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B&Oのワイヤレスイヤホンが想像以上に曲者だった話。第3世代のE3を真面目にレビュー

 こんにちはドーナツたろうです。音楽を聴く時は専らヘッドホンを使っているのですが、最近は気温もどんどん高くなってきて、愛用しているゼンハイザーのワイヤレスヘッドホンMOMENTUM3では暑苦しく感じてきました。
 ちなみにこれです。めっちゃデカイし黒いしで、夏場の使用はあんまりお勧めしません。

 ということでワイヤレスイヤホン探しをちょくちょく行っていて、イヤホンもゼンハイザーでいいかと思っていたんですが、他にも沢山イヤホンが溢れておりましたので、目移りがてら全部聴いてから選ぼうかと思い、今回はB&Oの略称で親しまれておりますBang & Olufsen(バンク&オルフセン)のワイヤレスイヤホンE8の新型(多分3世代)を聴いてきました。

Bang & Olufsen

 B&Oと言えばオーディオ界では超有名なデンマーク(?)の高級ホームオーディオメーカーでして、無印良品の壁掛けCDプレーヤーを極限までオシャレにしたかのようなこれとか。

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 さらには一千万円超えの超弩級の集合体恐怖症お断りスピーカーシステムなどもリリースしています。

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僕も以前仕事で触れる機会もあったので、結構馴染みの深いメーカーです。

 そんな高級志向なオーディオメーカーですので、たかだか4万円弱でワイヤレスイヤホンを作っている事がちょっと意外でした。
 しかしやはりオシャレスキルが振り切っているだけあって、今回聴いたワイヤレスイヤホン「E8」のデザイン性はなかなかの物です。レザー調の充電ケースに小ぶりな本体で、カラー展開もとても豊富に揃えられています。

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僕のオススメの色はグリーンと上の画像のピンクです。イヤホンにはなかなか無い色で、衣料品とかの生地の色に採用されそうな深めの色をしています。こういった色合いやデザイン性は、日本のオーディオメーカーには無いオシャレセンスが光るポイントですので、海外ブランドのオーディオ機器を選ぶ際は是非、国産メーカーでは得られない独特なデザイン性も楽しんで頂きたいです。

ひょっとして見た目倒し?

 まず試聴がてらJ-POPを再生してみようと思いYOASOBIの「夜に駆ける」を流してみました。

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しかし最初の歌い出しのボーカルが始まった段階で、これは違うなと感じました。本来YOASOBIのボーカルの幾田りらの歌声は、年齢や小柄さを感じさせない太さと艶があり、どちらかと言えばウェットなニュアンスの声です。しかし、嫌に高音部分がプッシュされ、無理矢理ボーカルを映えさせようとしているかの様な響きを感じてしまいます。日本のJ-POPに多く用いられるMIXとの相性もあるかも知れませんが。
 という事で今度はバンドサウンドを聴いてみようと思い、Highの成分がかなり豊富なのでディストーションサウンドは却下で、毎度フラットな試聴で登場するParcelsのTieduprightnowを流してみました。

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しかし、これもなかなかハマらない。LowMid寄りのMIXであるこの曲では「E8」の魅力はなかなか引き出されません。この曲で聴けるバスドラのアタック音とベースのうねりが、かなりスポイルされている印象でした。
 その後、試聴に頻繁に使う曲を幾つか掛けるも、尽く良い音を引き出せない。「E8」のスイートスポットはひょっとしたら低音部分には無いのかも知れないと思いました。

唯一無二の特性

 前述の試聴に使った様な楽曲がどれも上手くハマらなかったので、少し嗜好を変えて、試聴用の楽曲を選ぼうと思いました。流してみたのは最近かなりハマっているdZihan & KamienのGran Riserva。これがめちゃくちゃハマりました。

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 一曲目のStiff Jazzからがっつり「E8」のおいしい帯域を引き出す音でした。各楽器の分離感がリアルに表現されて、ドラムのリムショットが今までにないほど小気味良く鳴ってくれます。かなりデッドな音が得意なのかなと聴き入っていると、途中から入ってくるサックスのソロパートでその日一番驚かされました。
 サックスのHighの歪み具合や、音の伸び、輪郭やニュアンスが、高級なスピーカーシステムで聴いたかの様に表現されていました。

 恐らくですがこのイヤホンの非常に優れたスイートスポットはMidHighに集中していると予想します。最近リリースされるイヤホンの特徴といえば、重低音の表現力と高解像度にフォーカスが置かれて、試聴の際はそれらの基準になるような楽曲で試聴しておりましたが、B&O「E8」はそれら現行のワイヤレスイヤホンとは全く違ったコンセプトなんだと感じます。
 モニター寄りのSONYやゼンハイザーのイヤホンと比べれば、良くも悪くもオーディオライクに傾いていて、設計者のエゴを感じれるかなり面白いサウンドデザインが成されています。
 確かにLowの輪郭や音圧などのの面で他のイヤホンには劣るため、主に日本で多く聴かれている楽曲のほとんどで、この「E8」の魅力を引き出すのは難しいかと思います。しかし、管楽器が光るジャズや、ハスキーなボーカルのソウル、R&Bを聴いてみると、それ以外全てのイヤホンよりも聴き応えのあるリアリティ溢れる音色を鳴らしてくれました。

ヘッドホンやイヤホンを「音」で選びたいなら

 今回のようにイヤホンを選ぶ時、前評判で聴いていたより「あれ?大した事ない」みたいなことは、ままあります。その際重要なのは、そのイヤホンの音の特性がどの部分に置かれていて、どういった音を聴かせようとしているのか深読みすることです。色々なジャンルの曲を流して、自分の聴きたい音が鳴ってくれているかをストイックに追求していけば、オーディオ機器の音選びはほぼ失敗しないと思います。
 特に高価なイヤホン、ヘッドホンの購入で失敗はしたくないので、是非是非試聴の際は自分のお気に入りの曲や聴き慣れた曲を持っていって、それを流した際に違う曲に聴こえるくらい感動を覚える音を見つけてみてください。意外と一万円台の物がめちゃくちゃハマる事もあるかも知れません。オーディオテクニカとかオススメです。

ではでは。
あと今回試聴に使った音源のプレイリストのリンク置いときます。良かったらこのプレイリストでB&OのE8を聴いてみてください。
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B&O-E8​

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