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デジャブ

真っ暗な世界で

一人ぼっちの僕は君と出会って、この痛みを共感できる人が居ると知った

君も一人ぼっちで

お互いの傷を見せ、舐め合った

自分と似たような傷は縁日のわたがしみたいな味がして

自分の目ではこの世界が上手く見えないけど

君を通せば全てが鮮やかに見えた

一人では見えなかった素晴らしいものを思い出して

君と分かち合った

時が経ってそんな世界に慣れてきた頃君はいなくなって

世界の美しさが脳裏に焼き付いたまま

それを教えてくれた君だけが居なくなった

あれが幸せだったんだと気づいた時には

失ったものの大きさに耐えられなくて

君と見た世界は本当に綺麗で

でも一人じゃあの頃みたいに見えない

綺麗に見えなくなった世界を見たくはなくて

どんどん瞼が下がっていった

この瞼の裏側を見たことがある気がして

安心感さえ覚えた

世界が素晴らしい事と本当は1人ぼっちじゃないって事

曖昧で良いようにしか捉えようとしない淡い色の思い出の場所に入ってしまいそう

そこはあんまり取り出せないんだよなぁなんて思いながら

また闇に世界は覆われていく





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