みんな何かしら抱えてるものは絶対あると思う人
むかしむかし、ある村に、慧眼(けいがん)という名の若者がいました。慧眼には不思議な力がありました。人々が心の中で抱えている悩みや苦しみを、その人の背中に乗った見えない荷物として見ることができたのです。
慧眼は気づきました。「みんな何かしら抱えているものは絶対にある」と。
ある日、村で最も幸せそうに見える富豪の背中に、大きな荷物を見つけました。話を聞くと、富豪は家族との絆を失っていたのです。
また、いつも明るく振る舞う若い娘の背中には、重い病の荷物がありました。
村一番の力持ち