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道にみちびかれた必然・きっと魂の無意識レベルでのつながりのひきよせ

海外在住の彼女は、子どもの夏休みに合わせて約1~2ヶ月ほど帰国する。
高校生になった子どもが日本の学校への進学を希望していることもあり、今年は学校見学や説明会にも参加して、いつもとちょっと様子が違う。

実家のある地方都市には大学もほとんどないため、近隣の政令指定都市や大きめの市を親子でまわっている。
県庁のある市を訪れたとき、学校見学も終わり、買い物でもしようと繁華街の近くの駐車場に車を停めた。
今までも何度か来たこともあり、なじみのある商店街であったが、今回の駐車場は道を間違って入ってしまって停めたところだった。

「道を間違えたところから、すべては始まっていたのかもしれない」
彼女は振り返る。

「アーケードにはいると○○って看板が見えたから入ってみたの」
「何度も来ていたのに、今まで気づかなかった。あ、こんなところに○○がある!って思ってね」

そこは実家のある市のお店と同じ名前(屋号)の呉服屋。
彼女は、帰国の機会に、子どもが卒業式に着る和服を探していた。
すでに最近流行りのレンタル落ちや中古を扱うお店も覗いてみてはいたが気に入った柄もないままであったのと、屋号にひかれ、お店に入ったそうだ。

○○は彼女が中学生のとき一番仲が良かった友達Kちゃんのおうちが経営していたお店だ。
おうちまで遊びに行くほどの仲だったが、中学卒業後二人は別々の学校へ進学したため、疎遠になり縁は途切れ、かれこれ40年近く経っている。

実家のある街では今も何店舗かがあるので、親戚とか関係があるお店なのかと思い、年配の店員さんに尋ねたところ、ここも支店とのこと。

「それじゃあ、本店のお嬢さんのKちゃんはお元気ですか?」

彼女がその言葉を言い終えるか終えないか・・・
ほぼ同時に、すぐ近くにいた別の店員さんがマスクを外して顔を向けた。

K ちゃん!!!
なんと!
当時のまま!
Kちゃん~~~!

そこからはKちゃんに担当してもらって、子どもの和服を選びながら、空白の年月を埋め合うようにおしゃべり。
まるで昨日も会っていたかのように、中学生のころの温かい気持ちに満たされる。

最後に彼女は「実は・・・」と教えてくれた。
「最初に声をかけた人もマスクしていたから気がつかなかったんだけど、
 Kちゃんのお母さんだったの。
 いつもはお母さんお店にいないんだって。
 Kちゃんも翌日だったら別の支店出勤予定だったんだって」

聞いててトリハダ立ちそうになった、わたし。

きっとこれも魂レベルのつながり。
ふたりともこの歳まで、それぞれ山谷・酸いも甘いも、色々なことを重ねながらもまたこうして、実家を離れた街で出逢える。
ふたりとも生きてきてよかったね、と勝手にエール。

「連絡先交換するの忘れたけど、また近くに行ったら絶対寄る」
うん、うん。またつながった縁、よかったね。

もちろん、着物は希望通りの柄が見つかり、良いお買い物ができたそうだ。

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