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育児散文 8ヶ月 #1

ぱっ! と、振り返る
何か、怪しい気配がした気がしたのだ
ギクっ! と、8ヶ月になるムスメが体をこわばらせた
もっていたのは充電コード。
いつも、手にしてしまうようなことがあれば慌てて取り上げている、もの
ちょっと遠くに座っていたわたしは立ち上がり、取り上げるためにむかう
彼女は、わたしをみてにっこりと笑い、それでも、コードを手放さない
しかったことはまだない
上のお姉ちゃんのことは叱るけれども、この子を叱ったことはない
お姉ちゃんも聞き分けが驚くほどいいのでほとんど叱ることはないのだ

ないのに
ないのに、彼女は
ビクッと、したのだ

わかってる。
わかってるんだよ
おこられる! ではなく「これ、なんかダメなやつだ」って
なんということだろう
なにか、とてつもないものを、みたきが、したのだ

8ヶ月
産まれて250日程度のこの子は
もう、そんなに多くのことを理解しているのかと思ったら
そのまま思考は進化の歴史へ飛び跳ねていった 


発生は進化を繰り返す


この子は、
わたしは、
そのご先祖は……


わたしは思考を編み直す
さて、いったい、この腕の中にある10kgの暖かい生き物は一体なんなんだろう
産んだからこそ、教えられた感覚
はてさていったい、この子は何者?


強烈な生命の体験は、おもしろい
これでこそ、これがそれこそ、これなんだ
そう、つみかさねて、ここまできたんだ

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