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クスッとくるのは勝新太郎のこと

 なんど思い返してもクスッと笑ってしまう記憶に残ってしまう記事があり、そういうことで思い出すのは、まあ勝新太郎のことだ。
 勝新太郎(本名 奥村利夫)は長唄三味線方の杵屋勝東治きねやかつとうじの次男として生まれ、20歳で名跡:二代目杵屋勝丸を襲名。幼いころから御簾みす(歌舞伎のオケピットのような処) に入り浸る。

 レコードコレクターズの2012年六月号の「歌いまくりまくりまくる勝新太郎」という小川真一さんの勝新歌大箱・歌いまくりまくりまくる勝新太郎 CD11枚+DVDのボックスセット紹介の記事中に、92年に水戸で行われたハワイ・パンツ事件後初のステージを完全収録したDVDの内容にふれている文章がある。ステージのMC。

~「今日は目の前にお客さんがいるけど、裁判所では自分の後ろにいた」~

 これで笑いをとるサービス精神旺盛な勝。はいっ。次いきます。

「ポップ中毒者の手記(約10年分)」川勝正幸 著 より七章 問題オヤジ研究 「ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭’94」のチーフプロデューサー小松沢陽一との対談。この映画祭ではロジェ・ヴァディム、勝新太郎、デニス・ホッパーが集結した。

同書 233頁から ナンシー関の消しゴム版画

~(川勝)ーーー(笑)二人とも黙ってないでしょう。
谷川 そう。いつしか筆おろしの話になってね。ヴァディムが「俺は16の時に浜辺の小さな小屋で年上の女性に童貞を切ってもらったんだ。ところが射精した後に、地震が起こって。こりゃ、神様が怒ってるとビビッて、ドアを開けたら、戦車がドカドカやって来る。ノルマンディー上陸の日だったんだ」と口火を切って。
ーーーう~~ん。相当、練られた話ですなあ。
谷川 そしたら、勝さんが「俺は14の時かな、日光でことが終わったら、いつの間にか太平洋戦争終わってた」って返して。ヴァディムがデニスを「お前は俺たちよりも若いから戦争中は毛が生えてなかったろう」とからかったら、「いや、俺は6歳の時に・・・」って言いかけて。
ーーー「コラコラ」となった、と。~

 川勝さん独自の文体、後追いのファンでしたけれど、とても好きでした。

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