、多分ね。そんな急に宝くじなんか当たるわけないからね。リアクションしづらいけど、そんな変わらない。やっぱ日々の積み重ねの延長やからなあ。
ミミハムココロ:
今から5年後とか10年後、最後死ぬまでを考えた時に未来ってものに対してどういったイメージをお持ちでしょうか?
中澤一世:
なるほど、未来に対してのイメージか…あんまり変わってなさそうやけどね、生活自体は。まあ、全国で仕事はしてるんじゃないかなっていう。
ミミハムココロ:
全国というのは転々とされるってことですかね。
中澤一世:
二種免許持っとうから、北海道支社行ったりして。来月は東京で面接なんで東京のタクシー会社行って、次は九州のタクシー会社行って四国行っとうかもしれんし。最終的にはなんか外国でタクシーやっとんのかなとかって思ったりはしますけどね、薄々は(笑)二種は好きなんすよ、だから。やれる時にやっておこうってタイプで。あんま年取ってからじゃやりたないなってのはありますけどね。
ミミハムココロ:
じゃあ年取られてから「こういう仕事をしたいな」みたいなイメージはありますか?
中澤一世:
60歳、70歳ってことか…20年後、30年後ぜんっぜんイメージ湧かんけど。なんかパソコン触っときたいよね、やっぱ。
ミミハムココロ:
パソコン。
中澤一世:
うん。二種免許取得してタクシー就いてもう6年なるけど、パソコン4回買い変えとんすよね、結構使って。結構得意分野なって…得意じゃないか。まあ苦手意識が強かったから、パソコン。結構触っとったら面白くなってきて。なんかタクシーと両立して副業でうまくいってなかったら別に、パソコンかタクシーかやってるんじゃないかな。最悪これでいけるわ思っとうわ。
ミミハムココロ:
パソコンはどういったところが「楽しいな」って思うんですか?
中澤一世:
僕、note書いてる時は楽しいな思ってます。noteはやっぱね、むちゃくちゃ書けるから。Twitterが140字やったっけ、「ちょっとしんどいな」と思いながら。さっきも投稿しとったけど「やっぱおもろいな」と思って、情報自体は。
ミミハムココロ:
それは例えば同じ内容でも、人に話すのと書くのとは違うんですか?
中澤一世:
話すことがあんまり…今喋っとう以外はあんまり無いから、一旦ネットで公開してるっていうこと自体は面白いかな。話すことは無いかな。「noteしてるよ、読んでな」って言うたことは1回も無いっすね。
ミミハムココロ:
「自分の話を聞いてほしい」みたいな気持ちはあるんですかね。
中澤一世:
自分の話を聞いてほしい…人間やったらあるんちゃいますか。時々あるけど、ほとんど聞いてるかな。それだけで、別に特段自分の情報は喋らんかなっていう感じかな。タクシーって人の話ずっと聞かなあかんから「あ、そうなんですねー」って聞いて。ちゃんと聞かなあかんから、ちゃんとツッコめるっすよ、最近。ちゃんと聞いてる。「それってどういう意味なんですか」とかってちゃんと聞き直すから、向こうもなんかたどたどしくなったら「あ、嘘ついとったんやろな」って若干分かってまうし。なんかちゃんと聞くっていう意味では、聞く方が大事やと思ってるから、発信はせんかなあんまり。
ミミハムココロ:
普段の会話もちゃんと聞かれてるんですか、中澤さんは。
中澤一世:
んー、集中力持つ限りは。先輩の話は大体聞いとうかな、「先輩の奥さんとどこで知り合ったんですか」とかって。あの、とっつきやすい話とかかな、大体は。大体聞くかな。
ミミハムココロ:
ではですね、「これやらないと死ねないな」みたいなものはありますか?
中澤一世:
むっず(笑)やっぱ海外旅行に行ってないとこ、あと2、30か国は行きたいね。それぐらいかな、一旦は。
ミミハムココロ:
どうして海外に行かれたいんですか?
中澤一世:
やっぱり気分転換に一番良いっすよ海外って、っていう曖昧な回答でいいんかな。別にフランス語喋れんでもフランスには行けるって感じっすね。まあお金さえあれば何とかなるか、みたいな。
ミミハムココロ:
もしも海外で今から住んできていいよって誰かに言われたら、どうしますか?
中澤一世:
あ、行くね。即答やな。
ミミハムココロ:
旅行じゃなくて住むっていう形でもですか?
中澤一世:
何年かによるかな。カナダの1年でもどんどん飽きてくるから、限界効用逓減、生活リズムって定番化してくるし。「何年ですか?」って一応聞くね。期間によるかな。もうなんか「半年そこおれ」って言われたらしんどいし、みたいな。2週間とかやったら嬉しいかな。「3ヶ月出張してきて」とか、「どこどこの国のどこどこの会社でタクシーしてきて」とか。「ちょっと足りてないから」と言われたら「あー、行きます」やね。「5年行ってこい」やったらちょっと僕もためらうんじゃないかな。
ミミハムココロ:
日本で「今からこの場所に5年住んでくれ」って言われたらどうですか?
中澤一世:
うーん、場所によるかな…でも行けるんやったら行きたい。そのあんまりにも僻地じゃなければ。一応「それ何ヶ月ですか?」って聞くね。やっぱ日にち大事かな。
ミミハムココロ:
それはやっぱりマンネリ化ってのが。
中澤一世:
やっぱりみんな、みんなっていう言い方はよくないか、飽きてくるじゃないすか、生活に。そこには抗ってないんで、やっぱいろいろ住民票とかは変えたりする。飽き対策、飽き対策で。みんな結婚してローンを組んじゃう人が結構まだおるから。土地に縛られるんはあんま好きじゃないかなっていう、僕はですけど。人によるけどね。
この活動って何年ぐらいされてるんですか、無名人。
ミミハムココロ:
これ自体は2020年ぐらいから。
中澤一世:
あ、最近っちゃ最近か。
ミミハムココロ:
そうですね。
中澤一世:
何人ぐらい面接、面接ちゃうわ、雑談聞いとんのすか。
ミミハムココロ:
それこそほんまに、団体としては何百人、何千人ぐらいいってるんじゃないですかね。僕は最近入ったばっかりなんすけどね。
中澤一世:
最近!
ミミハムココロ:
はい。
中澤一世:
質問って何項目ぐらい用意されとんすか、1人に。
ミミハムココロ:
決めてないですね。だから、それこそ流れで今も聞いてますね。
中澤一世:
そうか、分かりました。そんな感じなんや。
ミミハムココロ:
その「集団向いてなさそう」って言われたって言ってたじゃないですか。それは今でもそう思いますか?
中澤一世:
「でしょうね」と思いますね。友達が今…しょっちゅう飲みに行く、3ヶ月に1回飲みに行く子が1人で。それ以外はもうおかんとたまに飯行くぐらいやから。やっぱいない方かな、どっちかって言うと友達はあんまり。だからそんな感じかな、あんまり少ないみたいな、今思うと。
ミミハムココロ:
その友達ってのは割とずっと続いてる友達なんですかね?
中澤一世:
長いよ、5年半ぐらいか。タクシー最初就いて、名古屋から来ましてイベントで、イベントでこの地域来ました言われて、「あ、そうなんや」って。そっからやから長いよね。で、5年間連絡取っとんのもその子だけやから。まあ長いよね、その子ぐらいかな、誕生日も祝ってもらったし最近。嬉しかったですけどね。
ミミハムココロ:
過去はご両親とあんまり話さなかったっておっしゃってたじゃないですか。でも今はよく話すっておっしゃっていて。そのよく話すようになってからの気分としてはどうですか?
中澤一世:
気分かあ…でも、やっぱり年齢っていうか社会人なってから何十年も経つけど、丸くはなったんちゃうかな。トゲトゲしとったし、やっぱ昔なんて。やっぱオカンとオトンと喋る時とか、普通に雑談はできるようになったかな。「時給なんぼなん」「怒られたん今日も」とか普通の会話。店たたんでからの方がやっぱ仲良しなった。
自営業夫婦はあんまりおすすめせんなってのは正直思うけど。仲良かったらええけど。別れてからのがやっぱお互い会話増えたんちゃうかなっていう。あ、別れてからじゃなくて店終わってからもう違う仕事従業員でやってるけど、そっちの方が正直両親楽しそうやから。もう自分の好きな車で通えて、オカンもオトンと離れてなんか割と幸せそうやし。まあ何とも言えんけど、今の方が良い状態じゃないかなって思いますね。
ミミハムココロ:
もしもですね、タクシードライバー以外の仕事に就いていたらどういう生活やったなと思いますか?
中澤一世:
転々としとんな、多分。人間関係であいつが嫌でとか、辞めてまた派遣かアルバイトか。で、また転々としてあいつ合わんな…そんなんちゃう。で、月収16万ぐらいでなんか右往左往しとんちゃうかな。そんな感じちゃいますかね。急に人生って変わらんからな、やっぱ。
ミミハムココロ:
変わらないですか。
中澤一世:
まあ変わらんすよ、多分ね。そんな急に宝くじなんか当たるわけないからね。リアクションしづらいけど、そんな変わらない。やっぱ日々の積み重ねの延長やからなあ。
ミミハムココロ:
自分自身も昔から変わらないなと思いますか?
中澤一世:
どうやろ。できることが増えてから、本もやっと買うようになったしね、最近。そっからかな。なんか昔とちゃうな、ボキャブラリーもだいぶ増えたなとか言って。その代わりタイミング難しいけど、使う時。
ミミハムココロ:
難しいですか。
中澤一世:
難しいですよ、雑談なんでね。その話題にならんとあかんから。やっぱ本は読み方もむずいっすよね。鵜呑みにしたらあほなるし、読んどうだけやったら何とも言えんしっていう。使い方も大事かなと。
ミミハムココロ:
タクシーで「しっかり聞く」っておっしゃってましたけど、そのために何か心がけてることとかはありますか?
中澤一世:
しっかり聞くために心がけている…あ、質問をする。聞いて「それどういうことなんですか?」とか。「感想言うていいですか」とか。感想言うていいすかって概念はないか。「それってこういうことなんすか?」とかって聞く。聞く、とにかく。それは大事にしてるかな。
ミミハムココロ:
それはもう無意識的にずっと出来てきたのか、誰かに教えてもらって意識するようになったのか。
中澤一世:
いやでも、タクシーってやっぱ行き先聞かなあかんじゃないすか。勝手にアクセル踏まれへんから、その延長ちゃいますかね。無意識というか勝手になっていたというか、無意識になるんかな。聞かんと、聞いてというか。ミラー見て眠そうやったら「喋りかけたらあかんな」とか、雰囲気がね。会話を聞いとって「あんま喋る気ないな」とかって左耳がどんどん分かってくるから1、2回の壁当てで終わったりもあるし。雰囲気かな。3分ぐらいで大体クロージングに入るかな、「黙っとこう」とか。
ミミハムココロ:
タクシーのドライバーをしている中で心がけてることとかありますか?
中澤一世:
どういうこと…「安全運転で事故なく帰ること」だけ。それぐらいかな。
ミミハムココロ:
特に別にタクシーの印象を良くしようとか、そういうのはないですか?
中澤一世:
印象、まあどうやろう。良いに越したことはないけどね。やっぱり乗ってる人がじいちゃんやから。じいちゃんの頑固もんがおるから。どうしても圧倒的に絶対値は悪い方に傾くかな。良くはならんと思いますね。良くなってほしいですけどね。
ミミハムココロ:
良くなってほしいですか。
中澤一世:
そうやね。良くなってほしいし、今時の税理士とか、例えばね。プロ野球選手が戦場変えて終わった後に就く普通の仕事やで、ってなってほしいですよね。プライドを捨てたら別に良い仕事やのになと思いますけど。
ミミハムココロ:
今のところはタクシードライバーを続けていきたいなって感じですかね?
中澤一世:
うん、そうやね。今んところは特段他のスキルも無いし、他の畑行ったらまた変な人と交差して辞めるやろうから。下手に動くと事故するから、内容は変えず会社を変えるかな。なんか一応、来月か再来月ぐらいには違う会社行けとったらいいなって感じ。分かんないけど。
ミミハムココロ:
そしたらですね、最後言い残したことでもいいですしインタビューの感想でもいいです。もしくは遺言でもいいです。何か1つ、いただければ。
中澤一世:
本当は楽しいことをもうちょっとしっかり見てほしいなっていうのがあるね。仕事自体は本当は楽しいのに、やっぱりちょっと斜めに見とう人が多すぎかな。だから、しっかり二種免許を捉えてみてはどうかっていう、それぐらいすね。
あとがき
中澤一世さん、ありがとうございました。
タクシーの運転手ってここ最近すごく注目が当たっている職種な気がします。作品で言えば『ちょっと思い出しただけ』とか『First Love 初恋』がありますし、ニュースでもよく取り上げられてるのを見ますしね。なんでなんですかね。あと、京都市内とかは少し前と比べると本当にタクシーが捕まらなくなったなあと感じますが、今って運転手不足なんですかね。
タクシーの運転手って運転が好きな人に向いてる仕事なんやろなあとか思ってたんですけど、今回話を聞いてみて思ってた以上に会話スキルも大事なんだなと感じました。言われてみれば確かに納得です。タクシードライバーに限らず美容師さんとかもそうなんですけど、彼らは「このお客さんは話をしたがっているのか黙っててほしいのか」というのを見極めるのが本当に上手いなと思います。
まあ最近は予約の段階で「雑談してほしいかどうか」を選べる美容院も増えているらしいので、タクシードライバーの方がいまだに腕を試されている気がしますね。ちなみに僕は常に話しかけないでほしいタイプです。座るやいなや眠りについて、起きた時には散髪も移動も終わっているというのが理想です。
【インタビュー・編集・あとがき:ミミハムココロ】
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