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NewJeansの成功の秘密:Erika de Casierとのコラボが生んだ新たな魅力

宇多田ヒカルがなぜあそこまで世界に評価されているのか。もちろん、彼女自身のカリスマ的な存在感が大きな要因です。しかし、それだけではありません。「One Last Kiss」の共同プロデューサーであるA. G. Cookの存在も見逃せません。この話については以前noteで書いたことがあるので、興味がある方はぜひそちらもご覧ください。

さて、今回はK-popグループNewJeansの音楽性について話をしましょう。実は作曲は、R&BアーティストのErika de CasierやSmerzが手掛けています。Erika de CasierとSmerzは何者なのか、そして彼女がNewJeansに楽曲を提供することになった経緯について掘り下げてみたいと思います。

Erika de Casierとは?

エリカ・ド・カシエール(Erika de Casier)は、デンマーク在住のR&Bシンガーソングライター兼プロデューサーです。2021年にイギリスのレコードレーベル「4AD」からアルバム『Sensational』をリリースし、アンビエントやUKガレージ、クワイエット・ストームなど、さまざまなジャンルを融合させたスタイリッシュなサウンドとしっとりとした歌声で、音楽ファンの注目を集めました。

彼女がNewJeansに曲を提供したのは初めての経験でした。彼女自身が語るように、他のアーティストに向けて作曲することは非常に開放的だったと言います。自分以外のアーティストに曲を書くことで、彼女自身のクリエイティビティがさらに明確になり、自分のスタイルや本当にやりたいことを再確認することができたのだそうです。

「NewJeansの楽曲を書いたときはすごく楽しくて、今はその楽しさを自分の曲の制作時にも感じることができます。普段とは異なるベクトルで自分のクリエイティビティが高まり、それが自分の作品にも発揮されるのです。」と彼女は述べています。

NewJeansへの楽曲提供の経緯

Erika de CasierがNewJeansのプロデューサーチームから連絡を受けたのは、彼女がコペンハーゲンにいたときのことです。「コペンハーゲンでセッションを行うので、ぜひ来てください」というメールが届きました。そのとき、彼女は友人でもあるミュージシャンデュオ「スメーツ(Smerz)」のふたりと、もうひとりの友人でシンガーソングライターのフィン・イェンセンと一緒にいました。彼らも同じメールを受け取っていたので、一緒にセッションに参加することにしました。そして、そのセッションでNewJeansの楽曲「ASAP」を4人で作り上げました。

Smerzとは?

スメーツ(Smerz)は、Henriette MotzfeldtとCatharina Stoltenbergによるノルウェーの電子デュオです。彼女たちはオスロの高校で出会い、2011年にコペンハーゲンに移住してから音楽制作を始めました。彼女たちの音楽は、ヒップホップやR&B、トランス、そして北欧の伝統的な民族音楽、オペラ、クラシックなど、さまざまなジャンルをシームレスに織り交ぜた独自のスタイルです。

2021年に名門XL RECORDINGSからデビューアルバム『Believer』をリリースし、タイトル曲「Believer」は不穏なシンコペートするビートと甘美なストリングス、醒めたヴォーカルが印象的な楽曲です。ミュージックビデオでは、ノルウェーの民族的伝統と緑豊かな風景を絵画的なスタイルで表現し、北欧が生んだ鬼才ラース・フォン・トリアーの「ドッグヴィル」のようなミニマルな演出を引用しています。

彼女たちの音楽は、コペンハーゲンの音楽シーンと交わりながら、さまざまな要素を取り入れており、未知の不思議なものに仕上がっています。Erika de Casierとも親交が深く、2019年には彼女と一緒に初来日を果たしています。

Erika de CasierとSmerzの関係

Erika de CasierとSmerzは、デンマークの音楽シーンでの友人でもあり、共に音楽を作り上げる仲間です。彼女たちの関係は、ErikaがNewJeansに楽曲を提供するきっかけにもなりました。コペンハーゲンでのセッションに一緒に参加し、NewJeansの楽曲「ASAP」を作り上げたことで、彼女たちの友情とクリエイティビティがさらに深まりました。

NewJeansへの楽曲提供の影響

Erika de CasierがNewJeansに楽曲を提供したことは、彼女自身の音楽キャリアにとって大きな意味を持ちました。彼女は他のアーティストに曲を書くことで、自分のクリエイティビティがさらに明確になり、自分のスタイルややりたいことを再確認することができました。また、NewJeansの楽曲を書いたことで、自分の作品にも新たなエネルギーと楽しさが加わりました。

「普段とは異なるベクトルで自分のクリエイティビティが高まり、それが自分の作品にも発揮されるのです。そして、自分のエゴやプレッシャーもなくなりました。」と彼女は語っています。

Erika de CasierとNewJeans、そしてSmerzとの関係は、デンマークとノルウェーの音楽シーンの中で築かれたものです。彼女たちのクリエイティビティと友情は、NewJeansの楽曲「ASAP」を通じて、新たな音楽の可能性を広げました。Erika de Casierの楽曲提供は、彼女自身の音楽キャリアにとっても大きな意味を持ち、彼女のスタイルやクリエイティビティをさらに高めることにつながりました。

これからも彼女たちの音楽がどのように進化していくのか、とても楽しみです。NewJeansの新曲「ASAP」を聴きながら、Erika de CasierとSmerzの音楽にも注目してみてください。

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