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掌握小説 小話 エッセイ 音楽まとめ

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300文字~程度の文章小話エッセイをまとめてみました。
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#小説

おにぎりを解読しました

 図形丸三角四角にも基本的性質としての感情がきっとある。  母がオニギリを握る時、四角い…

梶薪七竈
1か月前
1

帰省は犬ぞり

「帰省は犬橇(ゾリ)だからなっ(思いつくままの奇行趣味)」 「あなたっわ、私はいいっ、けど、…

梶薪七竈
1か月前
2

ジョブズ風に(200文字)

「スティーブ・ジョブズ風にバリカンでさっぱりした髪型にしようと思うんだ」 「おもむろ人相…

梶薪七竈
1か月前
2

鏡餅のなる木

 鏡餅のなる木があった。 女は長く病の床に臥せっており庭に面する窓からそれを見上げる。 小…

梶薪七竈
1か月前
2

鐘楼

 教会の鐘が接収され、街のうわさは人を辿るようになった。 喪を、安息を伝え赤茶色の屋根が…

梶薪七竈
2か月前
3

花子第三回(300文字)

 花子は豆腐屋である。  両親は名付けの時、絹子と命名するつもりだった。家業に関りがある…

梶薪七竈
2か月前

花子第二回(300文字)

 花子は豆腐屋である。  店舗に通い詰める謎の男、名をメチヤンコ・ソロユドーフスキーという。  エクストリームソロユドーフ(一般的にはアイロニングが有名)、極限状態の中で平然と湯豆腐を行うスペシャリストで、岐阜の穂高連峰の急峻な岩稜や、アメリカ航空宇宙局の要請で低重力下に於いての湯豆腐、ついでにその宇宙食を開発。元手に嘆き悲しむ親族が見守る中墓石下に然るべき慇懃な作法をもって湯豆腐を収める、それは無かったなで新宇宙生誕かの独創性を取り除くと他に何も残らない事業を立ち上げた。

花子(連載めざして)第一回(300文字)

 花子は豆腐屋である。  メレンゲをBGMにメレンゲを泡立てていた。 「あの御方が来店するか…

梶薪七竈
2か月前

朋子との(約300文字)

 クラスメートになった朋子のお弁当には時々真っ白にみえる卵焼きが入ってた。朋子の家では普…

梶薪七竈
2か月前
3

ホヤ(約300文字)

「じゃあ、ホヤはどのような、、」 「そうですね、三陸リアス式海岸でスハスハしたり、社会と…

梶薪七竈
2か月前

カップラーメン顛末

熱湯を注いだのち300年待てとある。 カップラーメンの上蓋にプリントされている調理方法である…

梶薪七竈
2か月前
1

廃棄率(300文字)

 子供用野菜の皮剥きでじゃがいもの表皮をしょげしょげ剥いでるんだよね。芽っていう所がある…

梶薪七竈
2か月前

お向かいの冬彦さん(300文字)

町内会こぼれ話  お向かいの冬彦さん、とある令嬢とのお見合いの席で「小生、そんじゃそこい…

梶薪七竈
2か月前

いいぶん(300文字)

 いやあれだよ詩人の鮎川信夫なんて3センチも綿ゴミが溜ってる部屋の布団で読書してたってゆうし、こうして歩きにくい位にあれやこれが散乱してたほうがガレ場山岳地帯のようで持って生まれた本能と野性が刺激されてくるってゆうかさ。家具の壁面に保たせ積んでた本が雪崩打ってそのままなのもまっいっかって感じでむしろ紙質毎の摩擦係数あるんだなって。あ、その喰いかけのマックはホントに半年腐らないか実験中だから触らないで。乾いた服やクッションの類が攪拌されるのは「あの本何処に行ったっけ」の時だけだ