二次創作「カスピアン王子のつのぶえ」(=映画)

kindle unlimitedにくわえてAmazonプライム・ビデオの使い方をやっと覚えてこの頃見ているのですけど便利ですねぇ。こんな風に、いろんな人の作ったものを気軽に何度も好きなときに好きな時間に見れるなんて、とても良い時代になったなと、素直に思います。レンタルビデオ屋さんに行くのも、5ヶ月児がいるいまではなかなかできなかったでしょうし、そんな気持ちの余裕はなかったはずですもの。

育児中、産後にこれほどありがたいものはなかなかないよなぁと、思っている昨今なのです。ありがたく、文化的生活を送っております

そんな中、これは見なければいけないと思っていた作品をやっと見ました


「カスピアン王子のつのぶえ」です。

C.S.ルイス著の『ナルニア国物語」シリーズは、幼少の頃からの私にとってのバイブルのようなもので、なんどもなんどもたすけられた一番大切な物語とおもってるくらい、かけがえのない物語です。何十回読んだかもうわからないくらいよみこみました。

その中でも、このカスピアンと銀の椅子は苦手ではあったのですが…

映画を見たら、あれ?かなり違う???となってしまって、慌てて保管してある書籍を取り出したのですが赤子がなくやら2歳児が暴れるやらで、再び文明の利器供給サイトAmazonの力を借りてkindleで購入いたしました。

これなら授乳中でも布団の中でも読めるもんねー!
しかも、挿絵がカラーでお得感。
いつでもポケットにナルニア!ああ、いい時代になったものです

久しぶりに読んだらこれが、やっぱり、こころの角の部分を柔らかく、しかししっかり刺激してきてくれる名著でありました。これ。これですよ、ナルニアは。全てが等身大で、そして超越者であるアスランがいて、この世から抽出されたような世界がひろがっている…そして必ず、アスランの目が私の方をしっかり見て、問いかけてくるのです。これが、ナルニア。

映画にも「ずっと普通の獣として扱われていたら物言う獣であったものもそうなります」とか、「同じことは再びは起きないのだ」とか、素敵な言葉のギフトは存在していたのですが、なぜか、戦闘シーンが大きく扱われていたり、ミラースの言動に大きく時間が割かれていたり、喜びの描写がなかったり、カスピアンの年齢がちがったり、氷の魔女が出てきたりで「物語の映像化作品は一種の二次創作である」という認識で動いているわたしとしてもナンジャこりゃだったりしたのですが、それでもあの世界を視覚化してくれたのは嬉しいことであり、それにより、刺激されていろいろな考えが脳みそをビシバシといきかってくれるきっかけにはなりました。…その、精神性の部分がほとんど伝えられていないものになってしまっているのが悲しくてたまらないところももちろんあるのですけれども。

ああ、どうしてこうなってしまうのかな

元の世界に戻るのに着替えたりしなきゃならないあたりもナルニアなのにな
恋愛ネタも、なんで入っちゃったのかな
ルイス氏があえて外したんではないかと思えるようなところをあえて盛り込んじゃってるようにみえるな…


一作目「ライオンと魔女」はかなり原作に忠実な部類で、あの挿絵がこうやって動いた!みたいな感覚があって嬉しかったんだけどな。巡回展で、タムナスさんの椅子が見れて本当に本当に嬉しかったんだけどな。

私は「あの本の映像化」が見たかったんだけどな



そんな想いももちろんありますが
やっぱり、嬉しく楽しく見ている部分もものすごくたくさんあって
複雑な気分には、なってしまいます


そもそも映画はどれも、誰かが想像したものを具現化したもの
作者が直接映像化したとしても、私が想像していたものとかぶるとは限らないのは確かなんですよね

きっと、監督さんなり、制作チームなりはこうやって想像を膨らませてこの物語を楽しんだ、っていうことなんだろうな…とおもって、わたしはわたしの想像の世界で遊ぶしかないのです

脳の中身を直接誰かに伝えることができないことこそ、人間の面白みであり、同時に制限なのだな、と思い知りながら、この不自由な自由を日々生きております。




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