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無名人インタビュー:スピリチュアル商法の裏側についてプロの易者さんの人に聞いてみた

黄玉さん回。おうぎょくさん回。黄玉さんは占い師。実は私の有料サークルにも入っていただいた時期もあったのですが、そこのサークルで、先日アップしたそんりちゃんのインタビューに出てきた、毎日の自分の愛の量を日記にしたらという企画を実際にやっていたわけですよ。[love365]という企画タイトルで。そこでべっちゃべちゃぐちゃぐちゃの私の恋愛感情をぶちまけた結果、はあとがきで書きます。
黄玉さん回、けっこー占いについてつっこんだお話できて良かったなって思ってます。人商売だよねほんと。楽しんでー、いただけたならー、もっけの幸い。

今回ご参加いただいたのは黄玉さんです!
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1、ぜいちく

qbc:ご応募ありがとうございました。インタビューのどのあたりに興味をもっていただいたのでしょうか。

黄玉:私、最近note始めたばっかりなんですけれど、2個目に書いた記事に「スキ」が付いて、この方、どこで記事を見つけてきたんだろうなって気になってqbcさんのページに行ってみたんです。そうしたら無名人インタビューというのを見つけて。面白そうだなって感じました。

qbc:どんな面白さを感じたんでしょうか?

黄玉:ノンフィクションの面白さですね。「クーロン黒沢大好き!」っていう方のインタビュー読んで、なかなかブログとかでは読めない内容だなと思って。

qbc:あの人は変わった人生ですよね。普通の人生ではないですね。

黄玉:あとチョコレートの。これはふつうに飲食のコラムとして面白かったです。

qbc:あの人も変わってますね。
黄玉さんは、どんなインタビューにいたしましょうか?

黄玉:私は、インタビューより、訊きたいことがたくさんあって、それで申しこみました。
私の記事は、どうやって見つけられたんですか?

qbc:たぶん、スピリチュアルタグじゃないかな。こないだインタビュー公開した人にスピタグつけてたので、たぶんそれで。

黄玉:その人、興味あります。どんな人ですか?

qbc:きらさんっていう人。

黄玉:そのインタビュー記事も読みました。それで、qbcさんは私に何を聞きたいですか?

qbc:そしたら、今、何をされている方なんですか?

黄玉:職業は占い師です。鑑定だけで仕事しているわけじゃなくて、大半は占いライターっていう仕事なんですよ。今日のあなたの運勢は何とかですとか、占い配信アプリの文章を書いたりですとかですね。そっちがメインです。

qbc:何年ぐらいやられてるんですかね。

黄玉:占いの仕事自体は、もう高校生ぐらいからはじめて。

qbc:えーそんなに?

黄玉:はい、今私39歳なんですけど。20年ぐらいやってるってことですね。

qbc:何占いがベースなんですか?

黄玉:最初はタロットとかやってたんですけど、今は筮竹です。わかりますかね?

qbc:ぜいちく? わからないですね。

黄玉:映画とかで易者さんが棒をジャラジャラってして占うじゃないですか、あれです。

黄玉さんのサイトを見るとわかりやすいです!!

qbc:なるほど。タロットをはじめたきっかけは?

黄玉:もともと小さいころから占いとか神秘的な分野が好きで、たまたま占いの本でカードが付いてるやつがあったんですよ。
それをやってみたら、なんとなく当たってるんじゃないかって思いまして。それで周囲の人たち、家族とかを占うようになったんです。
それから、いきなりプロとして活躍できるわけではないので、ずいぶん長いこと、匿名掲示板で誰かを占って練習してました。

qbc:掲示板でどうやって占うんです?

黄玉:「私のこういう悩みを占ってください」って誰かが書いて、私含めてみんながそれに答えて占いの結果だけを書きこむんです。
それで、当たってたとか外れてたとかレスポンスが返ってきて、ちょっとずつ検証もしていくって感じです。

qbc:お悩み相談者は、どれくらいの情報を出してくれるんですか?

黄玉:今こういう感じで悩んでますとか、生年月日とか、

qbc:ほとんど生年月日で占う感じ?

黄玉:私、生年月日いらないんですけど。

qbc:インスピレーションだけ?

黄玉:インスピレーションだけじゃないです。この人を占うって決めてから、そうですね、筮竹って数を数えて占ってるんですよ。

qbc:あ、そのころから筮竹だったんですね。

黄玉:そうです。noteをはじめたのは、ホームページのリニューアルをしようと思ったんですが、今までのWordPressのサイトが、更新のたびにエラーとか出て、手に負えなくなりまして。
それで、ブログサービスならメンテナンスがいらないじゃないですか。それでnoteってどうかなって感じで、今やってみているところです。
はてなブログもやってみたんですけど、あれ、ちょっと人が少ないっていうか、あんまり手応えが感じられなくて。

qbc:はてなはインターネット大好きな人が使うもので、一般人が使うサービスではないですからね。
それで、どんなもんだったんですか? 匿名掲示板でやる占い。

黄玉:顔も見えないから、先入観なくて占いやすいですね。占いで大事なのは先入観を持たないことなんですよ。例えば占い師ってコールドリーディング使ってるんでしょ、みたいに言われたりするんですけど、そうじゃないんですね。
相手がどういう服装して、どういう声でとか、余計な情報なんです。
匿名掲示板は、外れてもタダだからしょうがないか、みたいな感じなので、占う私のプレッシャーがゼロなんですよ。だからまあ、やりやすかったですね。

qbc:無名人インタビューも顔なしなんですが、余計な情報を入れたくないんですよね。
私は話を聞きながら相手の方に合う物語を作っていくので、見た目があるとちょっと邪魔なんですよね。

2、占い稼業

qbc:タロットから始めて、易占いに移行した理由ってなんだったんですかね?

黄玉:タロットっていうのは現在の心理がよく出てくるんですね。だから恋愛問題には強いんですよ。あなたはこう思ってるのね、みたいな。
ただ、恋愛問題って白黒はっきり付けさせすぎてはいけないんですね。たとえ、その二人の関係がどんなに悪くても、女性って相手のことが好きだと「相手、ダメ男だから別れたら?」みたいなことあんまり言われたくないんです。
だからタロットで曖昧でフワッとした感じの占いをやってたんですけど、個人的にはそれだと黒か白かはっきりしたいっていうときに、あまり使えないなって感じたんです。
一方で、東洋系の占いっていうのは大体結果がきっぱりと出るんですよ。これは吉だからどうとかこうとか。それで、易占い、易者の占いを勉強してみました。

qbc:おもしろ! 占いにもそういう個性があるんですね。易にスイッチしたのは何歳ぐらいのころですか?

黄玉:易占いを勉強しはじめたのは大学生のころです。

qbc:どうでした? そっちの方に行って。

黄玉:あまり売れない、人気のない占いですね。

qbc:そうなんですね。ビジュアルではすごい見たことあって、占い感つよつよですが。

黄玉:易のほうが、私の性格に合ってるんですよ。私、性格があんまり癒し系ではないので。

qbc:なるほど。どういう占いになるんです?

黄玉:現状分析をして問題点を指摘して、こっちはこういう要素があって、あっちにはこういう要素があるんですけど、それはあなた次第ですよ、みたいな。
ちなみに、無名人インタビューで占いの方って、もう出てます?

qbc:あー、いますよ。占いライターさんですが。対面はほとんどやったことないんじゃないかな。
だんなさんが飲食店やられてて、そっちがテーマだったんで占いの話はあんまりしてないんですが。

黄玉:私は、占いの館とか占いの部屋みたいなとこで働いてたことがあるんですね。そこへ来るお客さんていうのは、ものすごい幅が広いんですよ。
だからすごい勉強になるんだけど、自分と合わないお客さんもすごい来るわけです。だから失敗する確率もおっきいんですよ。
自分のWEBサイトに来てくれる人だったら、ブログとか記事読んで、「あ、この人合いそう」って思うから来るわけで、すごい成功確率が高いんですね。相性良くできるということで。
占いの館は、合わないお客さんが多くてしんどかったです。なので今はWEBだけにしてます。でも変化が大きいのはやはり対面ですね。勉強にもなりますし。

qbc:合わないっていうのは、感覚的にはわかるんですけど、具体的に言うとどういう感じなんですかね?

黄玉:私もよく考えてるんですけど、まだ答えが出せてないところがあって、人間的に相性が合うとか合わないとかじゃないんですよ。

qbc:あ、人間の部分じゃないんですね。

黄玉:そっちじゃないです。例えばヤクザみたいな人でも、ピタッと相性が合ったら向こうも「おお」って感動して、私も占えて良かったなっていう感じになるんですよ。
すごく礼儀正しい人でも、フィーリングが合わないなとか、こっちの言葉伝わってないんじゃないかなとか、そういう感じなんですよ。自分と相性の合う人だけをあらかじめ生年月日で占って、それで合う人だけを占うって先生もいますよ。

qbc:へへー、面白い。それだけ相性って大事なんですね。私、占いは好きなんですよ。
ほんと、合う合わないで全然違うんですよね。お互いに引きだされるものが違ってくる。そもそも、占いは当たる当たらないじゃないし、全然。

黄玉:そうです、当たる当たらないじゃないです。

qbc:カウンセリングともちょっと違ってて、その占い師さんと話した時間から先が未来へ伸びていくというか、急激にポジティブな気持ちになるためのものなんですよね。
もう完全相性だと思ってます。おっしゃる通り、人間性とかじゃないっぽい。

黄玉:ここが不思議なところで、最初ガサツな態度というか、占いなんて当たらないだろう、当ててみろみたいな態度の人って、いるんですよね。でも、相性が合ってると、向こうの考え方が急にガラッと変わっちゃったりするんですよ。

qbc:やっぱ占いは面白いなあ。対面はどれぐらいやられてたんですか?

黄玉:対面は3年くらいかなあ。疲れることもあったし、そのころは自分の進路に悩んでたんですよね。占いの仕事って保証がないじゃないですか。
だから占いっていうのは趣味程度にしといて、普通の仕事で稼いだほうが良いんじゃないかなって思ったんですよ。そういうこともあって、対面は辞めました。

qbc:対面で稼げるのなら、対面だけでも良かった?

黄玉:いや、良くはないですね。対面の占いで稼ぐには、コツがあるんですよ。一人の人を1時間、2時間って長時間引っ張るのが良いんです。
例え同じくらい儲かっても、1人を3時間と、3人を1時間するんじゃ、しんどさが違います。相手のフィーリングに合わせないといけないから。
だから、引き伸ばし作戦がうまくないと、対面はできないです。

qbc:なあるほどねえ。どんなもんでも商売にはクセがあるのね。

黄玉:あと、私の占いのスタイルは、結論をパッと言って、短時間でパッと占うんですよ。もちろんお客さんの話を聞きますけれど、引き伸ばさないんですね。
その自分のスタイルだと、対面に合わないんですよ。でもメール鑑定とかだと、別に引き伸ばす必要はないし。そうですね、話術の問題です、話術の。

qbc:で、今に至ると。

黄玉:普通の職場に働いてたりしたこともあったんですけど、やっぱり独立したくて。
独立するにはやっぱり占いかなって。完全に今のスタイルになったのは、2015年からですね。占いライター+占い師です。
もうちょっと、占い師がどうやってお客を取るのとか、聞きたいですか?

qbc:もっと別のことが聞きたいですね。占い師さんって、普段は聞き役じゃないですか。どうです? 立場の変わった今のお気持ち。
ちなみに私は、聞かれるの苦手なんですよ。嫌なんですね。恥ずかしくなっちゃう。

黄玉:でも、占い師も質問に答えますよ。占いでも、お客さんが私に聞きたいことはあるんですよ。占いでも聞き役ばっかりじゃダメなんですよ。お客さんから何か聞かれたら、全部素直に答えます。

qbc:なるほどねえ。けっこうインタビューと共通点ありますね。
占いは、どれくらい時間をかけますか?

黄玉:メール鑑定だと、占ってから文章全部書くまでに40分くらい。でも修正とかして、でも1時間はかからないですね。

qbc:さっき言いかけてた、お客さんの呼び方は?

黄玉:電話占いなんかの会社に所属してたら、一応お客さんは来るんですよ。そういう窓口を使った方が、お客さんも安心感があるんじゃないかと思ってます。

qbc:確かにいきなり個人サイトは怖いですね。

黄玉:かなり占い慣れしたマニアックな人しか来ないですね。

qbc:初めて占いするような人には、ちょっとハードル高いですよね。

黄玉:そうそう、最近LINE占いとかありますよね。あれね私はやらなかったんですが。手数料がね、これ言って良いんかどうか。あかんのかな。
(ここの詳細情報はヒミツです。LINE占いは、電話占いより取り分が少ないということを語りました) 

qbc:そんな持ってくんだ。

黄玉:持ってかれます。占いの電話会社の時も、対面も5:5の折半でしたね。でも個人でやるとお客が来ない。このジレンマですね。

qbc:LINEから個人サイトに引っ張るっていうのは?

黄玉:それは絶対ダメだと思いますよ。無理無理。

3、当たるも八卦、当たらぬも八卦の意味を知ってる?

qbc:占いの勉強は? 誰か先生についたんですか?

黄玉:先生に付いてやる方も多いんですけど、あと占いの学校へ行ったりとか。学校っていうか占い師の先生が開催している教室です。
そういう方もいますけど、私は、易を専門に教えてるってところがそのときは見つからなかったんで、自分で占いの本を買ったり、ネットでこういう占い方をしましたみたいな例を参考にして勉強したり。あとはもう実地ですね。

qbc:そもそも、筮竹という占いはどういう占い方をするのですか? 数を数えてってお話でしたけど。

黄玉:まず筮竹を一本抜いて、それを取り分けといて、残ったやつを2つに割ります。2つに割るというのは手でやるので、右と左に何本ずつ何本残るかはランダムなんですよ。
それでそれぞれの数を数えて、どの数がどういった意味があるのか、というのがあるので、それで占います。タロットでいうと、カードの意味みたいなものが数字にあるんですね。
インタビュー面白くなってます?

qbc:え、インタビューは大丈夫ですよ。ご安心ください。それで、分けて、その数で吉凶を判断すると。

黄玉:そういうことですね。数を数えてるんで、そうです。

qbc:例えば、今、遺産で土地を持ってる。この土地を不動産屋さんから買い取らせてくれませんかって提案されている。これは売るべきかどうかみたいな占いあるとするじゃないですか。
それで筮竹を2つに割りますよね。それに対してどういう判断を下すんですか?

黄玉:2つに割って、数を数える、1から8までの数字があって、それぞれに対応した「こういう卦が出ました」って意味があるんですよ。
その卦、からどう考えていくかっていうことなんです。

qbc:左の方が多いと、こういう卦です? という意味づけ?

黄玉:左が多いとか、左右差じゃなくって、左でつかんだ数が何本かっていうことです。結局、数え方はどうでもよくって、陰か陽かっていうことです。
黒か白かってイメージして、黒がどれだけあるかとか、白がどれだけあるかっていうことで、占い結果が変わってくるんです。
例えば、その土地を売るべきかどうか。その人の状況に応じて占うわけですけど、この卦が出たらこうっては決まりはないです。大体そういう傾向はあるかもねっていうことですけど、いつでもそのやり方が通じるわけじゃないです。

qbc:「け」って「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の「卦」ですよね?

黄玉:そうですね。タロットカードのカードと同じってことでいいです。

qbc:あー、型みたいな。じゃあ型である卦の意味はあると。

黄玉:そうです。タロットカード引くのも、筮竹で占うのも、方式的には変わってないです。

qbc:イメージして、話を聞いて、受け入れて、その結果導きだされた卦で何かを見るのは同じ。なるほどね。

黄玉:あと、最近、心理カウンセリング的な問題がすごく大きくなってきたんですね。
私が初心者だったころは、この恋愛がうまくいくかどうか、ただ結果だけを当てれば良かったんですよ。でも最近は、このお客さんの現在は過去のトラウマ的なやつが影響してるなとか、結婚したいとは言ってるけど本当の望みはそこじゃないな、というのが出てきて。
出てきてってというか、扱えるようになったということかもしれないんですけど、それがものすごく難しいんです。どうしましょう。

qbc:あー白黒はっきりつかなくなってきてどうしよう問題?

黄玉:白黒はっきりはつくんです。けど、その奥に別に何か隠れてる問題があるんですよ。
例えば、婚活がうまくいかないの一つとっても、原因は別にある。ただ婚活パーティに出席すれば良いよではなくて、その人の心のブレーキみたいなもんがあって、それを認識してもらわないと問題の解決にならない。
潜在意識とか言いだすとすごく怪しいんですけど、やっぱ、ああいうのありますわ。カウンセラーの人の本にあるような、インナーチャイルドとか、トラウマとか、なぜか自分が自分で自分のトラウマの状況を再現してしまうとか。
いや、本当にありますわ。っていうのが実感ですね。

qbc:それは、突然湧きあがった問題ではないと思うのですが、昔は気にしていなかったということ?

黄玉:初心者のころは当てるのに精一杯だったからです。
お客さん側がなぜ問題を抱えているのかっていうのは、昨日や今日の問題やないんですよ。例えば就職でいつも上司とうまくいかないとか、なぜか遅刻してしまうとか、それはもうずーっと昔からの問題が積み重なってて、正直言うと、占い1時間じゃ解決できないんですけど、できるだけ、こうじゃないですか? っていうヒントは提示するんですけど、向こうが受け入れる態勢になってないと、聞いてもらえないんですね。
で、なんか、「当たらないな」っていうことで物別れしてしまうこともあって。

qbc:あー冒頭で話したきらさんも同じこと言ってましたよ。あの人は普通に個人事業主さん対象のコンサルタントをしているんですけど、セラピストさんとかマッサージの方とか。
きらさんはもうスポットは受けない。お試しで1回はアリだけど、継続しか受けないって言ってた。

黄玉:はいはいはい。あー。わかります。

qbc:半年から一年の継続しかやらんって。1回じゃ結果は出ないから。
で、きらさんはもうコンサルじゃなくて、遊ぶだけって言ってた。

黄玉:遊ぶ?

qbc:一緒にご飯食べるとかそういうレベルになってるらしいのね、コンサルティングじゃなくてね。とりあえずこの人と楽しく遊ぼうとか、そういうレベル。
これは占いとは違ってくると思うんですけど、そういうことだって。
問題の解決ってことを求めてるわけだから、相談相手の問題が何かを分かってなくても、すっきりすれば解決の糸口見つかっちゃうんですよね。

黄玉:大体は、すっきりすれば解決しますね。

qbc:そうですね、すっきりすれば解決するんですよね。

黄玉:そう。例えば、いつも辛い恋愛をしてしまうんですとか、なぜかダメ男を選んでしまうんですとか、よくある聞いたことある話ですよね。でね、それは目の前の男性を相手にしてるんじゃなくて、過去の兄弟関係が悪かったり、お兄ちゃんにいじめられたとか。そういうことを投影してるんじゃないかなとか。
でも、そこを指摘しまうと、「なんで家族関係のこと言われるん?」みたいになるんですよ。

qbc:お兄ちゃんとの関係が悪かった人というのは、お兄ちゃんとの関係を、別の人で良くしようと思ってるんですか?

黄玉:お兄ちゃんが乱暴者で酷かったとしたら、どこかいつも自分に辛いことをしてくる男性を選ぶ。または自分がそう仕向けている。
たぶん過去を乗り越えたいんじゃないかな、お兄ちゃんとの戦いでは負けたけど、今度はもっと別なことをするとか。そういう男女関係のパターンが、人間関係のパターンに縛られたりする。男性ってこういうものとか決めつけてるうちに、行動パターンも固定されちゃってる感じかな。

qbc:人間関係のパターンって、実は人間、複数持てないんですかね。

黄玉:一度身につけたパターンが、自分に馴染みすぎて離れないって感じですかね。
あるいは、お兄ちゃんとの関係が悪かったことを認めたくないからかもしれない。つまり、恋愛が、お兄ちゃんとの問題から目を逸らすための道具になってる。
お兄ちゃんとの間にある問題を解決せずに、別の人で解決しようとしている。たぶん、本人は、なぜかお兄ちゃんとの問題に向き合いたくない。お兄ちゃんとの問題のことで悩むより、なんか婚活がうまくいかないわーっていう方が簡単なんですよ。

qbc:なるほどね。面白い。

黄玉:ただ、それを、いきなりその問題を提出しても、なかなか1時間じゃ向き合う余裕がゼロ。

qbc:そうだよね、婚活の話をしてきてんのに、なんの話ってなっちゃいますよね。

黄玉:そうそう。それはあなたが前世でこうしたから、とか言うほうが簡単なんですよ。

qbc:あああー、そういうことかそれがスピリチュアル商法の正体。

黄玉:簡単って言ったら簡単なんですよ。そっちの方が。

qbc:理解のしやすさって意味では簡単ですね確かに。なるほどね。

黄玉:簡単なんですけど、それやっちゃうと、前世っていうシステム、考え方に囚われてしまって、ますます泥沼になるような気がしてならないんです。

qbc:そりゃそうでしょ。前世システムなんて、不可知の領域を問題解決の基盤に持ってきたら、なんでも記憶のブラックボックスのせいにしちゃえるから。
インタビューやってても、そのブラックボックスの中身の再配置、聞くの再構成っていうのは意識してます。過去の話をインタビューで聞いるときに、明らかにバイアスのかかった感情記憶を持った人もいるんですよね。
母親が厳しい人でぜんぜん私の言うことを聞いてくれなかったんです、みたいなのをえんえんと繰り返す人。

黄玉:はいはい。

qbc:だから、そういう人には、私はそうは思わない、こう思うよ、とはっきり言います。カウンセリングではないので積極的にしているわけではないですが、それでネガティブな過去がポジティブに変わったりするんですよね。まあその場の雰囲気に流されてポジになっちゃってるだけなのかも知れませんが。
自己暗示の強制力は強いけど、それを維持する力は、他人から見ればあんがい弱いもんなんですよね。で、私としては、そうすることでインタビューという物語のエンディングを操作したりする。

4、話の果てに

qbc:ああ残り10分。今後、こうしたい、みたいなことがきけたらなって思います。

黄玉:占いの面白さっていうのは、人間の面白さです。人の心ってもうまったく違う。
その人の心に直接触れられる方法のひとつが占いです。すごく手っ取り早い。

qbc:むしろ、他人の心に興味を持ちにくい感性の人間というのは、進化的に生き残りにくいのでは、くらいに思いますね。淘汰圧に負けそう。

黄玉:これからどうして行きたいかですけど、きらさんの話を聞いて、時間が絶対的に足りないと思いました。本気で占いを受けたい人がいたら、そういうコースを用意してみるのもいいかなと思いました。
あ、それで、最後に私に何か聞きたいことないですか?

qbc:言い忘れてしまったことなどあれば。

黄玉:正直言ってしんどいんです。カウンセリング的な占いをするのが。

qbc:しんどい!

黄玉:しんどい。メチャクチャしんどい。
だけど、お客様の問題が解決すると、自分自身も楽になれるんですよ。ちょうど鏡みたいなものなんです。だからお客様の心がリラックスするということは、私にとってもすごい心理的なメリットがあるんですね。だからもし来てくれる人がいるなら、精一杯やらしていただきます、って思っています。

qbc:あー、なるほど。そうなんですよね、黄玉さんはすごく真面目な方なんですよね。白黒はっきりつけたいところとか。だからお客様の心の中にすごく入りこんでしまう。
占い師さんによっては、入りこまずに流す人もいるでしょう。

黄玉:あ、いますいます。楽ですもん、だって、そっちのほうが。

qbc:結局、お客さんと自分が運命共同体になってしまったら、そんなにいっぱいのお客さんを抱えられなくなるんでしょ。
スポットで運命共同体状態になって5人を1時間ずつ回せみたいなの、死んじゃうじゃう。
この無名人インタビューも、オンラインでやってなかったらたぶんきついかも。気持ち悪くなっちゃいそう。リアル対面だと、表情も気にしなきゃいけないし。

黄玉:あー、そう。リアルは、演技者にならないといけない。パフォーマーになるから。

qbc:そう、それも必要になる。
まあ顔が見えないことで不安に思っちゃう人もいるかもしれないけど、演技しなくていいストレスからの解放というのもあるのですよ。

黄玉:そうですね。インタビュー記事で、本人の文章より面白いことがありますね、ちょっと失礼かもしれないですけど。

qbc:そうですね、noteに素顔が出しきれていない人もいますね。

黄玉:あの、小説の感想言っていいですか?

qbc:え、今? ぜんぜん大丈夫ですよ。全然うれしいです。

黄玉:読む人っていう人が紹介してた3篇を読みました。

これですわなあ。あらためてありがとうございました!

黄玉:詩に近いというか。読者にわかってくれよっていう感じがあんまりなくて、そこが詩っぽいなって思って。
あとね、相手に、これが俺のストーリーだ、面白いだろうみたいなエゴがすごい少ないですね。登場人物もギラギラしてなくって、独特な小説だなって思いました。

qbc:ありがとうございます!

黄玉:読む人さんが、ディスコミュニケーションの物語って言ってたけど、まさにそうだなって思いましたよ。作者も登場人物も、そこまで対話っていうのを押しつけない、良い意味で押しつけない。あんまり無いタイプの小説だなって思いました。

qbc:でも、人間関係のリアルなんて、あんな感じじゃない? 私から見えてる人間関係って、あれなんだけど。

黄玉:え、そうなんですか? えー? あれ、ちょっと殺伐っていうか、すべてが未完了に終わってて、何も言えてないみたいな。え、これを小説で書いちゃう? みたいな。

qbc:ああいうことばっかりじゃない? 人間関係って。

黄玉:まあ、リアルっちゃあリアルですけど。もっとこう、愛を告白したいとか、そういう欲望ないんかなって思いました。

qbc:愛を告白したとしても、伝わってなかったとかの方が多いでしょだって。さっきの占いの話だってそうじゃないですか。1時間ぐらいじゃ伝わらないとか。

黄玉:ま、そうですね。

qbc:コミュニケーションなんて成立するわけないんですよ。迷信です。その瞬間、何かしら会話が交わされたとしても、伝わってない。誤解のまますれ違って、誤解のまま和解して、結婚して、誤解のまましあわせになってお互いすれ違ったままで死んでいく。

黄玉:ちょっとリアルなこと言わないでくださいよ。そういうカップル、いっぱいいますよ。

qbc:私はそういう本当のことが書きたいと思ってますよ。

あとがき

でね、冒頭の続きなんですけど、私の中で必死に必死に毎日の自分の愛の量を書きまくったんです。あの子が好き、大好き。でも今日はちょっとうまく話せなくてそんなに好きじゃないとか。
で、調子に乗ってサークルzoom飲み会までやって、その恋愛報告をしたんです。でも、そしたら、ボロカスに言われて。サークルの参加女性6人くらいに囲まれて、qbcさんそんな恋愛とかないわーって。最悪でした。そして、言われた挙句みんな離れていったサークルから。だから、私みたいな、露悪タイプはやらんほうがいいですわ、love365。

と、いうことで、占いは大切なものです。
占いとはつまり、自分の中にないもの、今までにないもの、既存の中にはなかったものを引きだすためのツールなんですね。占いを、ロマ、この世の外の人たちが担っていた事実も重要ですね。既存の世界から離れるための道具なわけです。
芸術家、小説家のお仕事というのもそういうことだ。
そういう意味で、私の小説が黄玉さんにふれたのも分かるな。占いと小説は機能としては一緒だったんだな。

でね、西洋医学の内科医さんのインタビューで聞いたんだけど、けっきょく再現性のある理論って、やっぱり希少なわけです。世界のいろんな問題に対応しきれない。だから、再現性は保証されてないけど、なんとなく治るかも、という療法は必要。
その再現性は保証できないけど効果があるかもしれない、ということのひとつが占いであり、スピリチュアルなんだなと。もちろん再現性がないからサギ行為に使われやすいんだけれども、それでもまあ必要だよ。これこそナラティブなんだなと思う。
ロジックでカバーしきれない部分+スピリチュアルでカバーしている部分の総体がナラティブなんだろうなあと。
社会を希薄にさせないためにも。

編集協力:有島緋ナさん

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