第三分野保険のバレンタイン

こんにちは、ザイコムユナイトnote担当です。(2022.7.1に社名変更しました。)
画像はみんなのギャラリーから拝借した月の画像です。本文とは関係ありません。ただキレイだなと思ったもので。

さて前回は3,000字にも及ぶ長文になりました。ただもうひとつだけ説明したい内容があります。
それは第三分野保険についてです。

なお前回同様の注意点を2つ挙げておきます。

・具体的な経理処理につきましては所轄税務署や税理士などの資格を持った専門家にご相談ください。あくまで一般論と参考として記載しております。
・本記事は2022年2月18日現在の通達内容を基に構成しております。

それでは順に進めていきます。

■言葉の意味(不要な方は飛ばしてください)

先に言葉の意味をいくつか説明します。

第三分野保険
保険は第一分野(生命保険)、第二分野(損害保険)、第三分野(その他の保険)に分類されています。
第三分野は、医療保険やがん保険、特定疾病保険、介護保険等が該当します。
生命保険会社が販売できるのは第一分野と第三分野
損害保険会社が販売できるのは第二分野と第三分野となります。

短期払
保険期間よりも短い期間で保険料の支払いを終えることです。
歳満了(○○歳まで)や年満了(○○年間)などがあります。
商品によって可否があります。なお契約時に決定し、基本的には契約途中で変更はできません。

保険期間が終身の場合の計算上の保険期間
計算上の保険期間は116歳までとします。(法人税基本通達9-3-5より)

■法人税基本通達の内容

▼契約形態を限定します。

契約者:法人
被保険者:役員及び従業員
保険金受取人:契約者と同じ
保険種類:第三分野保険
保険期間:終身

としたものに限定します。この前提が変わるとまた違った内容になる可能性がでてきます。

▼該当の法人税基本通達

今回も法人税基本通達9-3-5、9-3-5の2です。特に9-3-5の(注)2が該当します。

■資産計上割合と条件

保険料の払込期間を二つに分けます。

  1. 短期払いではない

  2. 短期払いである

1.短期払いではない場合

この時は前回記事の区分によって資産計上額を計算します。必要な場合は以下をご覧ください。

医療保険の場合は解約返戻金がないものがほとんですので、資産計上されないことが多いと思います。重大疾病や介護になるとそうとは限りません。その場合、終身ではなく定期保険が多いと思いますけれど。

2.短期払いである場合

2.1 資産計上割合0%

以下の条件に該当する場合には資産計上額が0%とすることが認められます。認めるなので適用せずに2.2を採用しても構いません。

・保険料払込期間が短期払であること
・1被保険者の合算した保険料が30万円以下であること
・解約返戻金がない、もしくはごく少額であること

解約返戻金がない、もしくはごく少額であることとあります。
ごく少額とはどの程度なのでしょうか?
通達が発行された時のFAQ.Q16に回答があります。

現行の商品では、払込期間終了後に入院日額の10倍を解約返戻金額としているものが多くあります。この場合は一般的にはごく少額と考えられます。ただし絶対ではなく、給付金額や保険料の額を考慮して個別に判断します。

あくまで個別判断ではありますが、基本的には入院日額の10倍はごく少額と考えられそうです。

2.2 資産計上割合○○%

合算した年間保険料が30万円を超える場合です。計算方法は以下になります。

▼保険料払込期間中
1.総払込保険料=年間保険料×保険料払込期間
2.前払保険料(資産計上額)=年間保険料-(総払込保険料/(116歳-契約年齢))
▼保険料払込終了後
毎年の資産取崩額=前払保険料累計額/(116歳-契約年齢-保険料払込期間)

■まとめ

すべてではありませんけれど、主要なものは大体書けたと思います。
保険と税務の関係はイタチごっこと言われていました。それを終わらせる目的で作られた通達とのことです。本当によく考えられたものだなぁ、と感じます。とはいえ将来的には見直しが入ることも考えられますので、あくまで今現在のものという点はご留意ください。

■担当の一言

昨日から夜中にかけて満月でした。写真を撮りましたがブレブレでした。Top画像のようにはいきませんね。今夜も帰りに夜空を見上げます。一日過ぎてもほぼ満月。その美しさはまだまだ変わらないはず。

それでは、思い思いの週末をお過ごしください。