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30年前のコンビニ勤務

30年前、わたしは高校生でした。
高校生の最後の年に住んでいた町のコンビニでアルバイトをしました。
それまでファミレスのウェイトレスをやっていたので、仕事そのものが新鮮でした。

当時、その町には二軒しかコンビニがなくて、そのうちの一軒でバイトしました。

その店は、もともと酒屋さんをやっており、その二代目社長がコンビニにくら替えしたのでした。

そのころのコンビニは、宅配便の受付はあるけど、ホットスナックもなく。
あるのは肉まんやあんまんを蒸すスチーマーくらいでした。
その店はたばこも売っていませんでした。

店員として求められていたのは、
手早く袋に詰めてお渡しすることでした。
さらに会話も極限まで少なく、
いらっしゃいませ、と○○円です、ありがとうございます。くらいでした。

当時はおにぎりひとつ、あたためていたものです。

30年前のコンビニ勤務の一番の思い出は、
お客さんと、お付き合い一歩手前まで親しくなったことです。

今思い出しても、どうやって親しくなったのか、、
携帯もスマホもない時代にどのように連絡先を交換したのか、、
さっぱり思い出せません。

しかしながら薄ぼんやりと目当てのお客様が入店されたときのドキドキ感や
いつもヤングマガジンとカップ麺を買われていたお姿が思い出します。

わたしの恋は、ふたりきりのデートの次にダブルデートを企画して、
お相手とわたしの友達がお付き合いすることになって終わりました。

それからまもなくそのバイトを辞めました。

今でもあの店は、あるのかしら。
長らく地元を訪れていないのです。
あの看板のオレンジ色の光りをもう一度見てみたいものです。