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犯人当て、ゲームブック、ハイパーテキスト……本という媒体に見る推理ゲーム的な仕掛け

ふるあた! 皆さん、こんにちは。秋山です。

本記事は『アナログゲームマガジン』で連載している、古今東西の推理ゲームを調べてレポートする『推理ゲームふるあた』の第12回にして、最終回です。

本記事の序盤は無料でお読みいただけますが、途中から『アナログゲームマガジン』の定期購読者のみが読める形式となります。試し読み部分で「面白そう!」と感じていただけましたら、ぜひ定期購読(月額500円、初月無料)をご検討ください。

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前置きは以上、早速、本題に入っていきましょう。

はじめに

略して、推理ゲームふるあた

本連載では、アナログゲームにおける推理ゲームという概念を、様々な角度から分析し、多角的に捉えてきました。

連載第1回は2021年3月。そもそも推理ゲームとは何か? から始め、その周辺ジャンルに見られる推理要素を網羅することで、広義の推理ゲームを順々に見てきました。

推理ゲームふるあたの旅路

連載第10回まではアナログゲームに軸足を置いていましたが、前回の第11回では、ついにデジタルゲームのせかいに飛び出して、推理アドベンチャーゲームの歴史を振り返りました(3月と4月はお休みいただきました)。

そして、最終回となる第12回では、推理ゲームという概念の原点に当たるべく、ゲームという枠組みから離れ、本を媒体とした作品に、推理ゲーム的な仕掛けを見い出していきます。

それでは、本編に入っていきましょう。

推理ゲーム的な本の年表

推理ゲーム的な本の年表

本連載では謎解きや推理ADV等、情報収集の段において困難を極めた回が何度かありましたが、今回も苦戦を強いられました。

推理ゲーム的な本と言っても、たとえば犯人当てだったり、ゲーム的な選択や分岐だったり、その要素や考え方は多岐にわたります。また、本となると、そもそもゲームとは歴史が異なりますし、ゲームであることを意識していない作品も多くあります。

そういったわけで、どういう本を範囲に含めるべきか苦慮したのですが、結論としては上図のようになりました。

推理ゲーム的な本の系譜は、読者への挑戦がはじめて使われたエラリー・クイーン『ローマ帽子の謎』(1929年)に端を発するものとして、文字情報だけでなくリアルな証拠品が添付された『マイアミ沖殺人事件』(1936年)、ゲームブックの要素を保つ『シャーロック・ホームズ 10の怪事件』(1982年)と続いてきたと考えます。

調査の対象は和訳されたものが、日本国内で発行されたものを中心としています。ヨーロッパ圏やアメリカ圏の作品に関しては、網羅しきれておりませんのでご容赦ください。

また、調査は主にインターネットに頼ったので、インターネット発展以上の作品は、あまり調べられておりません。本記事で取り上げるべきなのに、挙がっていない作品がありましたら、ぜひ情報をお寄せください。

それでは、ここから先の定期購読者向けエリアでは、上述した主要作品を紹介しつつ、本と推理とゲームの関係性について考えていきます。最後には本記事を書くために調査した48作の全作リストも掲載しています。

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