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閉まらないファスナーの前にデブは無力だ

何を隠そう、私は太っている。

生まれてこの方右肩上がりで太り続けている、言わばプロデブ。小学生になった途端にむくむくと成長し始めた(ぶくぶくとは言わない乙女心)。それまではガリガリだった。細すぎてサイズが合うズボンがなくいつもオーバーサイズのトレーナーにタイツを履いていた。お洒落さんか。写真で見ても小柄でめっちゃ可愛かった。しかし家族みんなどちらかと言えば肥満体型なので、まあそうなるわな、といった具合に順調に成長していったのである(ちなみに我が家の合言葉は「デブをバカにしていいのはデブだけ」)。

小さいながらに身体測定は嫌いだったし、2人1組のストレッチや体育の馬飛びも心から嫌だった。運動神経が良くないのも相まって、動くことがすごく嫌いだった。というかうまく体を動かすことが出来なかったのだと思う(今もそうだけど)。
さらに、日に日に大きくなるこの体で一生懸命動いているのを人に見られるのも嫌で汗をかくこともなぜか人に申し訳なくて、喪女スパイラルのごとく、デブスパイラルに陥っていたのだ。
だからといって「仰天チェンジ」で見るような1日5食とか唐揚げ丼にマヨネーズどちゃあ…とか夜中に業務用アイスクリームたいらげるとか、そんな強めな食生活ではなかった。なんなら部活はソフトボール部でそれなりには動かざるを得なかったし、嫌いながらも動いてはいた。まあ人よりはお肉が好きでちょっと食べてるかな?というレベル。

この時点で実は思考回路は結構明るい。心の奥底では太っていることへの葛藤はあるものの、友達に恵まれたおかげでいじめとかそういう類のものとは無縁だった。もちろんいじりはあったが甘んじて受け入れ、それすらもネタにし「明るいデブ」の地位を築き上げてきた。

ただどんなに明るくても着る服がない。
大きいサイズで可愛い服なんて当時はあまりなかったし、メンズのパーカーを着てメンズのジーンズを履いて過ごしていた小・中学生時代。田舎だから服を買う店は限られているので、同級生の男子と服が被ったことがあり、ものすごく恥ずかしかったのを覚えている。
高校ではほぼ毎日部活で私服を着る機会がなかったから良かったが、やはり年頃の女子には辛い部分もある。着たい服よりも着れる服を探すのでコーディネートはちぐはぐだしセンスの欠片もなし。これはいっそのことちぐはぐさを全面に出してみては?という浅はかな考えで古着系へシフトチェンジしてみたりと迷走する日々。
そしてうっすらとよぎる「デブは自分のなりたいお洒落女子にはなれないのか…」という思い。自分の怠惰のせいで太っているのにいっちょ前に被害者ヅラするもんだから笑えますよね(今はお店でもネットでも大きいサイズの服が増えてきているのでとても助かっている)

世間一般のデブに対する評価とか、もちろん気にはなったけど、でも今のままでも十分楽しいしなあと思いながら過ごすこと早30年。
めんどくさいことに、太っているけどお洒落はしたいという気持ちから自分なりにファッションへのこだわりがある私(お洒落より先にやることがあるだろということは自分が一番わかっている)。

去年の6月、1ヶ月後に友人の結婚式を控えていた私は、ネットでワンピースを探していた。太っていてもあんまり体型が目立たず、かつ、お洒落なやつが欲しい。
そんな私の目に飛び込んできたのはバーガンディの素敵なワンピ。
実はこのワンピのネイビーをすでに持っていて、数年前に結婚式に着ていった時周りから好評だったのだ。
そこに私が買うのを待っていたかのように登場した新色バーガンディ。
こ、これは…私に買えということか?これが運命というものなのか!!とものすごい期待を込めて光の速さで購入した(ちなみに前回と同じサイズ。良くも悪くもサイズ変更なし!)。

数日後、ほくほくした気持ちで試着したところ、なんと後ろのファスナーが閉まらなかったのである。おいおいちょっと待ってくれよ。結婚式は来月だよ…?サイズも前と同じなのに入らないだなんて…!私が太ったのか…?まあ何にしてももう別のを探す時間もない、、、ダイエットだ!!!!!

という、プロデブにしてはまあまあしょぼめの理由で、ついにダイエットを決意したのである!!!

果たしてプロデブは一般ピーポーになることは出来るのか。それは、神のみぞ知る。。。

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