往復書簡/N→S/2022年10月1日
お題「秋空」「おくんち」「柘榴」
巻尺様
この前こんな事がありました。
家に帰って着替えを終え、ふと机を見たら、置いたはずの定期がないんです。数日前にも脱いだズボンのポケットから落ちていたので、ポケットやカバン、その周辺を探してみましたがありません。ベットの隙間、ベットの下まで覗いて、見つかったのは髪留めとボールペンだけ。
バス停までの途中の道で落としたのかもと、再度着替えて戻ってみましたが、落ちてはおらず。残る可能性としては、バスを降りる時に上の空で携帯をいじっていたので、定期をかざした直後に入口に落としたのかもと考えました。
家に戻ってバス会社の電話番号を調べようと、携帯を持ってベッドに座った時、目の前にある机の上にはいつものように定期が置かれていました。
もう一つの衝撃は、頭の中で想像していた定期の色と違ったのです。確かにこの色の物体なら探している時も視界に入っていたなと…こういうのを老化と言うのでしょうか。
そんな老化な日々を過ごしておりますが、お元気にお過ごしですか?
最近は以前ほどメッセージでのやりとりもなく、この往復書簡が本当に近況の報告としてのお手紙のようにも感じます。
でもインスタのストーリーでは動向をチェックしているので、知っているといえば知ってもいます。ご健康で何よりです。
製作室も、稼働再開を待ち侘びていた人も多い事でしょう。
たまに忘れてしまいます。
「こんなにいてくれたんだ」と。
忘れずに維持出来ていれば、もっと違った感覚で過ごせるのでしょうが、難しいものです。
巻尺さんがいつも写真を撮って残しておくのは、その時を忘れないようにという感じでしょうか。写真NGと言って断ってばかりですみません。
最初の話に戻りますが、定期を見つけた時、ちょっとだけ幸せを感じました。
増えたものはなく、ただそこにある事を実感しただけで。
洗面台でよく落としてしまうコンタクトも、見つからず諦めかける度に、こんな所にまで飛んでいたのかという場所で見つけたりします。そしてやっぱりちょっとだけ幸せを感じます。
うまく文章に出来ませんが、こんな気持ちになるものが普段の生活の中にも沢山あるのかなと、あるとしたら、なくした時じゃなくていつでも感じていたいなと思ってしまいます。
こんな思考ばかり頭の中を駆け回っているので疲れるわけです。
最近ではそれをメモしておいて、いつか何かのネタに出来る日まで取っておきます。それが今回の「お話」の元です。
でもその前に前回の巻尺さんの「お話」。
これを読んだ事によって最初の話をもう一度読み返すと、想像で補っていた部分が明確に現れました。
実のところ最初の話、既に別れていると思っていました。
二作を読んで、脳裏には私が昔から好きな歌手・小松未歩さんの「さよならのかけら」という曲がBGMとして流れています。
1番と2番で男女の視点が変わる歌詞で、お時間があれば聴いてみてください。
さて、今回の私の「お話」ですが、読まれて思った事でしょう。
「おくんち」外すのかと。
正直に言うとおくんちについては書けるほど詳しくないし、思い出の引き出しもないので、初めから入れないつもりでいました。
文才があれば、おくんちキューピー達がウニスカの売り場を飛び出して人の代わりに庭先回りをして元気を与える。そんなファンタジーでも書いてみたいところでしたが、それは周りにいるどなたかが書いてくれないかなと期待しておきます。
エッセイとの違いを見せるのが課題で、物語と呼べるものを書くのはまだまだ難しいです。
次のお題は、
「紅葉」「焼き芋」「冬支度」
で挑戦してみてください。
話し足りなかった分長くなってしまいました。
お互い引き続き、今の現状を乗り越えていけるよう頑張りましょう。
ウニスカ
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