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冬のコート

お気に入りのコートがある。それは黒のキルティングコートだ。

この2年間の冬はほとんど外出していないかったので、あまり着ていなかったけど、大切に扱っていた。前の冬が終わりかけの時、ファスナーの調子が悪いことに気が付いた。金具が上に上がるけど、閉まらないことが多くなった。ゆっくり、静かにすると、閉まる。でも急いでいるときにかぎって閉まらないから、ちょっと焦る。家にある工具で少し調整してみた。でも、すでに良くない状況。なんとか冬を乗り切った感があった。

そして今は秋。最近の朝晩は冷えることが多くなってきた。本格的に寒くなる前に何とかしたい。新しいものを買うか、ファスナーを付け直すか。どうしようか。新しいものは25000アルゼンチンペソ程する。ファスナーさえちゃんとすれば!でも自分で付け直せる自信はない。

とあるところで、服のお直し屋さんがいることを聞いた。町を歩いていても、靴とか、家具とかのお直し屋さんは見かける。でも服のお直し屋さんは見かけなかった。そして、その人は手芸店で働いていた。そんなところにいたんだね。看板を見かけないわけだ。昨今のインフレの影響でさぞかしお高いんでしょうねぇ~と思いながら、コートを持っていった。恐る恐る値段を聞くと1200~1300Aペソほどでできるとのこと。

すごく安いじゃないか!もちろん即お願いした。出来上がりは約1週間程度で、ファスナーは翌日買うからもしファスナーが高ければもう少し値段が上がると言われた。電話番号を交換して、とても高くなるようなら連絡くれることになった。

翌日、電話はなかった。私が書いた数字読めたんだろうか?ちょっと不安になった。私の数字、特に1、4,7、0の書き方はアルゼンチン人を困られることがあったからだ。長年の癖だからついそのまま書いてしまう。まあ、連絡がなくても1週間後にお店に行ってみよう。

1週間後、連絡が入った。もう価格は1300Aペソでできましたよと。安いし出来上がりもいい感じ。新しく買わなくても済んだ。なにより今年の冬もまたお気に入りのコートを着れるのが、とてもうれしい。

今年の冬は出かけることが多そうだな。というより、ぜひとも出かけたい。

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