見出し画像

すった問答

すった問答
「当然の独創」
 例えば、秘密を教えてくれる人が一人もいやしない。後になって「ああそうだったのか」などと解ったとしても「意味がない」と私は言う。今、はっきりとさせたい。何かの環境により気付かせてくれるのならばそれでも良い。今、答が欲しいのである。何も解らなければ他人が傍に居ても意味がない。運命共同体を欲しているのではない。私は、「人生」というものについて解らない劣等生なのであろうか。人生の在り方に対する私の悪口憎音とは周期的に心中へとやってくる。生きる事が楽しいと思い続ける事が出来るものであれば、生きていて楽しく、現実を「恵み一色」に染める事が出来る。しかし私はすぐに不幸を招く。現実に於いて、哲学について思い続けるその領域に踏み込んだ時点で、私は常に独りとなる。何故、このような体裁と内実とを携えるのか。「人類は皆兄弟」などと人の在り方について教訓めいた言葉を呟いたのは何億年前のことか。又、その内容とは「運命共同体」という個人による人類への思惑の内だけで効果を発揮し得る、現実に於ける嘘ではないのか。現実に生きる私は、その言葉の内容について真意を未だ掴めないでいる。どうだというのだ。神が言う事が本当なのか、その神が言う事も人間が言っているのではないか、深刻に考えれば考える程、解らないのだ。私は唯、生れて来た以上幸福が欲しいのである。それを何億回呟いて来たことか。ささやかな願いだろう。何故、哲学などが存在するのか、不要ではないか。あれば唯、生き辛くなるだけに思えて人間にとってどこが良いのだ、と成る。それを存在させたのは神である。「哲学」について考える事が出来るように人間を創ったのだ。幾ら考えても、人にとって哲学とは不要であると成る。落胆する事も不要である。本当は悪魔の存在も不要であるのに。

「生きる上で文句ばかり言う」という内容に対し、「それは嘘である」と言うなら、そのように言った人が嘘付きである。例えば聖書の内には正義と悪について記されて在り、その存在が人を支配している、とも採れる。例えば、殺人を犯せば警察という正義に捕まり罰せられる。この事は「仕方がない」という言葉により片付けられている。人間界には善悪が在る。そして悪に非常に興味深い欲というものが在る。その「欲」とは、恐らくすべての人が持って居り、マンネリしたような同じリズムを嫌うのだ。詰り、同じ流行、時代(風潮)、というものは決して続く事が出来ない。そうした茨の中に人は不条理にも投げ込まれ、或る規定を背負わされたまま生きなければならないのである。所謂、handicapである。そうした内実を人が持つという背景を踏まえた上で、「生きる事に対して文句がない」と言えば、それは嘘である、と私は言う。心の中で必ず思うものであろう。「もっと幸せになりたい」と。笑い話にもならない。

「牢屋で泥を見た者の言葉」
 「人はこれだけのものが与えられているというのに、その先の快楽への行動に対して心のタガがある。思わぬところで躊躇してしまうのだ。そこで年をとる。今、理想をもとめている。『真面目で居て何が面白いのか』と言えば、まともじゃない、と、揶揄される。明日は光があるか。白紙はずっと、白紙のまま。

 このように、何もない夜を越して人は年をとっていくのだ。遊びに行っては明日にさしつかえる、と言って。これがまともな世間の常識らしい。そして年をとった後に、ビールを呑みながらその年老いた自身の様子を見て少々苛立ちながら、昔の思惑について話すのだ。男も女も皆同じ。「愚かだ」と言えば弾かれる。「力こそ全て」のこの世に於いて、何もない一日を過ごすのである。とてもはがゆく思う。生れて来た人間(又、男)として。…これ等の言葉も又過言に過ぎない。

「親子に始まった事に悲劇は始まっている。」
詰まり、親孝行する為に生きているのだ。

「それでも男である」
 俺は生きねばならない。親のために、親孝行するために。生きねばならない。そのために友人に同調せねばならない。しかし、その友人が嫌いな輩であれば、言動を共にする気がない。それでも生き抜くためには、時には合わせねばならない。
 今日、私の近くに「解り合える男」が居た。そのような男に久しぶりに会った気がする。嬉しかった。そう思えた事さえ嬉しく思った。軟派な輩には俺の姿が情けなく映るのであろうが、それでも全く構わない。俺はそのような輩とは異質なのだから。同じ世間に生きているからこそ疲れるのだ、と、その環境を恨んで生きて来たのだ。私はいつも、テレビに映る7割の内容が悪だ、と言うくらいである。人として、この夜に思った事が一瞬でない事を祈る。それでも世間の勢いは強い。俺が行く学校の友人の内の一人が、そうした「一線を画す輩」なのだから。

一つの部屋を二つに区切って、男女をその一部屋ずつに配置して、どちらがいつまで生きる事が出来るか試したい。男女の内、どちらが長生きするかな。女だろうか。苦笑。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?