マニラ通過儀礼、息子の胃腸炎
ライフステージに合わせて、移住先もアップデート。メルボルン、シンガポールに続いて、現在フィリピンに滞在中です。
先週申請していたビザがおり、関連機関に預けていたパスポートも、無事手元に。
この数週間は、実にアップダウンの激しい怒涛の日々。
嬉しいこともあれば、「怖い」体験も。
「怖い」体験は、息子の体調不良が原因でした。
ある日の明け方、息子がトイレに行く音。
彼が早朝トイレに起きるのは、珍しい事ではありません。
なんとなく耳をすましていると、様子がおかしい。
母親の直感で私もトイレに向かうと、息子が嘔吐。そして、下痢。
暫くして立ち上がると、目の焦点が定まらない様子でフラフラしている。身体を支えながらベッドに寝かせると、少しは楽な様子。
「ありがとうね」の声も痛々しい。
その後、身体がどんどん熱くなっていきました。
辛そうな息子を見つつ、頭で前日の行動を高速で振り返ります。
何したっけ?何食べた?ああバーガーだ!
しっかり焼いてくれるように頼んだけれど、中まで確認しなかった。
バーガー生焼けだったのか⁉︎
息子だけ発症…
彼だけがしたことって…、ああプールにいった!
プールの水が原因ってことある?
頭フル回転させても、結局ハッキリした原因は分からない。
今まで東南アジアを家族で旅行しても、長くて2週間以下の滞在。息子は特にお腹を壊す事もありませんでした。
マニラにきて1ヶ月+。
滞在が長くなれば、その土地で病気になる可能性も高くなる。疲れもたまってくる頃です。
息子は高熱が出ると吐きます。
Airbnbの仮住まい。
突然嘔吐対応エマージェンシー洗面器、ここにはない!あれだけの大荷物なのに、洗面器は持ってきてない。
「これからの長期旅行は、洗面器を」と、心に決めた瞬間。
シンガポールから持参の解熱剤を、時間をかけてのませます。
辛抱強く時間をかけて、少しづつ。
いっぺんに飲ませると、吐いてしまう。
やっと薬の必要量を飲み、高熱でしんどそうですが眠り始めました。
その間に、私も息子から菌をもらったようで同じ症状に。ただ、息子の症状よりは軽かった。
夫まで倒れてしまうと困るので、彼は隔離。
ウトウトしていると、数時間後に突然大きな声が。
息子が寝ている部屋に、ヨロヨロしながら飛んでいく。訳のわからない事を言っている。
高熱で幻覚を見ている。
どうしよう…
不安な気持ちを押さえつつ、ランダムな事を言い続ける息子に答え続ける。
よく分からない日本語の単語を羅列していました。
今振り返るとコメディーの様だけれど、「くちびる」「まぶた」とか。怯えながら、叫んでいるんです。
脳の機能、どうなっちゃった?
背中をさすりながら、質問を続ける。
私のことをお母さんだと判断して分かっているけれど、
「名前は何?」
質問しても、自分の名前を言わない。
良く分からない日本語を、怖がりながら叫び続けている。
この質問に答えない時が、本当に怖かった。
1分弱の事だったと思います。
少しずつ落ち着いて、意識もしっかりしてきました。
「今どこにいる?」
「マニラでしょう。」
良かった。…戻ってきた。
これが、熱せん妄。
1歳から10歳頃までの子どもに起こることが多い症状とのことです。
ここまでの反応は、息子は初めてでした。(赤ちゃんだった頃、発熱中寝ながらケタケタ笑っていたことはあり)
インフルエンザが増える時期に、記事になったりしますね。
高熱で幻覚・幻聴の影響を受けて、窓から飛び降りようとするケースもあると、記事を読んだことがあります。
環境が変わると菌も変わる。
慣れない土地での体調不良は、恐怖心をより煽ります。
「病気ごとに、大きくなる」母が言っていた言葉です。
当時は、「子どもが大きくなる」と理解していました。
自分が親になり、今でも親として初めての経験を積み重ねています。
子どもの病気ごとに、親である私の度胸が試され、人としての幅を大きく広げられているのだと感じます。
マニラ生活の通過儀礼。ビザも胃腸炎も。
Daisoで洗面器、買ったよ。
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