【雑記】小説を書く上で大切にしていること

1)分かりやすいか?
→ 分かってもらうために書いているか?
※ 中身が難しければ、読者と作品の橋渡しにさりげなく説明役を置け。

2)理屈は通っているか?
→ 一つひとつの文に、なぜその文が書かれたのかの理由を説明できる一文が、その作品内中にあるか。
※ 作品にいらない一文はいらない。

3)文間、行間は意識されているか?
→ 名ドラマーは一番大事な音を叩かない。読者は書かれていない内容を読み取ることができる。
※ 脳の認知をなめるな。人間はこれが理解できる。「こんちには みさなん おんげき ですか?」

4)文間、行間の間合いを、展開に応じて変化させているか?
→ 指導者たちは、キーメッセージを伝える際には低い声を使う。
※ 展開は道路。文は車。作者は運転手。読者は助手席に乗った恋人。良いドライブを。

5)生々しいか?
→ 読者の生理現象を引き起こす表現ができているか?
※ 「角膜の上に針」という文を読むと読者は嫌な気持ちになる。どきどきさせろ。

6)動詞はあるか?
→ 3行に一度は動詞があるか?
※ 退屈するために作品を読む人はいない。

7)日常的か?
→心理はデフォルメされていないか。
※ 異常な状況はあっても異常な心理はない。

8)象徴は使われているか?
→ 小道具や、一見して無意味そうな文は挿入されているか?
※ 関連付けジャンキーの人間は詮索がお好き。象徴主義。

9)新しいか?
→ 忘れられない印象的な経験をしたいと人は思いたがっている。
※ 既知なことに付き合わされれば人は怒る。

10)その小説は人を自由にさせるか?
→ それは真摯に書かれ、書かれながら作者にも発見のあった文章なのか?
※ 内容を追い、文を追い、言葉を追う読書の過程で、行間をさぐり、象徴をひもとき、文間にまどわされ、読者自身のいつかの記憶と結びつき、生理的変化を覚え、未知に興奮し、そのうちひとつひとつの言葉の音じたいが単独で頭の中をぐるぐる廻りだす。内容文言葉の意味を問うことから逃れ離れていく。次第に言葉で書かれている以上の、現実にはないことを知覚しだす。終局我を忘れて自由になる。これが創造のもたらすものだ。

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